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第1章 思い出した!
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翌朝、お父様は本当にずっと側に居てくれたようで、僕と目が合うと身体を起こしてくれた。
なんか、嬉しくてお父様の顔が滲んで見える。
コップを渡されて、水をゆっくり飲む。
「熱が高かったから心配したよ。もう少し、休むか?」
よく見たら、ここは自室のベッドだった。
「あの?殿下は?」
「部屋に、こもっているよ」
え?なんで?
そんな不思議そうな顔をする僕の頭を撫でて、お父様は笑う。
「小さい子に手を上げてしまった。そう後悔してたよ」
小さい子!
同い年なのに!!
ちょっとムカつく!!
攻略対象だからって──
ふふっおかしいよね。
前世を思い出しても、こっちが今のルナだから7歳の感情が強く出るんだきっと。
前世の月じゃなくてモブのルナとして頑張って良いんだよね。
小説の幼馴染のメガネモブは僕の事だったんだ。
モブらしく、チビちゃん!とかメガネって呼ばれてた──
この辺境での出会いで僕と王子様は、親交を深めて幼馴染ポジをゲットするわけだ。
小説は学園編からだったから、過去話はサラっと簡潔に書かれてた。接点は入学前にあったわけだ。
幼馴染だもの、主人公より出会いは、早いのは当たり前だよね。
だけど、僕達にとっては現実だからちゃんと経験するのか!
それは、それで楽しみかも。
でも、チビとかメガネ呼びはやだな……
な、名前くらい、呼ばれたい。
駄目かな?
目立っちゃ駄目だって。
僕はモブ。うん、メガネでいいや。チビちゃんは呼びは嫌だから
カルシウム?チーズとかあるかな?うん、これも頑張っていいかも。
そう言えば、クジを引いたあの子はスピカとして学園に現れるまでは接点がないよね。
確か7歳くらいでグレンジャー子爵家の養子になるんだった。
今頃、子爵家なのかも。
誰と恋愛するんだろう?
殿下の呪いも、その時までは治らないのか……な?
それでも、精霊の森に行けば少しは軽くなるし。楽になるよね!
さっさと行って楽にしてあげよう。苦しいのとか嫌だもの。
幼馴染ポジのために仲良くしなければ──2度目の人生なんだから小さくても、中身は大人として余裕で相手してあげよう!
もちろん、さりげなく。
いくらメインの王子様でも、今はお子様なんだから。
そう思うと、可愛く見えちゃうから変なの。
キラキライケメン!目の保養だし。かっこよく成長する過程も見れるなんて、ご褒美だよね。
いっぱい頑張って、お父様の役に立つぞ!
「───ルナ。」
ハッとして、お父様を見る。
しまったまた、自分の世界に入っちゃった。
「はい。」
ごめんなさい。浮かれてて。
「まだ、体調が良くないんじゃないのか?」
ブンブンと首を振る。
大丈夫。大丈夫。
まだ、血は怖い。雷もだめだ。
ああ……そっか。
僕は事故にあったのかも。
車道に飛び出した?誰かに追われてた?いや、黒ネコを助けようとして車道に──
うー。いいや、もう痛ましいのは、忘れよ。
あの時の黒ネコは助けられたかな?
最期に一つ位は、役に立てたなら良いな。
今は、お父様もお兄様も優しくて、こんな素敵な家族が出来たんだもの。もしかしたら黒ネコちゃんのおかげかも。
また、自分の世界に入りかけてる。
切り替えて──
「大丈夫です。レグルス殿下と話したいです。パルムの樹の所にもまだ行ってません!精霊の森に行く前に挨拶が必要です!」
「そうか。明日、行けるか聞いて来るよ。後で軽く食べれる果物でも持って来させるから待っていなさい」
そう言って、お父様は出て行った。
所々曖昧だけど、本当にやり直し転生しているんだなぁ。
僕の方が精神年齢高いんだから、大人の余裕で対応するぞ。
明日かぁ。
でも、やっぱり午後からパルムの樹に挨拶しに行こう。
なんか、嬉しくてお父様の顔が滲んで見える。
コップを渡されて、水をゆっくり飲む。
「熱が高かったから心配したよ。もう少し、休むか?」
よく見たら、ここは自室のベッドだった。
「あの?殿下は?」
「部屋に、こもっているよ」
え?なんで?
そんな不思議そうな顔をする僕の頭を撫でて、お父様は笑う。
「小さい子に手を上げてしまった。そう後悔してたよ」
小さい子!
同い年なのに!!
ちょっとムカつく!!
攻略対象だからって──
ふふっおかしいよね。
前世を思い出しても、こっちが今のルナだから7歳の感情が強く出るんだきっと。
前世の月じゃなくてモブのルナとして頑張って良いんだよね。
小説の幼馴染のメガネモブは僕の事だったんだ。
モブらしく、チビちゃん!とかメガネって呼ばれてた──
この辺境での出会いで僕と王子様は、親交を深めて幼馴染ポジをゲットするわけだ。
小説は学園編からだったから、過去話はサラっと簡潔に書かれてた。接点は入学前にあったわけだ。
幼馴染だもの、主人公より出会いは、早いのは当たり前だよね。
だけど、僕達にとっては現実だからちゃんと経験するのか!
それは、それで楽しみかも。
でも、チビとかメガネ呼びはやだな……
な、名前くらい、呼ばれたい。
駄目かな?
目立っちゃ駄目だって。
僕はモブ。うん、メガネでいいや。チビちゃんは呼びは嫌だから
カルシウム?チーズとかあるかな?うん、これも頑張っていいかも。
そう言えば、クジを引いたあの子はスピカとして学園に現れるまでは接点がないよね。
確か7歳くらいでグレンジャー子爵家の養子になるんだった。
今頃、子爵家なのかも。
誰と恋愛するんだろう?
殿下の呪いも、その時までは治らないのか……な?
それでも、精霊の森に行けば少しは軽くなるし。楽になるよね!
さっさと行って楽にしてあげよう。苦しいのとか嫌だもの。
幼馴染ポジのために仲良くしなければ──2度目の人生なんだから小さくても、中身は大人として余裕で相手してあげよう!
もちろん、さりげなく。
いくらメインの王子様でも、今はお子様なんだから。
そう思うと、可愛く見えちゃうから変なの。
キラキライケメン!目の保養だし。かっこよく成長する過程も見れるなんて、ご褒美だよね。
いっぱい頑張って、お父様の役に立つぞ!
「───ルナ。」
ハッとして、お父様を見る。
しまったまた、自分の世界に入っちゃった。
「はい。」
ごめんなさい。浮かれてて。
「まだ、体調が良くないんじゃないのか?」
ブンブンと首を振る。
大丈夫。大丈夫。
まだ、血は怖い。雷もだめだ。
ああ……そっか。
僕は事故にあったのかも。
車道に飛び出した?誰かに追われてた?いや、黒ネコを助けようとして車道に──
うー。いいや、もう痛ましいのは、忘れよ。
あの時の黒ネコは助けられたかな?
最期に一つ位は、役に立てたなら良いな。
今は、お父様もお兄様も優しくて、こんな素敵な家族が出来たんだもの。もしかしたら黒ネコちゃんのおかげかも。
また、自分の世界に入りかけてる。
切り替えて──
「大丈夫です。レグルス殿下と話したいです。パルムの樹の所にもまだ行ってません!精霊の森に行く前に挨拶が必要です!」
「そうか。明日、行けるか聞いて来るよ。後で軽く食べれる果物でも持って来させるから待っていなさい」
そう言って、お父様は出て行った。
所々曖昧だけど、本当にやり直し転生しているんだなぁ。
僕の方が精神年齢高いんだから、大人の余裕で対応するぞ。
明日かぁ。
でも、やっぱり午後からパルムの樹に挨拶しに行こう。
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