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第5章
9.覚醒②
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side エミリオ・ブルーローズ
「な?なんで?」
花が一気に増えて蔦が伸び始めた。
イメージを浮かべた瞬間に、目の前に現れた青い花の咲いた植木鉢。急激に成長している。
意志を持ったかのように蔦が、自分の方へ伸びてきた。
ソファの背の部分に身を寄せるくらいしか出来なくて、腕で払うつもりが失敗した。
腕に絡みつき、引き寄せられていく。誰かが僕の名前を叫んだみたいだ。エミリ…までは聞こえたけど急に音声が消えて最後のオは、耳には届かない。一気に視界が緑に染まる。
ぐるぐる巻きにされたのか?人1人すっぽりと包まれているけど、空間があるので苦しくはない。
ペタンと座り込んで、茎なのか?幹なのか?そっと触れてみた。
最初は怖いと思ったけど。
なぜか、包まれていると安心してしまう。
それに…あたたかくて、優しい。
この花が主人公の魔法を覚醒させるから…でも、もっと広い庭の様な場所だった気がする。
それに森の中のスチルがあったと思う。
青い花の群生地…もっと神聖な場所だから聖地かな?そう言う場所に呼ばれて1番助けたい人に癒しの力を使うんだ。
なでなでしていると、そこから小さな芽が出た。
すぐに二葉になり、また伸びる。
青い花の蕾が、僕を見ている。
イリアの青い薔薇。
間違いない。花弁の枚数が多い。
「誰かを助けたらいいの?
それが、僕がここに存在する理由になるの?」
自分の死んだ理由なんて知らない。
異世界転生とか、ありえないと思ってた。
ゲームとか小説の中とか、ありきたりで夢物語だと思っていたんだ。
最初は、ちょっと調子に乗ったけど…結局、推しのゲームだったから、キャストみんな好きなんだ。
出来れば、みんなが幸せになってくれたらさ、大団円なわけだよ。
主人公に生まれて、そのチートが役に立つなら大好きなキャスト達に使いたいよね?
ゲームとは同じじゃないし。攻略対象とかそんなの、この世界にはいない。
そんなの…もう全部分かってたよ。
でもさ。この世界でも珍しい水色の髪に瞳の僕が、なんで存在するのかって考えるんだ。
僕だって必要とされたい。この世界に存在理由が知りたい。
きっと、前世の僕は何も出来ずに縮こまってる子だったと思うんだ。
ねぇ、銀色の魔女さん。
僕にチートを頂戴。
貴方の願いって、僕と同じなんでしょう?
青い薔薇をどうしたらいいの?
両手でその花の部分を包み込む。
手の中に青い光が溢れ出した。
切なくなる位の想いが、一緒に溢れてきた。
魔女の想いの全てを受け取る。
胸に押し当てる。
今から行くから──待ってて。
「な?なんで?」
花が一気に増えて蔦が伸び始めた。
イメージを浮かべた瞬間に、目の前に現れた青い花の咲いた植木鉢。急激に成長している。
意志を持ったかのように蔦が、自分の方へ伸びてきた。
ソファの背の部分に身を寄せるくらいしか出来なくて、腕で払うつもりが失敗した。
腕に絡みつき、引き寄せられていく。誰かが僕の名前を叫んだみたいだ。エミリ…までは聞こえたけど急に音声が消えて最後のオは、耳には届かない。一気に視界が緑に染まる。
ぐるぐる巻きにされたのか?人1人すっぽりと包まれているけど、空間があるので苦しくはない。
ペタンと座り込んで、茎なのか?幹なのか?そっと触れてみた。
最初は怖いと思ったけど。
なぜか、包まれていると安心してしまう。
それに…あたたかくて、優しい。
この花が主人公の魔法を覚醒させるから…でも、もっと広い庭の様な場所だった気がする。
それに森の中のスチルがあったと思う。
青い花の群生地…もっと神聖な場所だから聖地かな?そう言う場所に呼ばれて1番助けたい人に癒しの力を使うんだ。
なでなでしていると、そこから小さな芽が出た。
すぐに二葉になり、また伸びる。
青い花の蕾が、僕を見ている。
イリアの青い薔薇。
間違いない。花弁の枚数が多い。
「誰かを助けたらいいの?
それが、僕がここに存在する理由になるの?」
自分の死んだ理由なんて知らない。
異世界転生とか、ありえないと思ってた。
ゲームとか小説の中とか、ありきたりで夢物語だと思っていたんだ。
最初は、ちょっと調子に乗ったけど…結局、推しのゲームだったから、キャストみんな好きなんだ。
出来れば、みんなが幸せになってくれたらさ、大団円なわけだよ。
主人公に生まれて、そのチートが役に立つなら大好きなキャスト達に使いたいよね?
ゲームとは同じじゃないし。攻略対象とかそんなの、この世界にはいない。
そんなの…もう全部分かってたよ。
でもさ。この世界でも珍しい水色の髪に瞳の僕が、なんで存在するのかって考えるんだ。
僕だって必要とされたい。この世界に存在理由が知りたい。
きっと、前世の僕は何も出来ずに縮こまってる子だったと思うんだ。
ねぇ、銀色の魔女さん。
僕にチートを頂戴。
貴方の願いって、僕と同じなんでしょう?
青い薔薇をどうしたらいいの?
両手でその花の部分を包み込む。
手の中に青い光が溢れ出した。
切なくなる位の想いが、一緒に溢れてきた。
魔女の想いの全てを受け取る。
胸に押し当てる。
今から行くから──待ってて。
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