36 / 129
第5章 学園編☆入学
6☆ソレイユ
しおりを挟む
フォレスト辺境伯は、俺にとっても憧れの人だ。
騎士団長の父上が、崇拝する勢いで羨望の眼差しを──辺境伯セス様の姿絵に向けている。
母上に隠して、執務室の隠しドアの所に飾っているのを知っている。
何度となく、セス様の武勇伝を聞かされ続けて来た。
辺境伯爵領に何度か訪問を打診したが都合が合わず、今に至った。
レグルス殿下が、定期的に交流していてる。その際魔術を使った釣り大会なるものが行われていて、殿下の護衛ついでに参加したい騎士団の者が、選ばれる為にトーナメント戦をする位だ。
魔術の組み合わせのセンスを披露して、憧れのセス様からの評価を受けれるようで、皆必至に鍛錬をする。
おかげで王都の騎士団の実力は上がる一方らしい。
レグルス殿下に同行を希望するものの、やんわりと断られてしまう。
なんでも、フォレストの3兄弟とシリウス様の5人でキャンプをするのが恒例で殿下の息抜きの場所なんだとか。所謂、幼馴染という良き関係らしい。
俺もそこに無理やり入り込む程無粋ではない。ただ釣り大会が同時期と言うのが残念なだけだ。
俺もあの兄弟と仲良くなりたいと思っている。
ロイド様やダレン様が学園生の頃にクラス対抗戦や騎士トーナメント戦など学園一般開放の時に見学に行った事がある。
当時3年生のロイド様の高速の剣技に心を奪われる。教師では、敵うものはいないだろう。騎士団の上位に食い込む実力があるように思う。
無駄な動きがない。
セス様が優れていて、嫡男のロイド様のプレッシャーは半端ないはずなのに、飄々としている。俺は、父上より上になれるかなんて考えられないのに。
ああ、なんてカッコいい人なんだろ。
ダレン様は、 1年生の時に上級生を簡単にねじ伏せた。剣技だけでだ。相手が規定違反にも関わらず魔術を行使して来た。構わず距離を詰めて、叩きのめしたのだ。
父上が憧れるセス様のご子息達も実力が凄かった。
だが実際の所、父親に憧れてとか、辺境の騎士を継ぐ為に鍛えているわけではなかった。なんでも、大切な末の弟を護る為に鍛えているそうだ。
そして、同級生になるルナ様は、びっくりするくらい小さい。
辺境伯の息子だよな?
顔は似ている。
華奢で小さいルナ様を見て出た言葉は、『ちっさ』だった。なるほど、辺境の騎士としては、芽が出ない。そんな雰囲気だ。
だが魔術は、かなりの腕前らしい。
ただ攻撃を好まない性格らしくその実力を見せてもらえるかは分からない。
兄弟の中でも唯一精霊達の加護持ちなのは、その心根の優しさゆえなのかも知れない。
精霊の加護を使って、殿下を護るべく側近として選ばれている。
それでもなんとなく殿下を護るより、2人に大切にされているように思う。
あの、シリウス様が笑って対応しているのが恐ろしい。
レグルス殿下の視線も、ルナ様を見る目は優しくて、驚く。
どこにその惹きつける魅力があるのか?気になる所だ。
カストルは、冷静にこの状況を把握し少し面白がっている節がある。
殿下とシリウス様のガードが高く、ルナ様とゆっくり話すタイミングが出来ない。護衛として付き合っていくのだから、距離は少しずつ縮めて行けばいいだろう。
辺境伯領に夏季休暇等の帰省で、ぜひ同行をお願いする予定だ。
辺境の騎士団で鍛錬してみたい。
楽しみだ。
騎士団長の父上が、崇拝する勢いで羨望の眼差しを──辺境伯セス様の姿絵に向けている。
母上に隠して、執務室の隠しドアの所に飾っているのを知っている。
何度となく、セス様の武勇伝を聞かされ続けて来た。
辺境伯爵領に何度か訪問を打診したが都合が合わず、今に至った。
レグルス殿下が、定期的に交流していてる。その際魔術を使った釣り大会なるものが行われていて、殿下の護衛ついでに参加したい騎士団の者が、選ばれる為にトーナメント戦をする位だ。
魔術の組み合わせのセンスを披露して、憧れのセス様からの評価を受けれるようで、皆必至に鍛錬をする。
おかげで王都の騎士団の実力は上がる一方らしい。
レグルス殿下に同行を希望するものの、やんわりと断られてしまう。
なんでも、フォレストの3兄弟とシリウス様の5人でキャンプをするのが恒例で殿下の息抜きの場所なんだとか。所謂、幼馴染という良き関係らしい。
俺もそこに無理やり入り込む程無粋ではない。ただ釣り大会が同時期と言うのが残念なだけだ。
俺もあの兄弟と仲良くなりたいと思っている。
ロイド様やダレン様が学園生の頃にクラス対抗戦や騎士トーナメント戦など学園一般開放の時に見学に行った事がある。
当時3年生のロイド様の高速の剣技に心を奪われる。教師では、敵うものはいないだろう。騎士団の上位に食い込む実力があるように思う。
無駄な動きがない。
セス様が優れていて、嫡男のロイド様のプレッシャーは半端ないはずなのに、飄々としている。俺は、父上より上になれるかなんて考えられないのに。
ああ、なんてカッコいい人なんだろ。
ダレン様は、 1年生の時に上級生を簡単にねじ伏せた。剣技だけでだ。相手が規定違反にも関わらず魔術を行使して来た。構わず距離を詰めて、叩きのめしたのだ。
父上が憧れるセス様のご子息達も実力が凄かった。
だが実際の所、父親に憧れてとか、辺境の騎士を継ぐ為に鍛えているわけではなかった。なんでも、大切な末の弟を護る為に鍛えているそうだ。
そして、同級生になるルナ様は、びっくりするくらい小さい。
辺境伯の息子だよな?
顔は似ている。
華奢で小さいルナ様を見て出た言葉は、『ちっさ』だった。なるほど、辺境の騎士としては、芽が出ない。そんな雰囲気だ。
だが魔術は、かなりの腕前らしい。
ただ攻撃を好まない性格らしくその実力を見せてもらえるかは分からない。
兄弟の中でも唯一精霊達の加護持ちなのは、その心根の優しさゆえなのかも知れない。
精霊の加護を使って、殿下を護るべく側近として選ばれている。
それでもなんとなく殿下を護るより、2人に大切にされているように思う。
あの、シリウス様が笑って対応しているのが恐ろしい。
レグルス殿下の視線も、ルナ様を見る目は優しくて、驚く。
どこにその惹きつける魅力があるのか?気になる所だ。
カストルは、冷静にこの状況を把握し少し面白がっている節がある。
殿下とシリウス様のガードが高く、ルナ様とゆっくり話すタイミングが出来ない。護衛として付き合っていくのだから、距離は少しずつ縮めて行けばいいだろう。
辺境伯領に夏季休暇等の帰省で、ぜひ同行をお願いする予定だ。
辺境の騎士団で鍛錬してみたい。
楽しみだ。
38
お気に入りに追加
5,768
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる