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第3章 隣の幼馴染
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精霊の森から帰ってきた。
レグルス様は、全部呪いが解けたんだって。
おかしいな。
全部は解呪されなくて、学園でスピカに残りを解呪されるんだったよね?
苦しそうな、レグルス様を支えた事までしか覚えてなくて。
お父様に聞いても、元気になったら詳しい事を話すよ。そう言われた。今は、疲れが出たみたいで熱が出ている。
フェルは、氷の精霊だから、首元を冷やしてくれている。
さっきは、冷た過ぎてちょっと離れてって言ったら落ち込んでしまって困った。
ウンディーネ様が……そうだ、ディーネって呼ぶ様に言われたんだった。
ディーネ様の触れる手が気持ちが良くて、すりすりしてたら、フェルがディーネ様の手に前足を当ててその後、僕の首元に寄ってきた。
多分、気持ちの良い温度を確かめたんだね。
「ありがとう。フェル」
しっぽをぶんぶん振ろうとして、ディーネ様に怒られていた。
他にも果実水などを僕の好みに冷やしてくれる。初めて会った時は、連れ去られそうになって怖かったけど、冷たそうな美形が優しく笑うとグッときちゃうね。
前世の腐男子センサーが反応しちゃうよ。
リート(炎の精霊 イフリート)様×ディーネ(水の精霊 ウンディーネ)様とか!? 攻めの方が背が低いのも……いい。
風の精霊 シルフィ様総受け──美形、もう美女だったぁ。
「ルナ?顔が赤い。熱が上がったか?」
「だ、だいじょうぶです」
棒読みになってしまった。危ない、危ない。
少し冷んやりした手が、頬に触れる。
「問題ないか……もう、寝てしまいなさい」
また、優しく笑いかけられて、鼻血が出そうです。
体内の熱を魔術で無理に下げるより、自己治癒をさせていく方が僕の体の為らしい。
魔術に頼り過ぎちゃダメなのも、納得だよね。
高熱がまた出た時は、直ぐ来ると言ってディーネ様が帰って行った。
でもこれで、王子様の幼馴染として仲良くなれるかな?
僕が元気になったら、領内を案内して、もう少し仲良くなって学園でも側にいられるようにしなきゃ。幼馴染で攻略対象に会えるんだから。
そう言えば……フォーマルハウトのシリウス様って、あのシリウス様だよね?
この前、前世を思い出すまでは、気付かなかった。
3つ上のダレンお兄様の親友で3人目のお兄様って感じ。事故の辺りの記憶も曖昧だから、ピンと来なかったけど……
『シリウス・フォーマルハウト』
☆魔術師団長の息子攻略対象だよね?
第1王子の護衛
侯爵家嫡男
主人公の3歳上
銀髪・紫眼
タイプ・クーデレ
氷属性
でも。
シリウス様って、僕にめちゃくちゃ優しくなかったっけ?
クーデレだったかな?
ずっと、かまってくれてたよね?
うーん?ま、主人公じゃないからかな?
トントンとドアがノックされて「ルナ起きてる?」
ダレンお兄様の声がした。
「うん」
果物をお皿に乗せて、部屋に入って来た。後ろからロイドお兄様もついて来た。
ベッドサイドのテーブルにそれを置いて、2人椅子を用意して座った。
おでこに手を当ててくれた。
「熱下がったかな?」
2人が気にしてくれるのが、すごく嬉しい。
「ディーネ様とフェルが冷やしてくれたから、平気です」
前は熱を出したって、1人だったんだ。誰もいなくて。怖くて。喉が渇いても……水道の所まで、這っていくのがやっとだった。
今は、ディーネ様やフェルがいて。お兄様やお父様がこうして顔を見に来てくれる。
うん。絶対フォレスト家の役に立つぞ。そう誓う。
「──ナ、ルナ。大丈夫か?」
ロイド兄様が心配そうに僕の顔を見つめてくる。
いけない。心配かけない様にしないと。
「大丈夫です!明日には、役に立ちますから!えっと、レグルス殿下を領地に案内したり……あ、あの湖とかに連れて行ってあげるとか!」
体を起こそうとしたら、止められて呆れ顔をされてしまった。
ダメだったかな?役立たない?
「違う。そうじゃない。無理して欲しくないだけで、役立たずとか思ってないぞ?元気になって、笑顔でいてくれる方が、ずっと俺達いや騎士達の役に立つ」
ダレン兄様、なんで騎士の役に立つって言うのかな?
「そうそう。お父様のストレスのはけ口が……騎士団に向かうからなぁ。悲鳴も修練場から聞こえるし」
悲鳴??
兄様達は2人顔を見合わせて苦笑いしている。
「ま、騎士団の平和の為に元気になれよ?」
「─はい」
「あのさ。ルナ。明日シリウスが、来るんだ。しばらくここに滞在して、殿下と一緒に帰るらしいぞ。たぶん、殿下に会う為じゃなくて、お前に会いたいんだよ」
ダレン兄様がそう言った後、気が気じゃないんだろなぁ──なんて、ぼそっとロイド兄様が呟いた。
あ、そっか。
シリウス様も、殿下が心配なのか。側近になる人だもの。ん?でも僕に会いに来る?
魔術教えてって言ってたからかな?
学園前の美少年ぶりをツーショットで見られるのは嬉しいかも。
何故か兄様達が、ため息をついた。
「なんか、勘違いしてるな」
「本当に、報われないなシリウス」
よく分からないって顔をしたら、頭を撫でられた。
「明日シリウスが着くから明後日、湖に行けるか父様に聞いておくよ」
そう言って、2人は部屋から出て行った。
「もしかして、シリウス様とも幼馴染?って事だよね?メガネモブなのに……僕、贅沢じゃない?
あ、アルに連絡しよう!なんかすごい人達と幼馴染になれそうって」
アルにも会いたいなぁ。
ちゃんと寝て、元気になって、思い出のエピソードを作らなきゃね。役得だね。
フェル、おいで。抱きしめると冷んやりした。
今度は、あったかい方がいいな。
「今度は温めて、フェルお願い」
ぶんぶん尻尾を振ってから、僕の胸におさまってきた。
レグルス様は、全部呪いが解けたんだって。
おかしいな。
全部は解呪されなくて、学園でスピカに残りを解呪されるんだったよね?
苦しそうな、レグルス様を支えた事までしか覚えてなくて。
お父様に聞いても、元気になったら詳しい事を話すよ。そう言われた。今は、疲れが出たみたいで熱が出ている。
フェルは、氷の精霊だから、首元を冷やしてくれている。
さっきは、冷た過ぎてちょっと離れてって言ったら落ち込んでしまって困った。
ウンディーネ様が……そうだ、ディーネって呼ぶ様に言われたんだった。
ディーネ様の触れる手が気持ちが良くて、すりすりしてたら、フェルがディーネ様の手に前足を当ててその後、僕の首元に寄ってきた。
多分、気持ちの良い温度を確かめたんだね。
「ありがとう。フェル」
しっぽをぶんぶん振ろうとして、ディーネ様に怒られていた。
他にも果実水などを僕の好みに冷やしてくれる。初めて会った時は、連れ去られそうになって怖かったけど、冷たそうな美形が優しく笑うとグッときちゃうね。
前世の腐男子センサーが反応しちゃうよ。
リート(炎の精霊 イフリート)様×ディーネ(水の精霊 ウンディーネ)様とか!? 攻めの方が背が低いのも……いい。
風の精霊 シルフィ様総受け──美形、もう美女だったぁ。
「ルナ?顔が赤い。熱が上がったか?」
「だ、だいじょうぶです」
棒読みになってしまった。危ない、危ない。
少し冷んやりした手が、頬に触れる。
「問題ないか……もう、寝てしまいなさい」
また、優しく笑いかけられて、鼻血が出そうです。
体内の熱を魔術で無理に下げるより、自己治癒をさせていく方が僕の体の為らしい。
魔術に頼り過ぎちゃダメなのも、納得だよね。
高熱がまた出た時は、直ぐ来ると言ってディーネ様が帰って行った。
でもこれで、王子様の幼馴染として仲良くなれるかな?
僕が元気になったら、領内を案内して、もう少し仲良くなって学園でも側にいられるようにしなきゃ。幼馴染で攻略対象に会えるんだから。
そう言えば……フォーマルハウトのシリウス様って、あのシリウス様だよね?
この前、前世を思い出すまでは、気付かなかった。
3つ上のダレンお兄様の親友で3人目のお兄様って感じ。事故の辺りの記憶も曖昧だから、ピンと来なかったけど……
『シリウス・フォーマルハウト』
☆魔術師団長の息子攻略対象だよね?
第1王子の護衛
侯爵家嫡男
主人公の3歳上
銀髪・紫眼
タイプ・クーデレ
氷属性
でも。
シリウス様って、僕にめちゃくちゃ優しくなかったっけ?
クーデレだったかな?
ずっと、かまってくれてたよね?
うーん?ま、主人公じゃないからかな?
トントンとドアがノックされて「ルナ起きてる?」
ダレンお兄様の声がした。
「うん」
果物をお皿に乗せて、部屋に入って来た。後ろからロイドお兄様もついて来た。
ベッドサイドのテーブルにそれを置いて、2人椅子を用意して座った。
おでこに手を当ててくれた。
「熱下がったかな?」
2人が気にしてくれるのが、すごく嬉しい。
「ディーネ様とフェルが冷やしてくれたから、平気です」
前は熱を出したって、1人だったんだ。誰もいなくて。怖くて。喉が渇いても……水道の所まで、這っていくのがやっとだった。
今は、ディーネ様やフェルがいて。お兄様やお父様がこうして顔を見に来てくれる。
うん。絶対フォレスト家の役に立つぞ。そう誓う。
「──ナ、ルナ。大丈夫か?」
ロイド兄様が心配そうに僕の顔を見つめてくる。
いけない。心配かけない様にしないと。
「大丈夫です!明日には、役に立ちますから!えっと、レグルス殿下を領地に案内したり……あ、あの湖とかに連れて行ってあげるとか!」
体を起こそうとしたら、止められて呆れ顔をされてしまった。
ダメだったかな?役立たない?
「違う。そうじゃない。無理して欲しくないだけで、役立たずとか思ってないぞ?元気になって、笑顔でいてくれる方が、ずっと俺達いや騎士達の役に立つ」
ダレン兄様、なんで騎士の役に立つって言うのかな?
「そうそう。お父様のストレスのはけ口が……騎士団に向かうからなぁ。悲鳴も修練場から聞こえるし」
悲鳴??
兄様達は2人顔を見合わせて苦笑いしている。
「ま、騎士団の平和の為に元気になれよ?」
「─はい」
「あのさ。ルナ。明日シリウスが、来るんだ。しばらくここに滞在して、殿下と一緒に帰るらしいぞ。たぶん、殿下に会う為じゃなくて、お前に会いたいんだよ」
ダレン兄様がそう言った後、気が気じゃないんだろなぁ──なんて、ぼそっとロイド兄様が呟いた。
あ、そっか。
シリウス様も、殿下が心配なのか。側近になる人だもの。ん?でも僕に会いに来る?
魔術教えてって言ってたからかな?
学園前の美少年ぶりをツーショットで見られるのは嬉しいかも。
何故か兄様達が、ため息をついた。
「なんか、勘違いしてるな」
「本当に、報われないなシリウス」
よく分からないって顔をしたら、頭を撫でられた。
「明日シリウスが着くから明後日、湖に行けるか父様に聞いておくよ」
そう言って、2人は部屋から出て行った。
「もしかして、シリウス様とも幼馴染?って事だよね?メガネモブなのに……僕、贅沢じゃない?
あ、アルに連絡しよう!なんかすごい人達と幼馴染になれそうって」
アルにも会いたいなぁ。
ちゃんと寝て、元気になって、思い出のエピソードを作らなきゃね。役得だね。
フェル、おいで。抱きしめると冷んやりした。
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