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最愛の君へ
⑤
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シス兄様と合流して、パルムの木へ向かうことになった。
「ルナ……俺がシャウラ様を抱きかかえようか?」
シス兄様まで過保護なんだから。
「大丈夫だよ? シャウラは軽いから僕でも抱っこ出来るから」
シャウラが、キュッと抱きついてきた。可愛いい。そうだ……
「アリオトは、シス兄様に抱っこしてもらわない?僕より背が高いから気持ちいいかも。見渡しもきっといいはず。どう?」
きっと病弱な弟の手前、色々と我慢してきたはずだから……甘えたいはずだよね?
「──いい」
あれ?駄目なのかな?
「自分で歩けるから」
兄のプライドなのかな?甘えて欲しいのに。
その時、風が吹いた──
「──ルナ」
あ。シルフィ様
「どうしたのですか?」
「腕のなかの……その子は?ルビー色の瞳だ…ルナの子なのか?」
「やだなぁ。アルのお兄さんの子ですよ。だから、ちょっとアルににも似てるでしょう?シャウラって言うんですよ」
「その、足元のは?」
足元って……
「アリオトです。双子でシャウラの兄です」
少し体を屈めて、アリオトをのぞき込むと、シルフィ様が抱きかかえた。
「シャウラと瞳の色が違うのだな……お前……」
何かアリオトの耳元でささやいている。すぐにアリオトの顔が真っ赤になっている。何も言えないみたいで口をパクパクさせてる。
「アリオト……シルフィ様は風の精霊なんだよ。挨拶できる?」
絶世の美女の様な姿で、男体で。何よりも、低音の美声の持ち主。
見慣れている僕でも、抱きつかれるとドキドキしてしまうけど……アリオトの初恋になったらどうしょう?相手は精霊だ。
「───ア、アリオトです。弟のシャウラをどうか……お願いします。私は、も、もう……降ろして下さい」
「───ふふ。お前、シャウラが羨ましいのか?」
なぜ?そうなるんだろう。シャウラがアリオトに嫉妬するなら、分かるけど?シルフィ様に抱っこされるなんて、まずないもの。不思議に思いながら、その会話を聞いている。
でももうすぐ、パルムの木にたどり着きそう。
「そんな事ありません!」
アリオトが否定した。
「ルナに抱っこして欲しいなら、そう言えばいい。成長したら、抱っこなんてさせてもらえないぞ?特にアルファルドは、嫉妬深いからな」
え?
「───ちがっ」
ええ?
シス兄様が、困ったように笑う。
首元にいるシャウラが、一度キュッと抱きついた。
「ルナは、本当に皆に愛されていくのだな」
あいされて??
愛され……て。
「アリオト?シャウラ?」
「───アルも大変だな。敵が増えるばかりだ」
シス兄様何を言ってるの?
顔を上げて、シャウラが微笑んだ。
「アリオト、代わろうか?ルナ様とってもいい匂いがするの」
へ?
「うわ、アリオトが真っ赤になったな……ルナが初恋の相手とは、可哀想に」
「シ、シス兄様?シルフィ様なら分かるけど、な、なんで僕?」
「本当に、無自覚だな」
シルフィ様が、アリオトを降ろして僕の側にきた。そして、シャウラを受け取り抱き上げた。
「軽いな。確かに弱々しい…… ルナの願いなら、シャウラお前に、加護をつけよう」
シャウラの額に軽くシルフィ様が口付けた。
「あ、なんか……ぽかぽかします」
シャウラが、天使に見える。それにほら、やっぱりシルフィ様は美しいよ!
見つめていたら、シルフィ様が笑った。
「何をしている。アリオトも抱きしめて貰え。ルナは小さいからな、今しか抱っこして貰えないぞ」
その一声で、また真っ赤だ。照れてるの?僕でいいの?
本当に可愛い。甘えるの、下手なんだね。僕と一緒かな?
思わず、抱き上げた。シャウラよりは重いけど。これから、王子教育とか受けるのだから、ここに遊びに来る時は、子供でいて欲しい。レグルス様が、身分関係なく肩の力が抜けたのはここだけだって言ってた。そんな、優しい場所になってあげたい。
「アリオト~、ルナ様いい匂いでしょ?」
シャウラがニヤニヤしている。
「う……うん」
「そうかな?」
匂い、アルと同じなんだけどな。
「良い、匂いです」
「石鹸とかの匂いだと思うけど……それ使ってみる?今日一緒にお風呂に入る?」
「ルナ、やめとけ。アルが可哀想だ」
少し離れている、他の護衛の皆もなぜか頷いている。
───アルがどうして可哀想なの?
「これだから、ルナは……厄介だ」
シルフィ様が少し苦笑いのような顔を見せた。
「ルナ……俺がシャウラ様を抱きかかえようか?」
シス兄様まで過保護なんだから。
「大丈夫だよ? シャウラは軽いから僕でも抱っこ出来るから」
シャウラが、キュッと抱きついてきた。可愛いい。そうだ……
「アリオトは、シス兄様に抱っこしてもらわない?僕より背が高いから気持ちいいかも。見渡しもきっといいはず。どう?」
きっと病弱な弟の手前、色々と我慢してきたはずだから……甘えたいはずだよね?
「──いい」
あれ?駄目なのかな?
「自分で歩けるから」
兄のプライドなのかな?甘えて欲しいのに。
その時、風が吹いた──
「──ルナ」
あ。シルフィ様
「どうしたのですか?」
「腕のなかの……その子は?ルビー色の瞳だ…ルナの子なのか?」
「やだなぁ。アルのお兄さんの子ですよ。だから、ちょっとアルににも似てるでしょう?シャウラって言うんですよ」
「その、足元のは?」
足元って……
「アリオトです。双子でシャウラの兄です」
少し体を屈めて、アリオトをのぞき込むと、シルフィ様が抱きかかえた。
「シャウラと瞳の色が違うのだな……お前……」
何かアリオトの耳元でささやいている。すぐにアリオトの顔が真っ赤になっている。何も言えないみたいで口をパクパクさせてる。
「アリオト……シルフィ様は風の精霊なんだよ。挨拶できる?」
絶世の美女の様な姿で、男体で。何よりも、低音の美声の持ち主。
見慣れている僕でも、抱きつかれるとドキドキしてしまうけど……アリオトの初恋になったらどうしょう?相手は精霊だ。
「───ア、アリオトです。弟のシャウラをどうか……お願いします。私は、も、もう……降ろして下さい」
「───ふふ。お前、シャウラが羨ましいのか?」
なぜ?そうなるんだろう。シャウラがアリオトに嫉妬するなら、分かるけど?シルフィ様に抱っこされるなんて、まずないもの。不思議に思いながら、その会話を聞いている。
でももうすぐ、パルムの木にたどり着きそう。
「そんな事ありません!」
アリオトが否定した。
「ルナに抱っこして欲しいなら、そう言えばいい。成長したら、抱っこなんてさせてもらえないぞ?特にアルファルドは、嫉妬深いからな」
え?
「───ちがっ」
ええ?
シス兄様が、困ったように笑う。
首元にいるシャウラが、一度キュッと抱きついた。
「ルナは、本当に皆に愛されていくのだな」
あいされて??
愛され……て。
「アリオト?シャウラ?」
「───アルも大変だな。敵が増えるばかりだ」
シス兄様何を言ってるの?
顔を上げて、シャウラが微笑んだ。
「アリオト、代わろうか?ルナ様とってもいい匂いがするの」
へ?
「うわ、アリオトが真っ赤になったな……ルナが初恋の相手とは、可哀想に」
「シ、シス兄様?シルフィ様なら分かるけど、な、なんで僕?」
「本当に、無自覚だな」
シルフィ様が、アリオトを降ろして僕の側にきた。そして、シャウラを受け取り抱き上げた。
「軽いな。確かに弱々しい…… ルナの願いなら、シャウラお前に、加護をつけよう」
シャウラの額に軽くシルフィ様が口付けた。
「あ、なんか……ぽかぽかします」
シャウラが、天使に見える。それにほら、やっぱりシルフィ様は美しいよ!
見つめていたら、シルフィ様が笑った。
「何をしている。アリオトも抱きしめて貰え。ルナは小さいからな、今しか抱っこして貰えないぞ」
その一声で、また真っ赤だ。照れてるの?僕でいいの?
本当に可愛い。甘えるの、下手なんだね。僕と一緒かな?
思わず、抱き上げた。シャウラよりは重いけど。これから、王子教育とか受けるのだから、ここに遊びに来る時は、子供でいて欲しい。レグルス様が、身分関係なく肩の力が抜けたのはここだけだって言ってた。そんな、優しい場所になってあげたい。
「アリオト~、ルナ様いい匂いでしょ?」
シャウラがニヤニヤしている。
「う……うん」
「そうかな?」
匂い、アルと同じなんだけどな。
「良い、匂いです」
「石鹸とかの匂いだと思うけど……それ使ってみる?今日一緒にお風呂に入る?」
「ルナ、やめとけ。アルが可哀想だ」
少し離れている、他の護衛の皆もなぜか頷いている。
───アルがどうして可哀想なの?
「これだから、ルナは……厄介だ」
シルフィ様が少し苦笑いのような顔を見せた。
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