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37.朝だから※

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 目を覚ますと、頭の中がスッキリしている事に気がついた。
 何より体が軽い。
 その事について、お礼を言いたい相手は隣にいなかった。

「ジェイドは、部屋に戻ったのかな?」

 (いくら専属でも、ベタベタし過ぎかな? 部屋に戻ってくれるなら……その方がきっといい)

 ゆっくりと伸びをして、ストレッチを始める。少しづつ、足を広げ上体を左右に傾ける。
 実は、かなり体が柔らかい。開脚もブリッジも得意だ。

「ん──すごっ。めちゃ解れてる」
 (ジェイドのマッサージ最高)

 ブリッジをしながら、片足をあげた所に、ドアが開いた。

 逆さまのジェイドの顔が、引きつって見える。

「あ、おはよ」
「お腹どころか、胸が……ああ、危機感が無さすぎる! 本当に触りますよ!!」

 もう片方の足も上げ、一瞬逆立ちになってからゆっくりと背中の方に転がる。

 怒ってるけど、ノックしたかな?

「ジェイドこそ、ノックした? 聞こえなかったけど……部屋で休んでるかと思ってたんだけど」

 少し困った顔になったのを見て、笑ってしまう。

「──ジェイドも悪い」
「ぐっすりと寝ているのでと思いこんでました。だから、静かにドアを開けたんですが。まさか起きてるなんて。本当にすみません」

「だから、上半身くらい平気って……嘘です。ごめんなさい」

 (怖い。何その顔)

 クローゼットの方へ向かい、服を選びこちらに戻ってきた。目の前に立ったジェイドから、着替えを渡される。いつもは、一旦部屋から出ていくのに立ったままだ。

「ジェイド?」
「平気なら、脱いで」
 改めて見られている中で、着替えるのは違う気がする。

「いや、なんか……」
 手が伸びてボタンを外されて、シャツを脱がされた。ズボンの方の腰紐を解かれると、ストンと重力通りに脱げ落ちる。トランクスのような下着も紐があり、そちらにジェイドの指がかかる。

「待って!」
 性欲はそんなにない。それでも、ずっと触ってなかったから。少し上向いている。これ以上触れられたら……反応してしまう。
 ジェイドの指の動きに、一瞬遅く反応してしまった。下着は落ちずに、少しずれただけだ。
 少し驚いた顔のジェイドが、質問してきた。

「──そうなんですね。神使様も……男ですから。朝にはこうなってしまう?」

 その手を叩き、少し下がる。
「朝なんだから仕方ないんだよ」

「浴室で、お手伝いしましょうか?」

「トイレで、済ますからいい」
 慌てて着替えを全部持ち、浴室の隣に行こうとしたのに捕まってしまう。

「男性体は魔力の凝りや魔素を、精液と共に出してしまうともっと楽になります。こちらの世界に来て一度もされてないのなら。出した方が楽だ」

「だから、自分で……」
「弟のユイ様とは、してませんか?」

 カッと赤面してしまう。そんなの、中学生の頃……やり方を教えた時くらいだ。

「琥珀様が、凝りが抜けないのも、疲れやすいのも……体力では無くて、上手く吐き出せてなかったからかも知れない」

 浴室に連れて行かれて、最後の砦だった下着を突破されてしまう。
 ジェイドは、服を着たままなのに。なんで俺だけ素っ裸にされているのだろう。背中に張り付かれ、左腕で胸の下辺りから抱き込まれる。右手は、しっかりと俺の中心を掴み上下に動かし始めた。

「ん……待って、自分でする……って。んんん……あ」
 耳元からジェイドの、低めの声がする。息がかかって余計にゾクゾクしてしまう。

「気持ち良く、イッて」
 左手の指で乳首をつままれた瞬間に、吐精した。

 ガクンと力が抜けると抱きかかえられて、体にお湯を優しくかけられる。ぼんやりしているうちに、泡あわになって綺麗に洗われてしまう。結局風魔法で髪も乾かされて、着替えが終わった。

「──ジェイド」
「濃厚でしたね。俺がマッサージしたくらいじゃ足りなかったみたいです。たまに、抜いてあげましょうか?」

「待って、ジェイドは服着たままで何で俺だけ見られてんの?」

「俺に脱いで欲しいんですか?それ、襲ってと言ってますよ。あくまでも、魔力の凝り、魔素溜りを精液と一緒に出させる為です」

「あ……ちがっ、そうじゃなくて……なんか子供扱いみたいにされんの、なんか……」

「魔力の無い世界だったんですよね? 知らなくて当然です。性的な理由じゃないんです。魔法師達は、体に溜まった穢れた魔素等は吐精させると楽になるんです。これで、すっきりして眠れるようになりますから」

「そうなんだ……」


「明日は、浄化を試しに森の奥へ行きます。十分に休まないと……何が起こるか分かりません。俺も命を懸けて琥珀様を守りますから」

 優しい笑顔のジェイドに抱きしめられた。


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