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第2章 パルムの樹と精霊
閑話☆辺境伯の護衛騎士
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フォレスト辺境伯爵家には、妖精が住んでいる。天使と言う者もいる。
辺境伯のセス様には、3人の息子がいるのだが、1人だけ神様からの贈り物と言っても過言ではない子がいる。
ルナ・フォレスト様だ。
ミルクティー色のダークブロンド。
大きなエメラルドの瞳、少しだけ垂れ目で、我々魔術騎士のハート♡を鷲掴みだ。
顔だけではない。
仕草も、我々への思いやりの言葉も。全て癒しだ。
事故のトラウマで血を見る事が出来ないルナ様は、残った傷痕を気にしてくれた。
「痛かった?」
などと涙目で聞いてくる。
傷など当たり前の我々の手を摩りながら……
「痛いの痛いの飛んでけ~」
などと言われた時には、魂が飛んで行ってしまうかと……
それぞれのお子様達に専属の護衛が3人程選ばれる。既にロイド様、ダレン様には護衛が決まっている。
王都の学園は貴族子息の義務のようなもので15になる年から3年間通う事になる。その際に2人に絞られて王都に同行するのだ。
寮生活が基本でも、王都にも邸があるから、息抜き等に泊まられる事も多々あるとの事だ。
社交シーズンに領地に戻らず、しばらく王都に滞在する事も想定され外出時の護衛として信頼のおける者が選出されるのだ。
始めから2人にしない理由はセス様が、護衛騎士達に切磋琢磨させるようワザと仕組んでいる事だ。
その結果、ルナ様の専属護衛になりたい者が火花を散らしていたわけだ。
念願叶って私も3人のうちの1人に選ばれた。
まだルナ様は7歳なのでしばらくは、このまま安泰かと思われたが1年後にルナ様との相性の良さも加味する等と、親バカ……ゲフンゲフン、セス様が言い始めた。
2人に絞る前に入れ替えがあるかもなどと、選外の奴らの異様なやる気が恐ろしい。
皆、虎視眈々とその座を狙っている。王都行きの切符を手に入れるために日々の鍛錬は、欠かせない。この座を失うなどあってはならない。
あの、可愛い御尊顔を拝めるのならば、鬼畜なセス様の訓練など乗り越えていける。
だが、王都から王子殿下が療養に来た。
このまま気に入られて、婚約者候補などに選ばれでもしたら……
この国は、同性婚も認められている。跡継ぎを望まないのであれば婚姻は問題ないし可能だった。
養子という手もあるわけだしな。
相手はあの天使だ。
見初められたら側妃に選ばれる可能性もあり得る。
王族だから、跡継ぎは必須だ。そうなれば、男の伴侶は必然的に側妃なのだ。
だからと言ってルナ様を側妃などにさせてなるものかと、我々辺境伯の魔術騎士は団結している。別名、妖精見守り隊、ルナ様の幸せを願う者の精鋭部隊だ。
もちろん、ルナ様自身の好きな方が、王子と言うなら諦めるしかないが──
それでも側妃だけはダメだ。正妃ならともかく。
それに無理矢理の婚約など、セス様が鬼畜どころか、魔王になるかも知れない。それは、流石に恐ろしい。絶対に阻止だ。
王家に連れて行かれたら、我々、田舎者など側に置いてもらえないだろう。
だが、流石だ。
認識阻害のメガネを用意した。
セス様、グッジョブ!
可愛い顔が、セス様に似て残念な事になってしまったが、これも我らの妖精を奪われない為だ。
なのに。
パルムの樹に1人で来たルナ様は、
メガネをつけ忘れてしまっていたのだ。
我々も妖精の様なルナ様に皆浮足だっていた。それに殿下までこちらに来るとは、想定外だった。
案の定、殿下が……妖精に堕ちてしまった。非常事態だ。
だが、ルナ様が、殿下の体調不良と勘違いした。
ルナ様、グッジョブ!
普段、誰か1人を蹴落とそうとしている……いや、切磋琢磨している我々は、殿下を医務室まで引き剥がす事に成功した。見事な連携プレーだ。
あの子は誰なのかと問いただしていたが、セス様が精霊だと言い張った。
セス様!本日は最高です!
腑に落ちない殿下に、我々も質問されたが、精霊にしか見えませんでした。
そう言うと、疑義の目を向けられたが、渋々納得して部屋に戻って行った。
良かった。とりあえず回避したようだ。
我々妖精見守り隊は、全力を尽くしお守りする事を使命とし誓い、全ういたします。
辺境伯のセス様には、3人の息子がいるのだが、1人だけ神様からの贈り物と言っても過言ではない子がいる。
ルナ・フォレスト様だ。
ミルクティー色のダークブロンド。
大きなエメラルドの瞳、少しだけ垂れ目で、我々魔術騎士のハート♡を鷲掴みだ。
顔だけではない。
仕草も、我々への思いやりの言葉も。全て癒しだ。
事故のトラウマで血を見る事が出来ないルナ様は、残った傷痕を気にしてくれた。
「痛かった?」
などと涙目で聞いてくる。
傷など当たり前の我々の手を摩りながら……
「痛いの痛いの飛んでけ~」
などと言われた時には、魂が飛んで行ってしまうかと……
それぞれのお子様達に専属の護衛が3人程選ばれる。既にロイド様、ダレン様には護衛が決まっている。
王都の学園は貴族子息の義務のようなもので15になる年から3年間通う事になる。その際に2人に絞られて王都に同行するのだ。
寮生活が基本でも、王都にも邸があるから、息抜き等に泊まられる事も多々あるとの事だ。
社交シーズンに領地に戻らず、しばらく王都に滞在する事も想定され外出時の護衛として信頼のおける者が選出されるのだ。
始めから2人にしない理由はセス様が、護衛騎士達に切磋琢磨させるようワザと仕組んでいる事だ。
その結果、ルナ様の専属護衛になりたい者が火花を散らしていたわけだ。
念願叶って私も3人のうちの1人に選ばれた。
まだルナ様は7歳なのでしばらくは、このまま安泰かと思われたが1年後にルナ様との相性の良さも加味する等と、親バカ……ゲフンゲフン、セス様が言い始めた。
2人に絞る前に入れ替えがあるかもなどと、選外の奴らの異様なやる気が恐ろしい。
皆、虎視眈々とその座を狙っている。王都行きの切符を手に入れるために日々の鍛錬は、欠かせない。この座を失うなどあってはならない。
あの、可愛い御尊顔を拝めるのならば、鬼畜なセス様の訓練など乗り越えていける。
だが、王都から王子殿下が療養に来た。
このまま気に入られて、婚約者候補などに選ばれでもしたら……
この国は、同性婚も認められている。跡継ぎを望まないのであれば婚姻は問題ないし可能だった。
養子という手もあるわけだしな。
相手はあの天使だ。
見初められたら側妃に選ばれる可能性もあり得る。
王族だから、跡継ぎは必須だ。そうなれば、男の伴侶は必然的に側妃なのだ。
だからと言ってルナ様を側妃などにさせてなるものかと、我々辺境伯の魔術騎士は団結している。別名、妖精見守り隊、ルナ様の幸せを願う者の精鋭部隊だ。
もちろん、ルナ様自身の好きな方が、王子と言うなら諦めるしかないが──
それでも側妃だけはダメだ。正妃ならともかく。
それに無理矢理の婚約など、セス様が鬼畜どころか、魔王になるかも知れない。それは、流石に恐ろしい。絶対に阻止だ。
王家に連れて行かれたら、我々、田舎者など側に置いてもらえないだろう。
だが、流石だ。
認識阻害のメガネを用意した。
セス様、グッジョブ!
可愛い顔が、セス様に似て残念な事になってしまったが、これも我らの妖精を奪われない為だ。
なのに。
パルムの樹に1人で来たルナ様は、
メガネをつけ忘れてしまっていたのだ。
我々も妖精の様なルナ様に皆浮足だっていた。それに殿下までこちらに来るとは、想定外だった。
案の定、殿下が……妖精に堕ちてしまった。非常事態だ。
だが、ルナ様が、殿下の体調不良と勘違いした。
ルナ様、グッジョブ!
普段、誰か1人を蹴落とそうとしている……いや、切磋琢磨している我々は、殿下を医務室まで引き剥がす事に成功した。見事な連携プレーだ。
あの子は誰なのかと問いただしていたが、セス様が精霊だと言い張った。
セス様!本日は最高です!
腑に落ちない殿下に、我々も質問されたが、精霊にしか見えませんでした。
そう言うと、疑義の目を向けられたが、渋々納得して部屋に戻って行った。
良かった。とりあえず回避したようだ。
我々妖精見守り隊は、全力を尽くしお守りする事を使命とし誓い、全ういたします。
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