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その後のetc…
If クロスと猫とくじ引きと⑥
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「あ、ああ。少し、ルナ君を借りるよ」
精霊の加護が付いているのか。
ルナの腕の中の生き物が、俺をじーっと見つめてくる。面倒だな。
ルナは、精霊に何か言われている。
「シルフィ様達の加護付きのイヤーカフも気に入ってます!」
その言葉の後にルナの耳元に精霊がキスを落とした。何をしているんだ。
少しイラついてしまったが、突然温度が、下がってきた。一体なんなんだ。
レグルス殿下が呆れているのも分かる。皆……ルナのことを?
「アルデバラン先生。半刻(30分)で返して下さい。そうしないと、物理的に寮が凍ってしまう。シリウス、談話室の前で待っててやれ。怪しい時は、いつでも入室していいぞ」
怪しい時って……俺のことか?そう言って、殿下は手を振り部屋に戻って行く。カストルとソレイユが後に続きドアが閉まった。
「では、アルデバラン先生、早く終わらせましょう」
シリウスがさっさとしろと言うように急かしてきた。
談話室は、一つ下のフロアだ。
俺とルナは、向かい合わせに腰を掛けた。精霊の1人は、何故か手をルナの肩に置いて後ろに立っている。変な奴は、ルナの膝上に座りテーブルに両前足を乗せて、俺を睨んでいる。
シリウスは、ドアの外で待機してもらった。表情があからさまに不機嫌だったのを宥めたのはルナだ。
ルナが心配しないでって言葉を交わして扉を閉めた訳だが、ようやく会話が出来るところまできた。
「その、アルデバラン先生はじめまして、ルナ・フォレストです」
──仕方がない。早く話そう。
「もう、気が付いているのか?」
一瞬で緊張感が抜けたようで柔らかな笑顔を向けてきた。可愛いな。
「シルフィ様、これから話す事みんなに内緒にしてくれる?」
ルナは後ろを振り向いて、シルフィと呼ばれた精霊を見上げている。
「誰に?イアソ様には、筒抜けだ」
イアソ?精霊の上位種族だろうか?
「イアソ様には、嘘はつきたくないから平気。シリウス様とか殿下達に内緒にしてくれる?」
「ルナ以外の人間には興味がないから言わない、大丈夫だよ」
2人での会話が進みシルフィが防音の魔術かけて外にいるシリウスが気が付かない様にしてくれたのは、本当にありがたい。
そして、俺に向かって一気に話し出した。
「───攻略対象の方とかの邪魔はしません。3年学んだら、領地に帰ります。
ん?転生したなら仲間ですよね?そっか先生も腐男子?
誰推しとかあるんですか?スピカを心配するって事は、スピカ推しですか?あ、今世スピカと恋愛したい人ですか?」
モブが良かったとか…は本当らしい。しかし、なんで俺がスピカ推しとかアレと恋愛したいとなっているんだ?
その方が驚くだろう?
全く、周りがどれだけ君を想っているか……君だけは気が付かないみたいだな。
前世のせいで、自己評価が低いのだろうか?
「あ、先生ってもしかして、隠しキャラだったりするんですか?」
俺が隠しキャラって、笑うしかないな。確かにイレギュラーだが。
「本当に、邪魔する気はありません!」
だめだ。思わず吹き出してしまった。ああ、この可愛らしさが皆を惹き付けているんだろう。
「君は、本当にモブになりたかったんだね。君の幸せは、主人公になる事だと思っていたんだけど…ね。
そっか、なら、3年間見守らせてもらおうか。クジを奪った子に何かされたら嫌だからさ。そうだ、そのメガネは魔道具だよね?俺はかなり魔力が強いんだが……上手く顔を誤魔化してるよね?素顔見せてくれる?」
髪色は、この世界の色。
あの黒髪の子ではない。
しばらく考えてから、ルナがメガネを外した。
「ああ、その顔だ。私の使い魔を助けてくれた子だね。確信出来て良かったよ」
「黒ネコ?あ、事故の時の?」
この世界に生まれて記憶も薄れつつあるだろう……それでも、色が違うだけで君はあの綺麗な子のままなんだね。
──俺が、応援するのは君だけだ。
「え?なんですか?」
「いや、殿下達に嫌われたら、担任から外されそうだから、ルナを認めるよ。困った事があったら言いにおいで。寮もそのままの方が、腐男子の君には、良いはずだね。俺は、別に腐男子じゃないよ?スピカも興味ないから」
そうか、皆がルナを中心に集まって来ているのだ。
精霊や攻略対象を自然と惹き付けて、しまうんだね。
「行こうか?」
そう言って立ち上がった。
外のアイツが、限界だろう。
ドアが、思いっきり開いた時にシリウスの想いにも気がついた。
皆、この美い魂に惹き付けられるんだ。ルナが望むのは、モブだ。でも、きっと君は、皆を巻き込んで行くのだろう。
俺も、君に手を貸したい。君が幸せになるように。
俺は、もう自覚するべきなのだ。ルナを護るのは俺でありたいと。
精霊の加護が付いているのか。
ルナの腕の中の生き物が、俺をじーっと見つめてくる。面倒だな。
ルナは、精霊に何か言われている。
「シルフィ様達の加護付きのイヤーカフも気に入ってます!」
その言葉の後にルナの耳元に精霊がキスを落とした。何をしているんだ。
少しイラついてしまったが、突然温度が、下がってきた。一体なんなんだ。
レグルス殿下が呆れているのも分かる。皆……ルナのことを?
「アルデバラン先生。半刻(30分)で返して下さい。そうしないと、物理的に寮が凍ってしまう。シリウス、談話室の前で待っててやれ。怪しい時は、いつでも入室していいぞ」
怪しい時って……俺のことか?そう言って、殿下は手を振り部屋に戻って行く。カストルとソレイユが後に続きドアが閉まった。
「では、アルデバラン先生、早く終わらせましょう」
シリウスがさっさとしろと言うように急かしてきた。
談話室は、一つ下のフロアだ。
俺とルナは、向かい合わせに腰を掛けた。精霊の1人は、何故か手をルナの肩に置いて後ろに立っている。変な奴は、ルナの膝上に座りテーブルに両前足を乗せて、俺を睨んでいる。
シリウスは、ドアの外で待機してもらった。表情があからさまに不機嫌だったのを宥めたのはルナだ。
ルナが心配しないでって言葉を交わして扉を閉めた訳だが、ようやく会話が出来るところまできた。
「その、アルデバラン先生はじめまして、ルナ・フォレストです」
──仕方がない。早く話そう。
「もう、気が付いているのか?」
一瞬で緊張感が抜けたようで柔らかな笑顔を向けてきた。可愛いな。
「シルフィ様、これから話す事みんなに内緒にしてくれる?」
ルナは後ろを振り向いて、シルフィと呼ばれた精霊を見上げている。
「誰に?イアソ様には、筒抜けだ」
イアソ?精霊の上位種族だろうか?
「イアソ様には、嘘はつきたくないから平気。シリウス様とか殿下達に内緒にしてくれる?」
「ルナ以外の人間には興味がないから言わない、大丈夫だよ」
2人での会話が進みシルフィが防音の魔術かけて外にいるシリウスが気が付かない様にしてくれたのは、本当にありがたい。
そして、俺に向かって一気に話し出した。
「───攻略対象の方とかの邪魔はしません。3年学んだら、領地に帰ります。
ん?転生したなら仲間ですよね?そっか先生も腐男子?
誰推しとかあるんですか?スピカを心配するって事は、スピカ推しですか?あ、今世スピカと恋愛したい人ですか?」
モブが良かったとか…は本当らしい。しかし、なんで俺がスピカ推しとかアレと恋愛したいとなっているんだ?
その方が驚くだろう?
全く、周りがどれだけ君を想っているか……君だけは気が付かないみたいだな。
前世のせいで、自己評価が低いのだろうか?
「あ、先生ってもしかして、隠しキャラだったりするんですか?」
俺が隠しキャラって、笑うしかないな。確かにイレギュラーだが。
「本当に、邪魔する気はありません!」
だめだ。思わず吹き出してしまった。ああ、この可愛らしさが皆を惹き付けているんだろう。
「君は、本当にモブになりたかったんだね。君の幸せは、主人公になる事だと思っていたんだけど…ね。
そっか、なら、3年間見守らせてもらおうか。クジを奪った子に何かされたら嫌だからさ。そうだ、そのメガネは魔道具だよね?俺はかなり魔力が強いんだが……上手く顔を誤魔化してるよね?素顔見せてくれる?」
髪色は、この世界の色。
あの黒髪の子ではない。
しばらく考えてから、ルナがメガネを外した。
「ああ、その顔だ。私の使い魔を助けてくれた子だね。確信出来て良かったよ」
「黒ネコ?あ、事故の時の?」
この世界に生まれて記憶も薄れつつあるだろう……それでも、色が違うだけで君はあの綺麗な子のままなんだね。
──俺が、応援するのは君だけだ。
「え?なんですか?」
「いや、殿下達に嫌われたら、担任から外されそうだから、ルナを認めるよ。困った事があったら言いにおいで。寮もそのままの方が、腐男子の君には、良いはずだね。俺は、別に腐男子じゃないよ?スピカも興味ないから」
そうか、皆がルナを中心に集まって来ているのだ。
精霊や攻略対象を自然と惹き付けて、しまうんだね。
「行こうか?」
そう言って立ち上がった。
外のアイツが、限界だろう。
ドアが、思いっきり開いた時にシリウスの想いにも気がついた。
皆、この美い魂に惹き付けられるんだ。ルナが望むのは、モブだ。でも、きっと君は、皆を巻き込んで行くのだろう。
俺も、君に手を貸したい。君が幸せになるように。
俺は、もう自覚するべきなのだ。ルナを護るのは俺でありたいと。
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