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その後のetc…
Ifクロスと猫とくじ引きと…※R
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お母さんに捨てられてから、1人で生きてきたんだ。
1人が楽だった。どうせ愛されないって知っているから。それでも寂しくなる時は、野良猫とかに……つい話しかけてた。
あの日。
1匹の黒猫が……何か怖いものに襲われそうになってて、思わず助けようって思ってしまったんだ。
死ぬのは怖くなかった。生きているのは、寂しくて……誰かの役に立てたなら、僕が生きてきた意味があるのかも知れない。もしかしたら、疎まれていたけれど……生まれてきた意味が、ここにあるのかも知れない、そう思った。
だから、先生が最期にずっと手を握ってくれたこと嬉しかったんだ。だって、1人で死んでいくって信じて疑わなかったんだ。
先生との記憶は、記憶の奥に仕舞われていたみたいで……先生と話すまでは、思い出せなかった。
くじで引いたやり直しの世界は、小説の世界。主人公は、今では大切な友人となったスピカだ。
くじのこと後悔して、何度も謝ってくるお人好しだ。本当に気にしてないのに。
だって、怖かったんだ。主人公なのに、この世界からも嫌われたら……ただ逃げただけだよ。
スピカは、2度目の人生を素直に生きて、楽しんでいる。堂々としてて、本当に可愛いのに格好良くて…眩しい。
先生は、僕を主人公にしたかったみたいだけど。大好きな家族と素敵な友人が出来ただけで幸せだったよ。憧れの学園生活を過ごせて卒業も出来た……ようやく1人で歩き出す。もしかしたら、2人で歩いていけるのかな?
いつだって先生が助けてくれてた。手は出さないって言って……ドキドキさせられっぱなしだ。今は自然と先生を探してしまう自分がいる。
つい、期待したり。もっと触れて欲しいって思ってる。もう、想いは止められない。
だから、怖い。いなくなったりしないで。
殿下が魔女を捕まえるのに、むちゃをした。魔女は無事にこの世界から追い出されたんだ。
そして、先生が消えた。
また……置いていかれた?
猫がいなかったら、本当に捨てられたって思うところだったんだ。
一緒に生きるために、動いてるから信じて上げてくださいって……
一緒に生きてくれるの?
◇◇◇◇
先生と、1つになりたい。
性急なキスをしてくるのに、触れてくる手は、優しい。少し冷たい指先が胸を掠めていく。
もっと、ちゃんと触って。どうしたら、伝わるのかな?
もどかしくて、体が熱くて。
そして────胎内へ。
「あ─────」
「君を、絶対に離したりしない。愛しているよ」
しがみつく。いっぱいに拡げられて、体の奥に先生の熱の塊が硬さそのまま伝わってきた。
繋がったまま、ベッドに倒される。心臓の鼓動が早くて、息を短く吐くしか出来なくて。
それでも……
「───キスして」
優しい、もどかしいキスを繰り返される。
先生、大好き。
「苦しくないか?」
「平気。お腹触ったら……先生の分かる」
お腹をなでた手を止められた。
「ルナ、ずいぶん余裕だな」
いつもの、優しい顔じゃない。苦しそうで……なんか、泣きそうに見えた。
「可愛い顔して、煽りすぎ。覚悟しろ、俺がどれだけ我慢してたか。───優しく出来ない」
ズルっと、体の中からいなると、熱を失ってしまう。
「や、やだ……やだ」
離れていかないで。
先生が、笑う。
「行かないで?」
次の瞬間に一気に満たされていく。
仰け反る背中に、痺れていく身体。腰を捕まれて、揺さぶられている。
熱の波が押し寄せて、激しくぶつかった。
「あああああ─────」
胎内が満たされていくのが分かる。
お腹に飛び散った白濁を拭き取ってくれてるけど。
まだ、先生がそのままだ。
「先生?」
少し隙間が出来て、太ももに流れ落ちてるのは……先生のだよね?
「────まだ、終わりじゃない。、これからもっと教える」
「え?」
嘘……これから?
「ルナが行くなって、離れて欲しくないんだろ?どれだけ愛しているか……教え込む」
グンとお腹に圧がかかる。
泣きそう。どれだけ愛してくれるのだろう。
一緒に生きて行くんだ。同じ時間を生きてくれるって言ってくれた先生を信じる。
「ずっと────愛してくれないと、森に引きこもりますから……クロス先生も、覚悟して。絶対に捨てないで」
何度も繰り返す口付けが、激しくなっていく。お互いを食べてしまいそうだ。
「クロス──先生、愛してる」
「俺も、愛しているのはルナだけだ」
あの時────貴方に逢えた。
それこそが、運命だったんだ。
If クロス編 終
1人が楽だった。どうせ愛されないって知っているから。それでも寂しくなる時は、野良猫とかに……つい話しかけてた。
あの日。
1匹の黒猫が……何か怖いものに襲われそうになってて、思わず助けようって思ってしまったんだ。
死ぬのは怖くなかった。生きているのは、寂しくて……誰かの役に立てたなら、僕が生きてきた意味があるのかも知れない。もしかしたら、疎まれていたけれど……生まれてきた意味が、ここにあるのかも知れない、そう思った。
だから、先生が最期にずっと手を握ってくれたこと嬉しかったんだ。だって、1人で死んでいくって信じて疑わなかったんだ。
先生との記憶は、記憶の奥に仕舞われていたみたいで……先生と話すまでは、思い出せなかった。
くじで引いたやり直しの世界は、小説の世界。主人公は、今では大切な友人となったスピカだ。
くじのこと後悔して、何度も謝ってくるお人好しだ。本当に気にしてないのに。
だって、怖かったんだ。主人公なのに、この世界からも嫌われたら……ただ逃げただけだよ。
スピカは、2度目の人生を素直に生きて、楽しんでいる。堂々としてて、本当に可愛いのに格好良くて…眩しい。
先生は、僕を主人公にしたかったみたいだけど。大好きな家族と素敵な友人が出来ただけで幸せだったよ。憧れの学園生活を過ごせて卒業も出来た……ようやく1人で歩き出す。もしかしたら、2人で歩いていけるのかな?
いつだって先生が助けてくれてた。手は出さないって言って……ドキドキさせられっぱなしだ。今は自然と先生を探してしまう自分がいる。
つい、期待したり。もっと触れて欲しいって思ってる。もう、想いは止められない。
だから、怖い。いなくなったりしないで。
殿下が魔女を捕まえるのに、むちゃをした。魔女は無事にこの世界から追い出されたんだ。
そして、先生が消えた。
また……置いていかれた?
猫がいなかったら、本当に捨てられたって思うところだったんだ。
一緒に生きるために、動いてるから信じて上げてくださいって……
一緒に生きてくれるの?
◇◇◇◇
先生と、1つになりたい。
性急なキスをしてくるのに、触れてくる手は、優しい。少し冷たい指先が胸を掠めていく。
もっと、ちゃんと触って。どうしたら、伝わるのかな?
もどかしくて、体が熱くて。
そして────胎内へ。
「あ─────」
「君を、絶対に離したりしない。愛しているよ」
しがみつく。いっぱいに拡げられて、体の奥に先生の熱の塊が硬さそのまま伝わってきた。
繋がったまま、ベッドに倒される。心臓の鼓動が早くて、息を短く吐くしか出来なくて。
それでも……
「───キスして」
優しい、もどかしいキスを繰り返される。
先生、大好き。
「苦しくないか?」
「平気。お腹触ったら……先生の分かる」
お腹をなでた手を止められた。
「ルナ、ずいぶん余裕だな」
いつもの、優しい顔じゃない。苦しそうで……なんか、泣きそうに見えた。
「可愛い顔して、煽りすぎ。覚悟しろ、俺がどれだけ我慢してたか。───優しく出来ない」
ズルっと、体の中からいなると、熱を失ってしまう。
「や、やだ……やだ」
離れていかないで。
先生が、笑う。
「行かないで?」
次の瞬間に一気に満たされていく。
仰け反る背中に、痺れていく身体。腰を捕まれて、揺さぶられている。
熱の波が押し寄せて、激しくぶつかった。
「あああああ─────」
胎内が満たされていくのが分かる。
お腹に飛び散った白濁を拭き取ってくれてるけど。
まだ、先生がそのままだ。
「先生?」
少し隙間が出来て、太ももに流れ落ちてるのは……先生のだよね?
「────まだ、終わりじゃない。、これからもっと教える」
「え?」
嘘……これから?
「ルナが行くなって、離れて欲しくないんだろ?どれだけ愛しているか……教え込む」
グンとお腹に圧がかかる。
泣きそう。どれだけ愛してくれるのだろう。
一緒に生きて行くんだ。同じ時間を生きてくれるって言ってくれた先生を信じる。
「ずっと────愛してくれないと、森に引きこもりますから……クロス先生も、覚悟して。絶対に捨てないで」
何度も繰り返す口付けが、激しくなっていく。お互いを食べてしまいそうだ。
「クロス──先生、愛してる」
「俺も、愛しているのはルナだけだ」
あの時────貴方に逢えた。
それこそが、運命だったんだ。
If クロス編 終
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