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7.ジェイドの捜索②
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真っ黒の衣装で現れた聖女に、皆驚きを隠せない。
「聖女様は、黒色の服を好まれまして」
白い神官用の服は、太って見えるから絶対に着ません。と断られましたと耳打ちしていた。 聖女様が、真っ黒って……違和感しかない。
それに太っている様には見えない。むしろ細めだとは思うけど、女の子ってよく分からない。
「メイドが着るような服に、編み上げの黒いブーツがいいのか。高級な生地で聖女様の好みのデザインを作るように手配してくれ。神官長……出来れば聖女様とわかるようにデザイナーに協力をしてもらって欲しい」
聖女とは、こんなに気を遣わなくてはならないのだろうか?当の本人は、涼しい顔をして皆に話しかけていた。
元の世界から離されたのに、悲しくも寂しくもないのだろうか?そんな疑問までわいてしまう。
円卓を囲むように、陛下、宰相、神官長。聖女様。陛下の反対周りに第一王子エドワード、第二王子、魔法師長、神官補佐ミカエルだ。すんなり誰だか分かるようになってきた。
神官長が立ち上がり、召喚の成功報告をした。どれだけ聖女様がすばらしいか、こちらの世界を助けてくれる意識が高い事を話していく。最後に少しだけ、ジェイド・コーディエライトが行方不明になったと報告をあげた。
それだけ? と俺まで不満に思う。
聖女様が立ち上がり、ゆっくりと皆の顔を見て微笑んだ。なんか、ムカつく。
「黒衣瞳といいます。この王国の聖女になり、世界を救いたいと思っています。ぜひ、一緒に頑張りましょうね」
その言葉の軽さに、王子の表情が凍っていくように感じる。この子……空気読まない系かも知れない。ジェイドが攻略されるの、嫌だなと思ってしまう。
「と、とにかく聖女様の、魔力量の確認と属性魔法を確認しましょう」
神官長の合図で、人の頭程の大きさの水晶玉が運び込まれた。
隣に座っている聖女の前に水晶玉が置かれ、神官長は自信ありげに手を当ててくださいと言う。
「わかりました」
余裕があるのか、聖女が水晶玉に右手を置く。水晶玉は属性により色が変化する。火属性ならば赤という具合に変化すると説明がなされた。
そして透明の水晶玉が、ほんの一瞬だけ煙のように白色が混ざり消えた。
それだけだった。
「白? かな」
聖女が反応があったことに喜びを隠せない様子だ。
だが、誰も何も言わない。
「──これは一体どう言うことだ」
陛下が喋った。バリトンボイスが室内に響いた。
「神官長……聖女様にもう一度さわっていただいたらどうでしょうか?」
宰相が、確認を促した。
「そ、そうですね。聖女様もう一度……いえ今度は、両の手を置いたままにしましょう」
神官長の言葉通りに両の手を、聖女が水晶玉の上に置いた。
透明の水晶玉の中が、煙が上がる様な白い模様が出来て数秒後に消えた。
「ほらっ、白です。きっと聖魔法とかですよね!」
王子が目配せをする。魔法師長が席を立ち、水晶玉を触る許可を得る。
「私が試しに触ってみましょう」
魔法師長の手が水晶玉触れた。
全体が青く変わる。
「この色は水属性魔法の適正ありと言うことです」
そして次つぎと色が変わっていく。
赤の火属性。緑の風属性。茶の地属性。
「私の魔法属性はこの4種です」
「や、やっぱり白は特別ですよね」
聖女の満面の笑みを見せた。
「そうかも、知れませんが……魔力量がとても少ないのです。浄化をすることは今のままでは、難しいかと思われますね」
「え?そんなはず……そんなはずない。召喚されたのだから、きっと今から開花するはずです」
「現実的に無理ですね。あんな数秒で消えるなんて、子供でも軽く30分は継続出来ます」
辛辣に言い放ったのは、第二王子みたいだ。
「それは、貴方が嫉妬しているのでは?私がエドワード様を選ぶかも知れないから」
突然意味不明の発言をした聖女に視線が集まった。
「待って、俺がなんで兄上に嫉妬するって思うの? 意味が分からない。俺はおかげさまでこの国の令嬢と婚約出来てるから幸せだよ」
「フェリス勝手に話すな。まだ、こちらに来たばかりだ。魔力が安定するまでに時間がかかるのかも知れない。神官長、魔法師長。魔法の勉強と魔力のコントロールを教えてやって欲しい」
第一王子の言葉で、みな少し冷静になったみたいだ。
やっぱり、あの一瞬だけの白色じゃだめなんだ。後からチートが起きるのか?こう言うのは、危険に巻き込まれたら目覚めたりするのかな……。
「聖女様の訓練は、神官長たちにまかせる。とにかく、ジェイドを探す方法を考えて欲しい」
「だったら、もう一度召喚したらどうですか?」
聖女が笑顔でそう言った。
「聖女様は、黒色の服を好まれまして」
白い神官用の服は、太って見えるから絶対に着ません。と断られましたと耳打ちしていた。 聖女様が、真っ黒って……違和感しかない。
それに太っている様には見えない。むしろ細めだとは思うけど、女の子ってよく分からない。
「メイドが着るような服に、編み上げの黒いブーツがいいのか。高級な生地で聖女様の好みのデザインを作るように手配してくれ。神官長……出来れば聖女様とわかるようにデザイナーに協力をしてもらって欲しい」
聖女とは、こんなに気を遣わなくてはならないのだろうか?当の本人は、涼しい顔をして皆に話しかけていた。
元の世界から離されたのに、悲しくも寂しくもないのだろうか?そんな疑問までわいてしまう。
円卓を囲むように、陛下、宰相、神官長。聖女様。陛下の反対周りに第一王子エドワード、第二王子、魔法師長、神官補佐ミカエルだ。すんなり誰だか分かるようになってきた。
神官長が立ち上がり、召喚の成功報告をした。どれだけ聖女様がすばらしいか、こちらの世界を助けてくれる意識が高い事を話していく。最後に少しだけ、ジェイド・コーディエライトが行方不明になったと報告をあげた。
それだけ? と俺まで不満に思う。
聖女様が立ち上がり、ゆっくりと皆の顔を見て微笑んだ。なんか、ムカつく。
「黒衣瞳といいます。この王国の聖女になり、世界を救いたいと思っています。ぜひ、一緒に頑張りましょうね」
その言葉の軽さに、王子の表情が凍っていくように感じる。この子……空気読まない系かも知れない。ジェイドが攻略されるの、嫌だなと思ってしまう。
「と、とにかく聖女様の、魔力量の確認と属性魔法を確認しましょう」
神官長の合図で、人の頭程の大きさの水晶玉が運び込まれた。
隣に座っている聖女の前に水晶玉が置かれ、神官長は自信ありげに手を当ててくださいと言う。
「わかりました」
余裕があるのか、聖女が水晶玉に右手を置く。水晶玉は属性により色が変化する。火属性ならば赤という具合に変化すると説明がなされた。
そして透明の水晶玉が、ほんの一瞬だけ煙のように白色が混ざり消えた。
それだけだった。
「白? かな」
聖女が反応があったことに喜びを隠せない様子だ。
だが、誰も何も言わない。
「──これは一体どう言うことだ」
陛下が喋った。バリトンボイスが室内に響いた。
「神官長……聖女様にもう一度さわっていただいたらどうでしょうか?」
宰相が、確認を促した。
「そ、そうですね。聖女様もう一度……いえ今度は、両の手を置いたままにしましょう」
神官長の言葉通りに両の手を、聖女が水晶玉の上に置いた。
透明の水晶玉の中が、煙が上がる様な白い模様が出来て数秒後に消えた。
「ほらっ、白です。きっと聖魔法とかですよね!」
王子が目配せをする。魔法師長が席を立ち、水晶玉を触る許可を得る。
「私が試しに触ってみましょう」
魔法師長の手が水晶玉触れた。
全体が青く変わる。
「この色は水属性魔法の適正ありと言うことです」
そして次つぎと色が変わっていく。
赤の火属性。緑の風属性。茶の地属性。
「私の魔法属性はこの4種です」
「や、やっぱり白は特別ですよね」
聖女の満面の笑みを見せた。
「そうかも、知れませんが……魔力量がとても少ないのです。浄化をすることは今のままでは、難しいかと思われますね」
「え?そんなはず……そんなはずない。召喚されたのだから、きっと今から開花するはずです」
「現実的に無理ですね。あんな数秒で消えるなんて、子供でも軽く30分は継続出来ます」
辛辣に言い放ったのは、第二王子みたいだ。
「それは、貴方が嫉妬しているのでは?私がエドワード様を選ぶかも知れないから」
突然意味不明の発言をした聖女に視線が集まった。
「待って、俺がなんで兄上に嫉妬するって思うの? 意味が分からない。俺はおかげさまでこの国の令嬢と婚約出来てるから幸せだよ」
「フェリス勝手に話すな。まだ、こちらに来たばかりだ。魔力が安定するまでに時間がかかるのかも知れない。神官長、魔法師長。魔法の勉強と魔力のコントロールを教えてやって欲しい」
第一王子の言葉で、みな少し冷静になったみたいだ。
やっぱり、あの一瞬だけの白色じゃだめなんだ。後からチートが起きるのか?こう言うのは、危険に巻き込まれたら目覚めたりするのかな……。
「聖女様の訓練は、神官長たちにまかせる。とにかく、ジェイドを探す方法を考えて欲しい」
「だったら、もう一度召喚したらどうですか?」
聖女が笑顔でそう言った。
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