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第4章☆前世の2人編
6.触れられたい。※微ちょっとだけ
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どんどん、格好良くなっていくセディ。
と言うか…なんか。
可愛がっていたはずだったんだけど。
可愛がられているみたいだ。
12歳から16歳位までは、お風呂断固拒否って言ってたのに。
その後は…やたらと接触が多い。
「背中を流します。」とか。
「お疲れのようなので、マッサージしますね。」とか。
「少し、寝付けないので、一緒に寝てはダメですか?」とか。
そう言って、大きなベッドが用意された。
朝、抱きつかれている事も度々ある。
もしかして、もしかすると。
「いよいよ。お別れなのかなぁ。思い出の為の…別れの準備かな?」
お祭りに2人で行く予定なのも、そんな気がする。人混みを嫌っていたのは、私だけじゃないから。
春来祭。
春が来たお祝いと若者が恋人を探すお祭りだ。
最初に出会った時も、このお祭りの時だった。
セディのフードがズレて大変な時があった。女の子達に狙われて。そんな事にならないようにしなければ。
急いそと着替える。
いつもより綺麗な格好で。
イリア様のためにって買ってきてくれたシャツは、きめ細かく柔らかい。襟の所に細かな刺繍が施されている。
高そう──それが最初の感想。
外出先でローブを脱ぐことは、ほとんどない。
でも今日は特別なんだ。
ご馳走を食べる。ちょっとしたお祝い。
ローブを脱ぐ為に顔は認識阻害を2人ともする。
セディも茶髪に茶色の瞳、瞳なんて細くて…残念過ぎる。
同じ色味の私は、大きな鼻。
2人して、笑う。
誰も、私達に気がつかないだろう。いつもより大袈裟に顔を変えているから。
ゆっくりと、ご馳走を食べたいもの。
「ちょっと、勿体無いよね。セディの顔を隠すの。名前は…そのままにする?」
「名前くらいそのままで。念のために防音と聞き取り難いようにその部分だけ雑音いれましょう。」
側に来たセディが、私の両頬を挟むようにその手を当てる。
お互いの真実の顔を知っている私達は、触れる事でその顔を認識出来る。
「本当に、こんなに素敵な人だって自慢したいですよ。」
「私よりセディの綺麗なブロンドと青い瞳は目立つから。女の子が積極的に来たらディナーを味わう時間無くなるもんね。
あれから、8年なんてあっという間だね。セディも18歳になったね。」
「とりあえず、外では認識阻害のままですね。
──帰ったら本当の顔を見ながら話しましょう。」
その手が頬から離れて、用意していたローブをかけられた。
「そうだね。」
最後の夜になりそうだ。
楽しみでありながら、寂しくもある。
弟子の成長と言うだけではない。2人で助け合って、支え合って来たこの日々に…終わりが見え隠れする。
良く、頑張ったよね。
お互いにさ。
町は、とても賑やかで。
あちらこちらで、若いカップルが誕生している。
賑わっているので、セディが迷子にならないようにと手を繋いで来た。
セディの青い瞳が、私にだけ見えている。
そして、私の本当の姿も見えているのだろう。
ずっと色を隠して来た。
別れる前に知ってて欲しかったから。銀色に輝く髪の毛と紫色の瞳だ。茶色にしてたんだ。
人として扱われた事など、なかったのだから。
私達は、どんなふうに見えているのかな?26歳の私に付き合わせるのは、悪いことをしている気がする。
それでも、記念すべき日。
弟子が一人前になるのだ。
いつもより、饒舌になる。
お酒弱いのに…つい飲んでしまった。
ちゃんと連れて帰るから大丈夫だって、私の立場がないな。
私の方が離れ難いのかも知れない。
ああ。何か、視線を感じるのは何でだろう?
お酒のせいか、サーチが鈍る。
「セディ?何か見られている気がしない?気のせいかな?」
「イリア様の認識が緩んでいるのでしょうか?変わってないと思いますが?でも、念の為に帰りましょう。狙われたら大変ですから。」
「そうだね。」
2人、立ち上がり帰ろうとしたのだけど、足がフラフラになっている。
「ごめん。嬉しくて酔っ払ったみたいだ。手を貸してセディ。」
ローブを着せられ、あっという間に視界が変わる。
横抱きにされている。
「へ?」
「支払いは済んでますから。帰りましょう。首の所に掴まって下さい。」
「うん。でも…」
「倒れそうなので、このまま。俺のこと、大人として認めてくれたのでしょう?なら甘えて下さい。急ぎます。
森に入ったら転移しますから。」
何も考えたく無くて、頷く。
あっという間に連れ帰られた。
ローブを脱がされて、水を飲もうとしたのだけれど、グラスさえ重い気がする。
ビチャビチャと、子供のように水を溢してしまう。
シャツが濡れて、前が透けて見える。
「──駄目な大人だよね。折角のプレゼントをこんなにしてしまった。
子供みたいだ。ほら、セディ。
スケスケにしちゃったよぉ。」
恥ずかしいから、余計にふざけて見せて一回転。
「お風呂に、入ってくるね。」
ふらふらしながら、お風呂へと行こうとする。
その私の背中側から、抱き止められる。
「ん?どうしたの?セディ。」
「俺じゃ駄目ですか?俺がパートナーになったら駄目?」
「パートナー?セディが私の?」
「ずっと、好きです。始めて会った時から。」
「──ありがとう。それは、餌付けられたからだよ。セディの寂しさにつけ込んだようなもの──刷り込みだ。8歳も年上だよ。相応しくなんて無い。」
腕が緩む。
腕の中向き合うよう、体を動かす。
背の高い弟子の顔を見上げて、精一杯笑う。
きっと、私も君の事…。だけど駄目なんだ。
「セディには、未来があるんだ。こんな、逃げ隠れするような私から離れなさい。もう、独り立ちして良いよ。
明日には、出て行きなさい。レシピ本は持って行くと良いし。お金も必要な分全部持っていって構わないから。」
笑えているだろうか?
君の師匠として、ちゃんと終われるだろうか?
「嫌だ。刷り込みじゃない。」
「だから、それは。」
「嘘が下手くそ。」
引き寄せられて、唇を重ねてきた。
思わず逃げそうになる。
抱き寄せる力が強い。後頭部に大きなセディの手が回り逃げられない。
こじ開けられ口の中へセディの厚い舌が入り込んで来る。
「ん、んんんーーー」
長い拘束に、足の力が抜けていく。
ようやく離された時は、性欲の薄いはずの私のそれが反応している。
恥ずかしい。
隠すようにしていると、呆気なくバレた。
今度はソコを撫でられる。
「い、や。待って。」
「身体の方が正直ですね。」
撫でられるだけなのに、太ももに痺れを感じて思わず縋り付く。
大きな手の中にギュッと掴まれて
「ひぃ、あぁん。」
変な声になって思わず口を手で覆う。
「可愛い。もっと声聞かせて…イリア…」
耳元囁かれて、今にも崩れ落ちそうな私を抱える。
「な、なに?」
「処理しないと辛いでしょ?」
お風呂場へ連行されるようだ。
「待って。お願い。」
「後で聞きます。」
逃げられそうにない。突き離すべきと思うのに。
でも、触られたい。
お酒のせい?
私は、どうしらいいのだろう。
と言うか…なんか。
可愛がっていたはずだったんだけど。
可愛がられているみたいだ。
12歳から16歳位までは、お風呂断固拒否って言ってたのに。
その後は…やたらと接触が多い。
「背中を流します。」とか。
「お疲れのようなので、マッサージしますね。」とか。
「少し、寝付けないので、一緒に寝てはダメですか?」とか。
そう言って、大きなベッドが用意された。
朝、抱きつかれている事も度々ある。
もしかして、もしかすると。
「いよいよ。お別れなのかなぁ。思い出の為の…別れの準備かな?」
お祭りに2人で行く予定なのも、そんな気がする。人混みを嫌っていたのは、私だけじゃないから。
春来祭。
春が来たお祝いと若者が恋人を探すお祭りだ。
最初に出会った時も、このお祭りの時だった。
セディのフードがズレて大変な時があった。女の子達に狙われて。そんな事にならないようにしなければ。
急いそと着替える。
いつもより綺麗な格好で。
イリア様のためにって買ってきてくれたシャツは、きめ細かく柔らかい。襟の所に細かな刺繍が施されている。
高そう──それが最初の感想。
外出先でローブを脱ぐことは、ほとんどない。
でも今日は特別なんだ。
ご馳走を食べる。ちょっとしたお祝い。
ローブを脱ぐ為に顔は認識阻害を2人ともする。
セディも茶髪に茶色の瞳、瞳なんて細くて…残念過ぎる。
同じ色味の私は、大きな鼻。
2人して、笑う。
誰も、私達に気がつかないだろう。いつもより大袈裟に顔を変えているから。
ゆっくりと、ご馳走を食べたいもの。
「ちょっと、勿体無いよね。セディの顔を隠すの。名前は…そのままにする?」
「名前くらいそのままで。念のために防音と聞き取り難いようにその部分だけ雑音いれましょう。」
側に来たセディが、私の両頬を挟むようにその手を当てる。
お互いの真実の顔を知っている私達は、触れる事でその顔を認識出来る。
「本当に、こんなに素敵な人だって自慢したいですよ。」
「私よりセディの綺麗なブロンドと青い瞳は目立つから。女の子が積極的に来たらディナーを味わう時間無くなるもんね。
あれから、8年なんてあっという間だね。セディも18歳になったね。」
「とりあえず、外では認識阻害のままですね。
──帰ったら本当の顔を見ながら話しましょう。」
その手が頬から離れて、用意していたローブをかけられた。
「そうだね。」
最後の夜になりそうだ。
楽しみでありながら、寂しくもある。
弟子の成長と言うだけではない。2人で助け合って、支え合って来たこの日々に…終わりが見え隠れする。
良く、頑張ったよね。
お互いにさ。
町は、とても賑やかで。
あちらこちらで、若いカップルが誕生している。
賑わっているので、セディが迷子にならないようにと手を繋いで来た。
セディの青い瞳が、私にだけ見えている。
そして、私の本当の姿も見えているのだろう。
ずっと色を隠して来た。
別れる前に知ってて欲しかったから。銀色に輝く髪の毛と紫色の瞳だ。茶色にしてたんだ。
人として扱われた事など、なかったのだから。
私達は、どんなふうに見えているのかな?26歳の私に付き合わせるのは、悪いことをしている気がする。
それでも、記念すべき日。
弟子が一人前になるのだ。
いつもより、饒舌になる。
お酒弱いのに…つい飲んでしまった。
ちゃんと連れて帰るから大丈夫だって、私の立場がないな。
私の方が離れ難いのかも知れない。
ああ。何か、視線を感じるのは何でだろう?
お酒のせいか、サーチが鈍る。
「セディ?何か見られている気がしない?気のせいかな?」
「イリア様の認識が緩んでいるのでしょうか?変わってないと思いますが?でも、念の為に帰りましょう。狙われたら大変ですから。」
「そうだね。」
2人、立ち上がり帰ろうとしたのだけど、足がフラフラになっている。
「ごめん。嬉しくて酔っ払ったみたいだ。手を貸してセディ。」
ローブを着せられ、あっという間に視界が変わる。
横抱きにされている。
「へ?」
「支払いは済んでますから。帰りましょう。首の所に掴まって下さい。」
「うん。でも…」
「倒れそうなので、このまま。俺のこと、大人として認めてくれたのでしょう?なら甘えて下さい。急ぎます。
森に入ったら転移しますから。」
何も考えたく無くて、頷く。
あっという間に連れ帰られた。
ローブを脱がされて、水を飲もうとしたのだけれど、グラスさえ重い気がする。
ビチャビチャと、子供のように水を溢してしまう。
シャツが濡れて、前が透けて見える。
「──駄目な大人だよね。折角のプレゼントをこんなにしてしまった。
子供みたいだ。ほら、セディ。
スケスケにしちゃったよぉ。」
恥ずかしいから、余計にふざけて見せて一回転。
「お風呂に、入ってくるね。」
ふらふらしながら、お風呂へと行こうとする。
その私の背中側から、抱き止められる。
「ん?どうしたの?セディ。」
「俺じゃ駄目ですか?俺がパートナーになったら駄目?」
「パートナー?セディが私の?」
「ずっと、好きです。始めて会った時から。」
「──ありがとう。それは、餌付けられたからだよ。セディの寂しさにつけ込んだようなもの──刷り込みだ。8歳も年上だよ。相応しくなんて無い。」
腕が緩む。
腕の中向き合うよう、体を動かす。
背の高い弟子の顔を見上げて、精一杯笑う。
きっと、私も君の事…。だけど駄目なんだ。
「セディには、未来があるんだ。こんな、逃げ隠れするような私から離れなさい。もう、独り立ちして良いよ。
明日には、出て行きなさい。レシピ本は持って行くと良いし。お金も必要な分全部持っていって構わないから。」
笑えているだろうか?
君の師匠として、ちゃんと終われるだろうか?
「嫌だ。刷り込みじゃない。」
「だから、それは。」
「嘘が下手くそ。」
引き寄せられて、唇を重ねてきた。
思わず逃げそうになる。
抱き寄せる力が強い。後頭部に大きなセディの手が回り逃げられない。
こじ開けられ口の中へセディの厚い舌が入り込んで来る。
「ん、んんんーーー」
長い拘束に、足の力が抜けていく。
ようやく離された時は、性欲の薄いはずの私のそれが反応している。
恥ずかしい。
隠すようにしていると、呆気なくバレた。
今度はソコを撫でられる。
「い、や。待って。」
「身体の方が正直ですね。」
撫でられるだけなのに、太ももに痺れを感じて思わず縋り付く。
大きな手の中にギュッと掴まれて
「ひぃ、あぁん。」
変な声になって思わず口を手で覆う。
「可愛い。もっと声聞かせて…イリア…」
耳元囁かれて、今にも崩れ落ちそうな私を抱える。
「な、なに?」
「処理しないと辛いでしょ?」
お風呂場へ連行されるようだ。
「待って。お願い。」
「後で聞きます。」
逃げられそうにない。突き離すべきと思うのに。
でも、触られたい。
お酒のせい?
私は、どうしらいいのだろう。
応援ありがとうございます!
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