35 / 129
第5章 学園編☆入学
5☆カストル
しおりを挟む
ピンク色の髪に瞳、珍しい色合いの彼はスピカ・グレンジャーだ。
確か、母親が平民で既に他界していたはずだ。孤児院から子爵家に実子として引き取られて、貴族のマナーや勉強、魔術を学んでここに来た。
グレンジャー子爵家に特に後ろ暗い所はない。
まあ、身分と言う括りでは近づけられないが、学生時代の友人程度ならば害のない人物だろう。
珍しい色合いで人目を引く容姿には違いない。
ただ美麗かどうかと言うならば、フォレスト辺境伯のルナが連れている精霊達はすごい。特に風の精霊 シルフィ様は、美しい。
フォレスト家は精霊に愛されると言われている。辺境の地にある美しい森が精霊の世界へと繋がっていると言う噂まである。
なぜ?あれほど精霊を惹きつけるのだろう?
シリウスとレグルス様もルナを気に入っている。
華奢で小さい。
小動物みたいだからか?
辺境伯には、他に2人の息子がいて、ロイドとダレンは魔術騎士として相応しい位に体格が良い。美形と言うより、整った精悍な顔付きだ。決してブサイクではない。かっこいいと思う。
ルナは、なんというか体型と顔のイメージが違うんだ。顔は3兄弟似ているのは納得出来る。しかし何か不自然に見えるのだ。
それなのにレグルス様もシリウスも可愛いくてたまらないようだ。あの氷男がたまに溶けた顔をする。それを見る俺の方が寒気がする。
まぁ、魔術師一家のシリウスがその不自然さを黙認しているのなら、危険ではないのだろう。
レグルス様が入学するにあたって、同級生になる者の素行調査は特に厳しくされている。だが、悪意のある者や気に入られようと媚びを売る者は完全には消せない。
媚薬など盛って、お手つきを狙う者もいるだろう。
シリウスは護衛として張り付いてくれる。表向き魔術騎士だが、暗部に近い実力者だ。ソレイユは、学生対応の壁的役割で直接攻撃系の対処がメインだ。俺は、魔術師系だが──人間観察がメインだ。レグルス様に対して害意があるかを疑うのが役割だ。
学園の生徒の情報を側近同士把握する為、俺がメインで行動する。
下位貴族は会う機会が少ないから積極的に接触していく予定だ。
入学式に、面白い奴を見つけた。
レグルス様を見て、頬を赤らめる。シリウスに視線を送り、アルデバラン先生を熱く見つめる。
小さいな。ルナの方が華奢で小さいか?
制服の採寸に手違いでもあったのだろうか?窮屈そうに見える。
まぁ、何にせよ。初めて間近に見る美形の殿下達に浮き足立つのはしょうがない。
身分を踏まえても学友止まりだ。側近になりたければ、成績や魔術で突出しなければ認められないだろう。その辺りの実力は、試験や実践で分かるから今は保留だ。
ただ恋心が芽生えて、執着されても困る。憧れで済むものなら良いが……
少し、接触するか。
それにしても、ルナ・フォレストは不思議な存在だ。
貴賓エリアに寮室を手配された。
陛下もフォーマルハウト侯爵家、騎士団長クラーク伯爵家も認めている。我がローランド公爵家も父が認めた。フォレスト辺境伯の人徳のようだ。
殿下の側近、学友としてのルナが危険人物かどうかを確認に来たアルデバラン先生も、僅か半刻で墜ちた。精霊の存在が大きいのだろうな。悪意のある者を嫌うらしいから。
こちらも気になるが、今日は発熱の為出席が叶わず、寮室に残っているらしい。雷を気にして足早にレグルス様は戻って行った。シリウスもレグルス様もいない所で接触したい。だが、精霊のガードが大き過ぎる。
とりあえず、もう1人の気になる相手から接触しよう。どんな反応を見せてくれるかな?楽しそうだ。
そう思い、スピカ・グレンジャーの後ろを追う事にした。
確か、母親が平民で既に他界していたはずだ。孤児院から子爵家に実子として引き取られて、貴族のマナーや勉強、魔術を学んでここに来た。
グレンジャー子爵家に特に後ろ暗い所はない。
まあ、身分と言う括りでは近づけられないが、学生時代の友人程度ならば害のない人物だろう。
珍しい色合いで人目を引く容姿には違いない。
ただ美麗かどうかと言うならば、フォレスト辺境伯のルナが連れている精霊達はすごい。特に風の精霊 シルフィ様は、美しい。
フォレスト家は精霊に愛されると言われている。辺境の地にある美しい森が精霊の世界へと繋がっていると言う噂まである。
なぜ?あれほど精霊を惹きつけるのだろう?
シリウスとレグルス様もルナを気に入っている。
華奢で小さい。
小動物みたいだからか?
辺境伯には、他に2人の息子がいて、ロイドとダレンは魔術騎士として相応しい位に体格が良い。美形と言うより、整った精悍な顔付きだ。決してブサイクではない。かっこいいと思う。
ルナは、なんというか体型と顔のイメージが違うんだ。顔は3兄弟似ているのは納得出来る。しかし何か不自然に見えるのだ。
それなのにレグルス様もシリウスも可愛いくてたまらないようだ。あの氷男がたまに溶けた顔をする。それを見る俺の方が寒気がする。
まぁ、魔術師一家のシリウスがその不自然さを黙認しているのなら、危険ではないのだろう。
レグルス様が入学するにあたって、同級生になる者の素行調査は特に厳しくされている。だが、悪意のある者や気に入られようと媚びを売る者は完全には消せない。
媚薬など盛って、お手つきを狙う者もいるだろう。
シリウスは護衛として張り付いてくれる。表向き魔術騎士だが、暗部に近い実力者だ。ソレイユは、学生対応の壁的役割で直接攻撃系の対処がメインだ。俺は、魔術師系だが──人間観察がメインだ。レグルス様に対して害意があるかを疑うのが役割だ。
学園の生徒の情報を側近同士把握する為、俺がメインで行動する。
下位貴族は会う機会が少ないから積極的に接触していく予定だ。
入学式に、面白い奴を見つけた。
レグルス様を見て、頬を赤らめる。シリウスに視線を送り、アルデバラン先生を熱く見つめる。
小さいな。ルナの方が華奢で小さいか?
制服の採寸に手違いでもあったのだろうか?窮屈そうに見える。
まぁ、何にせよ。初めて間近に見る美形の殿下達に浮き足立つのはしょうがない。
身分を踏まえても学友止まりだ。側近になりたければ、成績や魔術で突出しなければ認められないだろう。その辺りの実力は、試験や実践で分かるから今は保留だ。
ただ恋心が芽生えて、執着されても困る。憧れで済むものなら良いが……
少し、接触するか。
それにしても、ルナ・フォレストは不思議な存在だ。
貴賓エリアに寮室を手配された。
陛下もフォーマルハウト侯爵家、騎士団長クラーク伯爵家も認めている。我がローランド公爵家も父が認めた。フォレスト辺境伯の人徳のようだ。
殿下の側近、学友としてのルナが危険人物かどうかを確認に来たアルデバラン先生も、僅か半刻で墜ちた。精霊の存在が大きいのだろうな。悪意のある者を嫌うらしいから。
こちらも気になるが、今日は発熱の為出席が叶わず、寮室に残っているらしい。雷を気にして足早にレグルス様は戻って行った。シリウスもレグルス様もいない所で接触したい。だが、精霊のガードが大き過ぎる。
とりあえず、もう1人の気になる相手から接触しよう。どんな反応を見せてくれるかな?楽しそうだ。
そう思い、スピカ・グレンジャーの後ろを追う事にした。
36
お気に入りに追加
5,768
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる