ボールペン覚え書き

涼格朱銀

文字の大きさ
上 下
51 / 83
水性染料ゲルインクボールペン

ゼブラ サラサR

しおりを挟む
[種別]ノック式水性染料ゲルインクボールペン
[ボール径]
 0.4mm(全14色)
 0.5mm(全3色)

[純正芯]
 芯(全長111.1mm 軸径6.1mm)

[互換芯]
 サラサクリップと同じ

[コメント]
 従来品よりも字が濃いことをウリにしたノック式『染料』ゲルインクボールペン。サラサの名を冠してはいるものの、顔料ではなく染料を使用している。サラサドライもそうだったが、顔料インクと染料インクでは用途が異なるので、同じブランド名を付けるのは紛らわしいからやめて欲しい。
 通常、ゲルインクボールペンはボール径0.5mmをメインにすることが多いが、このシリーズはボール径0.4mmが主力になっている。
 見た目や「濃い字が書ける」というコンセプトはユニボールワンと似ているが、実際のライバルはエナージェルとなる。


 軸は従来のサラサクリップと同じもの。カラーリングが明らかにユニボールワンを意識している。わざわざ二番煎じ感を出す必要はなかった気がする。


 ボール径は0.4mmと0.5mmのラインナップだが、0.5mmは基本の3色しかなく、事実上、0.4mmのみのラインナップと言ってもいい。
 0.4mmのインクバリエーションは14色。グリーンブラックやレッドブラックなど、サラサヴィンテージ的なインクがある。
 0.5mmのカラーバリエーションの少なさを嘆く人がいるなら、サラサヴィンテージを買えばいいと思う。ブラック系として使える濃くて個性的なインクカラーを選び放題である。むしろ0.4mm使いとしては、ヴィンテージに0.4mmがないことを嘆きたい。サラサRとサラサヴィンテージのラインナップを交換して欲しいくらいである。


 インクの濃さについて。
 サラサクリップと比較すると、若干サラサRの方が濃い。ただし、よく見て比べないと違いがわからない程度の差である。また、サラサRの字がサラサクリップよりはっきり見えるのは、字が太めになることによる効果が大きいように感じる。サラサRの0.4mmは、サラサクリップの0.4mmよりも若干太めの字体になる。0.4mmと0.5mmの中間くらい。
 サラサRのブルーブラックと、サラサヴィンテージのダークブルーだと、ダークブルーの方が濃い。顔料インクでこの色味が出せるなら、素直にこのインクで0.4mm版を出して欲しかった。

 ユニボールワンとの比較は、黒インクに関してはユニボールワンの圧勝。ユニボールワンは本当に黒色といったインクだが、サラサRは若干紫寄りの黒となっている。どちらがいいかは好み次第だが、どちらがより黒か、ということならユニボールワンである。
 カラーインクについては、ほぼ同等と言っていい。サラサRとユニボールワンでは若干色味の個性が異なり、ユニボールワンの方が若干黒、もしくは灰色寄りの色味だが、濃さとしては同等と言って差し支えない。
 
 エナージェルとの比較だと、黒色に関してはエナージェルの方が黒寄り。カラーインクについてはエナージェルの方が明らかに明るめの発色となる。


 サラサドライはインクが出過ぎの傾向があり、裏抜けもしやすかったが、サラサRはその辺の問題は改良されたようで、インクフローは問題なく、裏抜けもコクヨのキャンパスノートレベルの紙質なら気にならない。
 また、特に売り文句とはなっていないが、速乾性もある様子。書いてすぐに指で擦ってみたが、インクが付いたりはしなかった。


 筆記感は若干カリカリする。昔のパイロットのボールペンを思わせる書きづらさで、下敷きを使わずノートで筆記すると結構な抵抗を感じる。
 染料インクの方が書き心地をよくしやすいはずなのに、これはいただけない。滑りすぎるのもよくないが、これはカリカリしすぎだろう。


 耐水性はもちろんない。水がかかると色が抜けて裏抜けが起きる。
 筆記語24時間経過後もインクの定着度合いは大して変わらず、水がかかるとほとんどの色が抜けてしまう。水や汗が付着する可能性のある場合や湿度の高いところでは使用しない方がいい。


 使われているリフィルの型番は刻印されていないため不明だが、形状はJF芯と同じ。軸がサラサクリップと同じ形状なので、この辺は予想通りだろう。
 全色替芯はなさそう。安いので替芯がなくても大きな問題にはならないが、欲しかった人はいるはず。


 このペンの存在意義は、レッドブラック、グリーンブラック、ブルーグレーなど、サラサビンテージ系のインクが0.4mmで使えることにある。もしサラサビンテージに0.4mmが登場すれば、サラサRは必要ない。同等の性能の顔料インクと染料インクが選べるなら、顔料インクの方が使い勝手がいいからである。
 私としては、サラサRなんか作っている暇があるなら、ビンテージの0.4mmを出して欲しい。

 ただし、ゼブラの染料インクは速乾性があるかもしれないので、それを必要とし、かつ、エナージェルよりもインクの色味が好きなどの理由があるなら選択肢に入るだろう。

 他社のエナージェルや、あえて比較するとしてユニボールワンと比べると、価格が安いというのも選ぶ理由になるかもしれない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

独身男の一人旅 松山へ行ってみた

司条西
エッセイ・ノンフィクション
愛媛県松山市へ3泊4日で行った旅行記です。押絵に旅行写真を載せています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

処理中です...