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25.魔法練習の前に
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魔法の練習が始まる。王宮を出るとしても、魔法を使える方がいい。自分で自分を守れなければ、ずっと護衛が必要になってしまう。
ジェイドと離れたい訳じゃないけど、この世界の男性は大きい。子供扱いされてしまうのは、仕方がない。自衛出来なければ、酷い目に遭う可能性がある。
平和ボケしてたら駄目なんだ。それに魔物が出るかも知れないのだから。
自分用の部屋も用意されて、隣りの部屋にジェイドも住むようになった。内側からも、一応入って来れる仕様だ。
俺からだと、すんなり入室出来る。ジェイドからだと魔法で俺の許可がないと入れない。
魔法ってすごい。
ちゃんと表のドアからノック音が聞こえて来た。
「はい」
「琥珀様、入ってもいいですか?」
「どうぞ」
本来なら、侍女とかつくらしいけど……それも断っている。どこまで誰を信じていいのかも分からないからだ。結果的に女の人が、ジェイドのそばに来るのが嫌だっただけなのは内緒にしておく。
狙われる可能性があるって、耳タコでジェイドもミカエル様も言うし。
流石にミカエル様に着替えとかを手伝ってもらうのも嫌だ。だから、結局ジェイドに頼ってしまった。
「途中まで、着替えたんですね?」
近づいてきたジェイドが確認している。
「まーね。ブーツが面倒なだけだよ」
「もっと、可愛らしい服を着てもお似合いかと……」
ジロリと睨んでしまう。
「可愛いは要らないって。それに敬語なしにして」
ジェイドの指が伸びて来て、リボンを解いた。ボタンを一つ多く止められた。
「え? 何で?」
するすると器用にリボンの形を作ると、最後にキュッと結ばれる。
「胸元が、あきすぎです」
「そうかな? 気にならなかったけど。てか女の子じゃないから、問題ないよね?」
「偉い方もいるので、きちんとして」
「そう、か。そうだね」
手を引かれて椅子に座らせられて、ブーツの紐も綺麗に編み上げられていく。
「ジェイドって、身分高いよね? こんな事したくないんじゃない?」
「琥珀様は、可愛いから面倒見たいだけ」
「また、言った!可愛いって……ペットじゃないから!」
吹き出して、笑い始めたジェイドを見て呆れてしまう。
本当に、結みたいだ。少し鼻の奥がツンとした。視線をずらしてしまう。
「からかい過ぎ……」
頭をくしゃっと、撫でられてた。ほら、結みたいだと、また思ってしまう。
「ごめん。可愛いって言わない。怒らないで」
「怒ってないけど?」
最初に会った頃より、穏やかな笑顔を見る事が出来て、正直嬉しい。異世界を行き来したのは、体にかなり負担を強いていたのかもしれない。
そんな事を考えていたら、準備が終わり、ローブをかけられた。
「では、魔法師長の所へ行きましょう」
手を引かれて歩く。
「ね、なんで……手を繋ぐの? それになんか……変な感じがするけど」
何かが流れてくるみたいだ。
「魔法の使い方が、分からないでしょう? まずは軽く魔力の流れを教えようかと。これを感じ取ると、分かりやすくなるから……練習と思ってくれたら」
「なるほど。なんか逃げられないようにするのかと思ったよ」
眉を寄せたジェイドが、足を止めた。
「琥珀様……俺、そんなに狭量じゃありませんけど?」
「なんか、出ていくなって感じだったからさ……そばにいろって事かなって。魔法の為とか思わなかったから。この世界の事分からないから、助かる」
いつも、心配してくれた結に重なる。
「兄なのに……な。頼りなさ過ぎたね」
思わず小さく呟いてしまった。
「琥珀様?」
「何でもない。早く、行こう」
魔法師の塔に、急ぐ事にした。
ジェイドと離れたい訳じゃないけど、この世界の男性は大きい。子供扱いされてしまうのは、仕方がない。自衛出来なければ、酷い目に遭う可能性がある。
平和ボケしてたら駄目なんだ。それに魔物が出るかも知れないのだから。
自分用の部屋も用意されて、隣りの部屋にジェイドも住むようになった。内側からも、一応入って来れる仕様だ。
俺からだと、すんなり入室出来る。ジェイドからだと魔法で俺の許可がないと入れない。
魔法ってすごい。
ちゃんと表のドアからノック音が聞こえて来た。
「はい」
「琥珀様、入ってもいいですか?」
「どうぞ」
本来なら、侍女とかつくらしいけど……それも断っている。どこまで誰を信じていいのかも分からないからだ。結果的に女の人が、ジェイドのそばに来るのが嫌だっただけなのは内緒にしておく。
狙われる可能性があるって、耳タコでジェイドもミカエル様も言うし。
流石にミカエル様に着替えとかを手伝ってもらうのも嫌だ。だから、結局ジェイドに頼ってしまった。
「途中まで、着替えたんですね?」
近づいてきたジェイドが確認している。
「まーね。ブーツが面倒なだけだよ」
「もっと、可愛らしい服を着てもお似合いかと……」
ジロリと睨んでしまう。
「可愛いは要らないって。それに敬語なしにして」
ジェイドの指が伸びて来て、リボンを解いた。ボタンを一つ多く止められた。
「え? 何で?」
するすると器用にリボンの形を作ると、最後にキュッと結ばれる。
「胸元が、あきすぎです」
「そうかな? 気にならなかったけど。てか女の子じゃないから、問題ないよね?」
「偉い方もいるので、きちんとして」
「そう、か。そうだね」
手を引かれて椅子に座らせられて、ブーツの紐も綺麗に編み上げられていく。
「ジェイドって、身分高いよね? こんな事したくないんじゃない?」
「琥珀様は、可愛いから面倒見たいだけ」
「また、言った!可愛いって……ペットじゃないから!」
吹き出して、笑い始めたジェイドを見て呆れてしまう。
本当に、結みたいだ。少し鼻の奥がツンとした。視線をずらしてしまう。
「からかい過ぎ……」
頭をくしゃっと、撫でられてた。ほら、結みたいだと、また思ってしまう。
「ごめん。可愛いって言わない。怒らないで」
「怒ってないけど?」
最初に会った頃より、穏やかな笑顔を見る事が出来て、正直嬉しい。異世界を行き来したのは、体にかなり負担を強いていたのかもしれない。
そんな事を考えていたら、準備が終わり、ローブをかけられた。
「では、魔法師長の所へ行きましょう」
手を引かれて歩く。
「ね、なんで……手を繋ぐの? それになんか……変な感じがするけど」
何かが流れてくるみたいだ。
「魔法の使い方が、分からないでしょう? まずは軽く魔力の流れを教えようかと。これを感じ取ると、分かりやすくなるから……練習と思ってくれたら」
「なるほど。なんか逃げられないようにするのかと思ったよ」
眉を寄せたジェイドが、足を止めた。
「琥珀様……俺、そんなに狭量じゃありませんけど?」
「なんか、出ていくなって感じだったからさ……そばにいろって事かなって。魔法の為とか思わなかったから。この世界の事分からないから、助かる」
いつも、心配してくれた結に重なる。
「兄なのに……な。頼りなさ過ぎたね」
思わず小さく呟いてしまった。
「琥珀様?」
「何でもない。早く、行こう」
魔法師の塔に、急ぐ事にした。
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