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第6章 学園編☆1年生
13スピカの後悔
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リゲルが恨み言をルナ様に向けて言った。ルナ様が真っ青な顔をして涙を流していて俺まで胸が張り裂けそうだ。
レグルス様がルナ様を抱きかかえて言葉をかけている。
そして、リゲルが俺を見て言ったんだ。
「スピカも羨ましいだろ?男爵家の僕に子爵家の君。平民の母親。運が無いよね?侯爵家は無理でもせめて伯爵家に生まれたらとか?母親が貴族だったら扱われ方が違うと思わない?」
運が悪い──ずっとずっと、俺を蝕んできた言葉。
何をやっても、その所為にした。
リゲルが3組に変えられた時。
クロス・アルデバラン先生に呼び出された。
「君に話しておきたい。」と。
ルナ・フォレストは、あの時の子。俺が、クジを奪い交換して逃げた。本来なら、主人公としてこの世界に居るはずだった。
「本人がこのままを望んでいる。だからこの事をとやかく言うのはやめたよ」
先生がナビゲーターで、ルナ様と俺を探してこの世界に来たそうだ。俺とルナ様を入れ替える為に。でも、このままを望んでいるから手を引いたそうだ。
ルナ様の前世が酷かった事。虐待されて死にかけてたって。それから先生自身が恩返しをしたい事があったらしく、今世幸せになって欲しいと言った。だから今後は絶対に邪魔をするなと釘を刺された。
運が悪い?違うよ。
本当の主人公は、子爵令息でも関係無く自身の力で幸せになったんだ。
前世の俺は、最低だったから全部羨んでなんの努力もして来なかった。どうせ、無駄だ。何やってもこう言う運命だって思って来た。
他人を羨んで、ズルしてクジまで盗んで。俺がルナ様の立場なら、恨んでアイツに罰を与えてくれとか、きっと言う。俺はそう言う奴だ。
だから主人公になれてもズルをした俺が上手く行くはずなんて、なかったのだ。学園に来てイベントが起きない事実がそれを証明している。レグルス殿下は呪われていないみたいだし。ここは小説の世界と違う。
クジを奪ったのが俺って分かっているはずなのに、責めたりしない。先生の力だって借りれるはずなのに。身分だって上だ。簡単に排除出来るのに。嫌われ者になる所を手を伸ばしてくれた何より優しい存在がルナ様だ。
だから、皆ルナ様の周りにいるんだと思う。
素顔があまりにも綺麗で驚いたのは本当だけど。
リゲルが嫉妬するのも分かるけど。
顔とかじゃなくて、内面も綺麗じゃないと精霊達が側に寄ってこないと思うんだ。
超がつくほどのお人好しで、バカみたいに優しい。
段々と腹が立ってきた。
俺も大概バカだけど──リゲルお前もバカだ。
「リゲル。言って良い事と悪い事がある。ルナ様に嫉妬したからって、ルナ様の存在を否定するな!」
「何?そっちの身分の高い人達の所に居たいよね?僕なんて男爵と平民との間に生まれたゴミだよ。簡単に潰されて消されるだけのね!」
なんだよ。泣き叫んでいるみたいじゃないか。
黒い霧のような物が溢れて来た。これ、呪いっぽくないか?
「魔女様。僕を、ぜ~んぶ。あげますよ。だから消してよ。」
消すって、ルナ様や殿下達の事?
お前自身の事もか?
リゲル、ふざけんな。
さっき打ち付けた身体が痛い。だけど、ルナ様はもっと痛いんだ。
怖いとかビビんな!動け!動け!中身はポンコツな俺だけど、スピカには呪いを解く力があるはずだ!ここで使えなくてどーする!
魔力が消えても良い、チートでも何でも良い。この世界の神様、俺に力を貸して。
背中を風が押す。炎の陣がルナ様達を守っている。悪い気は通さないはずだ。植物の蔓が伸びてリゲルの足を捕まえた。
暴れるリゲルを正面から抱き締めて、思いっきり魔力を放出した。
「リゲルの中から出て行け!!」
膨れ上がる光の中、逃げようと暴れるリゲルに必死にしがみ付く。
どれくらい時間がたったか分からない。ほんの少しかも知れない。真っ黒の何かが、リゲルの口から出て消えた?と思う。
もう、無理。腕に力が入らなくなった。立っている気力も無くなってきた。
ごめんなさい。俺、やっぱりこのくらいしか出来ない。後は、シリウス様とかソレイユ様が悪い奴やっつけてくれないかな──
ルナ様、産まれてきたらダメな子なんていないよ。ダメなのはさ、親の自覚が無くて、身勝手で自分だけを愛したクズの母親の方だよ。
俺が言っても信憑性ないかな?ダメだなぁ。ねぇ王子様、ルナ様を必要だって言ってあげてよ。
レグルス様がルナ様を抱きかかえて言葉をかけている。
そして、リゲルが俺を見て言ったんだ。
「スピカも羨ましいだろ?男爵家の僕に子爵家の君。平民の母親。運が無いよね?侯爵家は無理でもせめて伯爵家に生まれたらとか?母親が貴族だったら扱われ方が違うと思わない?」
運が悪い──ずっとずっと、俺を蝕んできた言葉。
何をやっても、その所為にした。
リゲルが3組に変えられた時。
クロス・アルデバラン先生に呼び出された。
「君に話しておきたい。」と。
ルナ・フォレストは、あの時の子。俺が、クジを奪い交換して逃げた。本来なら、主人公としてこの世界に居るはずだった。
「本人がこのままを望んでいる。だからこの事をとやかく言うのはやめたよ」
先生がナビゲーターで、ルナ様と俺を探してこの世界に来たそうだ。俺とルナ様を入れ替える為に。でも、このままを望んでいるから手を引いたそうだ。
ルナ様の前世が酷かった事。虐待されて死にかけてたって。それから先生自身が恩返しをしたい事があったらしく、今世幸せになって欲しいと言った。だから今後は絶対に邪魔をするなと釘を刺された。
運が悪い?違うよ。
本当の主人公は、子爵令息でも関係無く自身の力で幸せになったんだ。
前世の俺は、最低だったから全部羨んでなんの努力もして来なかった。どうせ、無駄だ。何やってもこう言う運命だって思って来た。
他人を羨んで、ズルしてクジまで盗んで。俺がルナ様の立場なら、恨んでアイツに罰を与えてくれとか、きっと言う。俺はそう言う奴だ。
だから主人公になれてもズルをした俺が上手く行くはずなんて、なかったのだ。学園に来てイベントが起きない事実がそれを証明している。レグルス殿下は呪われていないみたいだし。ここは小説の世界と違う。
クジを奪ったのが俺って分かっているはずなのに、責めたりしない。先生の力だって借りれるはずなのに。身分だって上だ。簡単に排除出来るのに。嫌われ者になる所を手を伸ばしてくれた何より優しい存在がルナ様だ。
だから、皆ルナ様の周りにいるんだと思う。
素顔があまりにも綺麗で驚いたのは本当だけど。
リゲルが嫉妬するのも分かるけど。
顔とかじゃなくて、内面も綺麗じゃないと精霊達が側に寄ってこないと思うんだ。
超がつくほどのお人好しで、バカみたいに優しい。
段々と腹が立ってきた。
俺も大概バカだけど──リゲルお前もバカだ。
「リゲル。言って良い事と悪い事がある。ルナ様に嫉妬したからって、ルナ様の存在を否定するな!」
「何?そっちの身分の高い人達の所に居たいよね?僕なんて男爵と平民との間に生まれたゴミだよ。簡単に潰されて消されるだけのね!」
なんだよ。泣き叫んでいるみたいじゃないか。
黒い霧のような物が溢れて来た。これ、呪いっぽくないか?
「魔女様。僕を、ぜ~んぶ。あげますよ。だから消してよ。」
消すって、ルナ様や殿下達の事?
お前自身の事もか?
リゲル、ふざけんな。
さっき打ち付けた身体が痛い。だけど、ルナ様はもっと痛いんだ。
怖いとかビビんな!動け!動け!中身はポンコツな俺だけど、スピカには呪いを解く力があるはずだ!ここで使えなくてどーする!
魔力が消えても良い、チートでも何でも良い。この世界の神様、俺に力を貸して。
背中を風が押す。炎の陣がルナ様達を守っている。悪い気は通さないはずだ。植物の蔓が伸びてリゲルの足を捕まえた。
暴れるリゲルを正面から抱き締めて、思いっきり魔力を放出した。
「リゲルの中から出て行け!!」
膨れ上がる光の中、逃げようと暴れるリゲルに必死にしがみ付く。
どれくらい時間がたったか分からない。ほんの少しかも知れない。真っ黒の何かが、リゲルの口から出て消えた?と思う。
もう、無理。腕に力が入らなくなった。立っている気力も無くなってきた。
ごめんなさい。俺、やっぱりこのくらいしか出来ない。後は、シリウス様とかソレイユ様が悪い奴やっつけてくれないかな──
ルナ様、産まれてきたらダメな子なんていないよ。ダメなのはさ、親の自覚が無くて、身勝手で自分だけを愛したクズの母親の方だよ。
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