【本編完結】イケメンの皆様、主人公はあちらですよ。

第4章 学園入学準備

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「月ルナ君が、貴方達側近候補と相応しくあるか談話室でお話するだけですよ？」

アルデバラン先生のルナって呼び方が──？
今の、発音が違う感じがした。

「レグルス殿下の幼馴染で、フォレスト辺境伯の御子息です。陛下も学園長からの許可もあります。それにカストル・ローランド、ローランド公爵家やクラーク伯爵家、我がフォーマルハウト侯爵家も認めております。
アルデバラン伯爵家が、辺境伯へ何か言える立場には無いのでは？」

シス兄様の顔は笑ってない。

「ここは、学園だよ？公爵や侯爵の身分をチラつかせるのはどうなのかな？生徒は平等だが、教師の立場は生徒の上だよ。
それに、もっと素晴らしい才能のご子息がいてね。それこそ身分が低いが、殿下や君達にメリットがあると思うから紹介したいけどね」

何やら、不味い雰囲気になって来た。

「シス兄様、あ、シリウス様。僕大丈夫です。アルデバラン先生とお話して来ます。部屋で待ってて下さい」
もう、僕が行ってきた方がいいよね？

アルデバラン先生が、にっこりと笑って
「うん。ルナ君は良い子だね」
そう言って僕に触れそうになった時──

ドアが開いた。

「シリウス様、何やっているんですか？レグルス様が、遅い早くしろって中で呼んでますよ？」

あ、カストル・ローランド様だ！
濃紺・紺眼だ。シス兄様と違うけど、インテリ系のクールなイケメンだ！

その後ろに、ソレイユ・クラーク様が見えた。騎士団長の息子らしくガタイが良いし、背も高い。
赤髪・オレンジ色の瞳で、名前と同じで太陽みたいな人だ。

「おっ？そいつがフォレスト様の息子か？うそ、ダレン様の弟だから体格が良いと思ってたよ。ちっさ」

ちっさ…って酷いよ。

「これから、大きくなります」
ボソリと呟くと、ソレイユ様が豪快に笑う。

「つい。悪かった」

なんて言うか、素直？その場を明るくする人だな。

そんな事を考えていたら、部屋の奥からレグルス殿下が現れた。

相変わらず眩しい。

「ルナ。遅い。早く中に入れ」

うん、この中で1番に優先されるのは、この人だ。

チラリとアルデバラン先生を見ると、溜息を一つ落とした。

「レグルス殿下、少しルナ君を借りたかったのです。ほんの少し談話室で話して来てもいいでしょうか？」

殿下は先生を一度見る。そして、シリウス様を見て、頷く。

「ルナは、私の大切な幼馴染だ。いくら先生でも、2人だけにする事は出来ない。フェルとイフリート様かシルフィ様のどちらかが来てくれると良いな」

「フェル？とは誰です？イフリート様かシルフィ様？一体誰の事ですか？」

「先生は、知らないのですか？ルナは精霊の加護付きです。ルナに何かあれば、精霊に攻撃されますから。学園が破壊されても困りますよ？ならば最初から彼らに護らせる事にしているのですよ。
先生は今期からの採用でしたね。学園長から説明が言ってないようですね」　　

どう言う事だ？
モブ役に精霊の加護なんて、付いてなかっただろう？

アルデバラン先生からの呟きを風魔術で拾う。

もしかして、この人も転生者？
モブの僕が、殿下達の側にいたら邪魔って言いにきたのかも！
でも、怖い人だと不味いし…

「あの。先生と少し話して来るから。こう言う時は、冷静なシルフィ様が良いと思う。リート様が怒ると大変だし。風の精霊 シルフィ様、加護の契約より僕の前に現れて。フェルは、僕から離れないでね」

ピョーンと腕の中にフェルがおさまる。
空間が歪み、シルフィ様が現れた。ディーネ様は4人中で1番背が高い。でもシルフィ様は、1番小さめ。うん、それでも170近くあるから僕よりは大きい。

顔がダントツで美人なんだ。男性体なんだけど、美女って言うべき？長い緑色の髪はくるぶし位まである。
両サイドを少し三つ編みにしてその部分を背中の所で合わせて結んでいる。深い森の様な瞳で見つめられると、見透かされてしまいそうで絶対に嘘はつきません！と誓いたくなるんだ。

それなのに、僕の瞳の方が綺麗だなんて言うし。心臓バクバクです。

「ルナ。会いたかった」
ギュッと抱きしめられる。見た目と異なって、声が低い。イケボ過ぎて、腰に響く。
いやいや、そんな事言っている場合じゃない。やばいよ。
シス兄様の温度が、下がる。

シス兄様は、シルフィ様のファンみたいだからそんなにくっつかないでー。

「アルデバラン先生、えっと、この2人？と一緒で良いですか？」

先生が、なんか固まってるけど──

あ、シルフィ様の美女オーラにやられたパターン？

わかるよ！
ほら、カストル様とソレイユ様の顔、真っ赤だもん。