40 / 129
第6章 学園編☆1年生
4留学生②
しおりを挟む
☆スピカside
レグルス殿下との出会いのイベントが無くなって。それでもカストル様に助けてもらったのは、本当に嬉しかった。
新しい制服は既製品だったけど、そんなに違和感も無く体に合うものと交換してもらえた。
俺の頼んだ補正屋は、王都内では評判が悪いお店で料金も高く取られている可能性があるから、調べておくよと言ってもらえて本当に嬉しかった。だって制服の事で話す機会が、また出来ると思ったから。
昨日は特に何もなかったんだけど、同じクラスになれたし、落ち着いたら制服のお礼をしたかったのは本当だ。
リゲルは、寮の隣部屋の男爵令息だった。俺がお姫様抱っこで連れて行かれるのを見たらしい。
何事かと問いただしに部屋に来て羨ましいと何度も言っていた。
悪い子じゃないんだけど…殿下達を見る目が、ちょっと気になっていた。
俺自身は、マナー違反をしたく無くて、少しづつ顔見知りになっていけたら良いなって位だったのに。
だから離れて座ったんだ。リゲルが、殿下の隣りに座ったメガネの子を見た途端、文句を言い始めた。
僕たちの方がふさわしいはずだと。
何言ってんの?って思っているうちに、ら話が進んでいく。
「カストル様に早くお礼の挨拶しとこう!せっかく仲良くなったのに出会いが駄目になっちゃうよ!」
そう言われると、つい迷ってしまった。やっぱり不味いかもって思った時には、手を引かれて殿下達の近くに来てしまった。
いくら学園が学生のうちは平等と言っても、それは建前な事くらい俺だって分かる。
殿下自身が、メガネの子を選んだのなら俺達が文句なんて言えるわけない。だから、全然構わないのに。殿下が許した子を責める必要なんてないのに。ただ、カストル様と話せたらって気持ちが出ただけなのに。
リゲルが、どんどん暴走していく。とんでもない言いがかりをメガネの子に言い出す。
これって、悪役っぽい。嫌な気持ちになっていく。
シリウス様の氷点下な視線。実際寒気がしてくる。レグルス様の怒りも伝わってくる。
なんで?リゲルは気づかないんだろう?
レグルス殿下が、リゲルを無視して全く相手にする気が無いのは俺にだって分かるのに。
やばいって思うのに、なんか俺の事を全面に出して友人の様に扱われる。否定したいのに、言葉が出てこない。
どんどん嫌な空気になっている。毛玉のもふもふが出てきた。何?この子。つい可愛い思ってみていた。
「獣!」
なんてリゲルが言い出して、止めようと思った時には遅くて──
毛玉の子が、リゲルに対して怒りを露わにした。ご主人様を馬鹿にされたのが分かっているみたいだ。飛びかかりそうになったその子を暴れない様にメガネの子が止めた時、袖が赤く染まった。
少しだけ使える、治癒の魔術を使おうと側に寄ろうとしたけど、空間が揺れて、とんでもない美形の2人が現れた。
メガネの子は、倒れそうになった所を殿下に支えられて、床に座る様な形でその腕の中に収まっている。
そこに、水色の長身の人が膝をつき治療を始める。
紅い髪の人が、メガネの子を庇う様に立っている。怒っているのが分かる。
さらに黒髪の長身の人が、リゲルを押さえつけている。
リゲルが、殺されてしまうんじゃないかって殺気がすごい。俺じゃ止められない。
この人達誰なの?
こんな人達いた?
「アルファルド・グランデ殿下、落ち着いて下さい。彼がレグルス殿下達に不敬な態度を取った事を戒めて頂きありがとうございます。後はこちらで対応いたします」
クロス・アルデバラン先生が、黒髪の男の人の腕を軽く押さえて止めに入った。
今、アルファルド・グランデ殿下って言った。
6の月に編入してくる隣国の王子様だ。
どうして?身分を隠してないの?
小説の中では、身分を隠していつも1人でいる近寄り難い人。
図書館で、度々あって少しずつ興味を持ってもらえるそんな出会いをする、王子様のはずだった。
最初から王子って皆にバレている!
しかも、メガネの子の知り合みたい……どう言う事?
そして、アルファルド殿下がその子と聞いたこともない言葉で会話している。
ルナ──、それが名前?メガネの子の名前、ルナなんだ。それだけは聞き取れる。
2人の会話が全く理解出来ない。
カストル様やレグルス様は、少し聞き取っているようだけど。
ルナは、その言葉のまま水色の人と紅い人に話かけている。
彼らも理解したようで、そのまま姿を消した。
留学してくる時期が違う。身分を隠す事も無い隣国の王子様。
どうなっているの──?
レグルス殿下との出会いのイベントが無くなって。それでもカストル様に助けてもらったのは、本当に嬉しかった。
新しい制服は既製品だったけど、そんなに違和感も無く体に合うものと交換してもらえた。
俺の頼んだ補正屋は、王都内では評判が悪いお店で料金も高く取られている可能性があるから、調べておくよと言ってもらえて本当に嬉しかった。だって制服の事で話す機会が、また出来ると思ったから。
昨日は特に何もなかったんだけど、同じクラスになれたし、落ち着いたら制服のお礼をしたかったのは本当だ。
リゲルは、寮の隣部屋の男爵令息だった。俺がお姫様抱っこで連れて行かれるのを見たらしい。
何事かと問いただしに部屋に来て羨ましいと何度も言っていた。
悪い子じゃないんだけど…殿下達を見る目が、ちょっと気になっていた。
俺自身は、マナー違反をしたく無くて、少しづつ顔見知りになっていけたら良いなって位だったのに。
だから離れて座ったんだ。リゲルが、殿下の隣りに座ったメガネの子を見た途端、文句を言い始めた。
僕たちの方がふさわしいはずだと。
何言ってんの?って思っているうちに、ら話が進んでいく。
「カストル様に早くお礼の挨拶しとこう!せっかく仲良くなったのに出会いが駄目になっちゃうよ!」
そう言われると、つい迷ってしまった。やっぱり不味いかもって思った時には、手を引かれて殿下達の近くに来てしまった。
いくら学園が学生のうちは平等と言っても、それは建前な事くらい俺だって分かる。
殿下自身が、メガネの子を選んだのなら俺達が文句なんて言えるわけない。だから、全然構わないのに。殿下が許した子を責める必要なんてないのに。ただ、カストル様と話せたらって気持ちが出ただけなのに。
リゲルが、どんどん暴走していく。とんでもない言いがかりをメガネの子に言い出す。
これって、悪役っぽい。嫌な気持ちになっていく。
シリウス様の氷点下な視線。実際寒気がしてくる。レグルス様の怒りも伝わってくる。
なんで?リゲルは気づかないんだろう?
レグルス殿下が、リゲルを無視して全く相手にする気が無いのは俺にだって分かるのに。
やばいって思うのに、なんか俺の事を全面に出して友人の様に扱われる。否定したいのに、言葉が出てこない。
どんどん嫌な空気になっている。毛玉のもふもふが出てきた。何?この子。つい可愛い思ってみていた。
「獣!」
なんてリゲルが言い出して、止めようと思った時には遅くて──
毛玉の子が、リゲルに対して怒りを露わにした。ご主人様を馬鹿にされたのが分かっているみたいだ。飛びかかりそうになったその子を暴れない様にメガネの子が止めた時、袖が赤く染まった。
少しだけ使える、治癒の魔術を使おうと側に寄ろうとしたけど、空間が揺れて、とんでもない美形の2人が現れた。
メガネの子は、倒れそうになった所を殿下に支えられて、床に座る様な形でその腕の中に収まっている。
そこに、水色の長身の人が膝をつき治療を始める。
紅い髪の人が、メガネの子を庇う様に立っている。怒っているのが分かる。
さらに黒髪の長身の人が、リゲルを押さえつけている。
リゲルが、殺されてしまうんじゃないかって殺気がすごい。俺じゃ止められない。
この人達誰なの?
こんな人達いた?
「アルファルド・グランデ殿下、落ち着いて下さい。彼がレグルス殿下達に不敬な態度を取った事を戒めて頂きありがとうございます。後はこちらで対応いたします」
クロス・アルデバラン先生が、黒髪の男の人の腕を軽く押さえて止めに入った。
今、アルファルド・グランデ殿下って言った。
6の月に編入してくる隣国の王子様だ。
どうして?身分を隠してないの?
小説の中では、身分を隠していつも1人でいる近寄り難い人。
図書館で、度々あって少しずつ興味を持ってもらえるそんな出会いをする、王子様のはずだった。
最初から王子って皆にバレている!
しかも、メガネの子の知り合みたい……どう言う事?
そして、アルファルド殿下がその子と聞いたこともない言葉で会話している。
ルナ──、それが名前?メガネの子の名前、ルナなんだ。それだけは聞き取れる。
2人の会話が全く理解出来ない。
カストル様やレグルス様は、少し聞き取っているようだけど。
ルナは、その言葉のまま水色の人と紅い人に話かけている。
彼らも理解したようで、そのまま姿を消した。
留学してくる時期が違う。身分を隠す事も無い隣国の王子様。
どうなっているの──?
48
お気に入りに追加
5,768
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる