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夢の中
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キィーー!
けたたましいブレーキ音が響き、大きな衝撃音が鳴った。雨の降る夕暮れ時に、郊外を走っていた車の衝突事故が起こった。
ピッ、ピッ、ピッ……
消毒液の匂いがする建物の一室で、ベッドを囲みながら話をする二人の女性がいた。
「骨折は徐々に回復していますね。打撲の痕もだいぶ薄くなりましたし……でも意識が戻りません、大丈夫でしょうか」
「それについては先生も分からないそうよ」
「早く治って目覚めてほしいです」
「けれど、彼にとってはこのまま眠っている方が幸せかもしれない。可哀そうにね」
新人を連れて、ベテラン看護師は電気を消して病室を後にした。少年が病院へ運ばれてから1カ月半、彼は一度も目を覚ましていない。
部屋に残された少年は、一人ベッドで夢を見ていた。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
出勤する父親を見送り、少年は母のもとに向かって走った。
「お母さん、買い物に行こう!」
はしゃいでいる少年は、母親の手を引いて早く早くと言っている。
「京太ってば、そんなに急がなくても大丈夫だよ。お父さんはまだ帰ってこないからゆっくり行こう?それに京太、まだパジャマのままじゃないの」
母に連れられて着替えをし、買い物リストを握りしめて一緒に街まで出かけた。
イチゴや生クリーム、鶏肉などを買って、誕生日パーティーの材料を買いそろえた。家に着くと早速料理を開始し、つまみ食いをしながらも大きなホールケーキを完成させた。
父親が帰ってくる頃には焼かれた鶏肉やパエリアなど、普段は食卓に並ばないものがたくさんでき、早く帰ってこないかなーとそわそわしながら父親の帰りを待った。
「ただいまー」
「あっ、おかえりなさい!」
帰ってきた父親をリビングルームに連れて行こうとすると、目の前が真っ暗になった。
ん、なんだろう。ここ、どこ?
けたたましいブレーキ音が響き、大きな衝撃音が鳴った。雨の降る夕暮れ時に、郊外を走っていた車の衝突事故が起こった。
ピッ、ピッ、ピッ……
消毒液の匂いがする建物の一室で、ベッドを囲みながら話をする二人の女性がいた。
「骨折は徐々に回復していますね。打撲の痕もだいぶ薄くなりましたし……でも意識が戻りません、大丈夫でしょうか」
「それについては先生も分からないそうよ」
「早く治って目覚めてほしいです」
「けれど、彼にとってはこのまま眠っている方が幸せかもしれない。可哀そうにね」
新人を連れて、ベテラン看護師は電気を消して病室を後にした。少年が病院へ運ばれてから1カ月半、彼は一度も目を覚ましていない。
部屋に残された少年は、一人ベッドで夢を見ていた。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
出勤する父親を見送り、少年は母のもとに向かって走った。
「お母さん、買い物に行こう!」
はしゃいでいる少年は、母親の手を引いて早く早くと言っている。
「京太ってば、そんなに急がなくても大丈夫だよ。お父さんはまだ帰ってこないからゆっくり行こう?それに京太、まだパジャマのままじゃないの」
母に連れられて着替えをし、買い物リストを握りしめて一緒に街まで出かけた。
イチゴや生クリーム、鶏肉などを買って、誕生日パーティーの材料を買いそろえた。家に着くと早速料理を開始し、つまみ食いをしながらも大きなホールケーキを完成させた。
父親が帰ってくる頃には焼かれた鶏肉やパエリアなど、普段は食卓に並ばないものがたくさんでき、早く帰ってこないかなーとそわそわしながら父親の帰りを待った。
「ただいまー」
「あっ、おかえりなさい!」
帰ってきた父親をリビングルームに連れて行こうとすると、目の前が真っ暗になった。
ん、なんだろう。ここ、どこ?
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