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ワンワンと聖域
第1話 物語の始まり
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僕はたぶん死にかけているんだと思う。
なんとなくだけど、そんな気がした。
僕は産まれたばかりだった。
だけど、僕が産まれた事は、あまりよく思われなかったらしい。目は使えないけど話はしっかり聞こえていた。
「まさか妊娠してたなんて……」
「だから俺はペットなんて反対だったんだよ。こんな野良……せめてペットショップで買えば……」
「何よ今更! 金がかかるって言って反対してたじゃない! それに仕方ないでしょ、あの子が拾ってきちゃったんだから……あなたがガツンと捨てて来い! って言ってくれれば」
「俺のせいかよ! たくっ……こっちはお前らを食わせる為に働いて疲れてるっていうのによ……」
「そうやって、いつも働いてる、食わせてるって……よく言えるわね! あの子を産む時に俺が頑張って働くから、お前は子供を見ていて欲しいって! そう言うから、私は仕事を辞めたのよ! 逆だったら、あなたよりも稼いでペットくらい余裕で飼える生活ができたのにね」
「何だと!」
「しっ! あの子が起きちゃうでしょ! それよりも産まれちゃったのをどうにかしましょ」
「……ちっ、そうだな。まあ、拾ってきたのは飼わないとあいつが泣くからな。産まれた方は誰かにあげた事にすればいいだろ」
「あげた事にって?」
「捨てるんだよ。今捨てれば、近所の人も野良一匹しか気付いていないだろ?」
「……そうね。今なら、あの子も寝てるし」
「決まりだな。たくっ、疲れてるってのに手間取らせやがって……」
こうして僕は温かい場所から、寒い場所に連れて来られた。それから、どれだけの時間が経ったかは分からない。
体は寒さを通り越して、痛みへ。そして痛みすら感じなくなってしまい、今にも寝てしまいそうだった。
このまま眠れば楽になれると思ったけど、二度と目を覚ます事はないかもしれない。だから頑張った。頑張ったけど、僕の意思とは関係なく、眠くなる。
もう、駄目だ……そう思った時だった。
「異世界への転生に耐えられそうな魂の反応がしたかと思えば…………まさか子犬……いや、子犬というにも小さ過ぎるか。赤ちゃんだね」
「野良……じゃないな。捨てられたのか……たくっ、ろくなことしねえな。人間て奴はよぉ」
「誰もがそんな悪って訳じゃないよ。でも……この子の魂は凄いな。新しい……生まれたばかりの魂だよ。数千年前から輪廻転生が採用されているというのに、新しい魂が生まれるだなんて珍しい。この生がたぶん初めてだね」
「はっ! 初めての生がこれかよっ! 哀れだな!」
「確かに可哀想だね……って、おいおい何してるのさ」
「あん? 哀れな、この犬を俺が飼ってやろうと思っただけだ。文句あっか?」
誰かが抱きかかえてくれる。よく分からないけど、助けてくれるのかな? 温かいな……気持ち良い……。
「いや、文句というか、現世の生物を天界に連れて行くのは駄目だから。分かっているだろう? 神罰が下るよ」
「うっせえ! このまま死なせるって言うのか! ワンワンが可哀想だろ!」
「もう名前も付けてるんだ……。君の気持ちも分かるけどさ……この子には異世界への転生をして貰おうよ」
「馬鹿ッ! いくらスキルをやっても、こんな小さいのが生き抜けると思うか? 俺が保護して立派な天使にしてやる!」
「いや、だから連れてったら神罰下るから。もれなく僕も巻き添え食らうかもしれないからやめてね。この子にはスキルの他に、人間の体もあげよう。それと送り先もしっかり考えてあげれば大丈夫だよ」
「だけどよぉ、今回の異世界への転生ってあれだろ? 魔族と人間の争いが続き過ぎて、世界が破綻しかけているから、戦争を終わらせる。その為に送んだから、こいつも戦わねえと……こんな子を戦わせるなんて悪魔かテメエ! 堕天したか?」
「悪魔でもなければ、堕天使でもないよ。天使。そこら辺もちゃんと考えてるよ。面倒を見てくれそうなのが居るから、そこに送ってあげよう」
「……魔王と人間の争いは?」
「……転生者の一人くらい争いから遠ざけたところで、結果はそこまで変わらないと思うよ。まあ、神様には怒られそうだけど……」
「任せろ! 俺が怒られる!」
「いや、もう僕も共犯だからね……まあ、怒られるくらいいいよ。こんな綺麗な魂を穢したくもないしね。新たな生、新たな世界では幸せに生きられる事を……」
僕を抱きかかえている人とは違う、別の人が僕の頭を優しく撫でる。そして、僕は強い眠気に襲われる。だけど、この眠気は寒さで死にかけていた時とは違う。温かくて、優しい……そんな眠りだった。
……ありがとう。
僕は言葉を発する事はできなかったけど、二人にそう心の中で感謝する。
――新たに一つの魂を異世界へと転生させた後。
神の使いである天使二人は呆然としていた。
「なあ……ワンワン、礼を言ってなかったか?」
「あ、ああ……言っていた。肉体から解放された時に、思念が感じ取れたが……自分の状況を理解していたのか? 生まれて間もないんじゃ、自分の状況を理解するなんてとても……もしかして前世の記憶が」
「新しく生まれた魂だろ。前世なんてもんはねえ…………考えられるのは」
「普通の魂よりも格が違う、才ある魂か……。もしかすると、あのワンちゃんは今回送った転生者のなかで一番凄いかもしれないね。ああ……それが神様にばれたら、怒られるだろうな」
「大丈夫だ! 俺が全部やったって言うからよ!」
「いや、言ったところで僕も怒られるよ、どうして止めなかったって……はあ……」
「ちなみに、渡したスキルは何だ? 確か神様に渡された最後の一つだよな?」
「【廃品回収者】だよ。正直、今回渡して来たスキルの中では大した事ないけど……あの魂であれば、凄まじいスキルになるかもね」
「そうか……まあ、ワンワンが元気で生きていけるなら問題ねえ!」
「はあ……君のあまり考えない性格は本当に羨ましいよ……」
二人の天使は、こうして現世での役割を終え、天界へと帰るのだった。
――魔族と人間が千年以上もの長きに渡り争い続け、疲弊した世界。
そのような世界に、魔族と人間との間で唯一取り決められている、決して足を踏み込んではいけない聖域とされている大地。
聖域には、世界樹と呼ばれる世界最古の大樹が存在する。数百人が手を繋いでようやく幹を一周できるほどの大きさ。その存在感に近くで見た者は言葉を失うだろう。だが、ここに足を踏み込む者は誰一人としていない。
理由は世界樹の根元にある。
そこには魔族と人間の争いが始める遥か昔から生きている、エンシェントドラゴン。逆鱗に触れれば世界は滅ぶだろうと言われるほどに、凄まじい力を宿した存在。これが誰も聖域に入らない最も大きな理由だ。
少なくとも記録上では聖域から一度もエンシェントドラゴンは出ていない為、聖域の番人とも恐れられている。
だが、エンシェントドラゴンも不老不死という訳ではない。この世の生物よりも長く生きられるが、千年以上もの長い時を経て、体は老いていた。もって数日の命だとエンシェントドラゴン自身も感じていた。
長く生き過ぎたせいか、自分の死に関して特に何も思わなかった。ただ、死という事実を淡々と受け止めるだけ。そして残りの時間を、長い時間共に過ごした世界樹のもとで眠って過ごそうとしていた。
「……ねえ、起きて……起きてよ……」
だが、エンシェントドラゴンは思わぬ来訪者に目を覚ます事となる。
幼い子供と思われる声が聞こえ、慌てて目を開けた。自身の死を待っていたとは思えない驚きようだった。無理もない五百年は聖域に、それも最深部である世界樹まで来た者は一度もいないのだから。
「あ、起きた! おはよー!」
「……………………おはよう」
エンシェントドラゴンは思わず挨拶を返すが、状況が上手く理解できなかった。いや、目の前の光景は正しく理解できている。ただ、どうして? なぜ? という疑問が尽きなかった。
エンシェントドラゴンの眼下には、金髪の長い髪の美少年が立っていた。そして何故か服を着ておらず、裸。十歳にも満たない子供のようなので、川とかであれば別に裸でも違和感はない。
だが、ここは子供が訪れるようなところでなければ、水場でもない。
新種の魔物の可能性を考えたが、魂の波動を感じ取る事ができるエンシェントドラゴンは、すぐに人間の子供であると理解する。そして、その魂が今まで見た事がないほどに、美しいものである事に気付く。
「…………名前は何と言う?」
「名前? えっと…………ワンワンって名前だと思う!」
「ワンワン? おかしな名前だ。それに思う? 自分の名前が分からんのか?」
「えっとね……僕、気付いたら、ここにいたの……」
「気付いたら? 転移魔法の類……いや、それなら魔力で気付く……いや、老いた身で鈍っているのかもしれぬ。まあ、よいら、ワンワンよ、お主は人間だな? 何処の国の子だ」
エンシェントドラゴンは自分の命が尽きる前に、この子供を送り届けようと思った。こんな事は初めてだが、悪意を持って聖域に入った訳ではないと、魂の美しさから判断し、見逃す事にしたのだ。
だが、ワンワンは困った様子で首を傾げる。
「国? ……ごめんなさい。分からない」
「分からない? 自分の生まれた国を覚えていないのか?」
「…………うん」
エンシェントドラゴンは死ぬ寸前に、とんでもない奴がやって来たと溜息を吐いた。
なんとなくだけど、そんな気がした。
僕は産まれたばかりだった。
だけど、僕が産まれた事は、あまりよく思われなかったらしい。目は使えないけど話はしっかり聞こえていた。
「まさか妊娠してたなんて……」
「だから俺はペットなんて反対だったんだよ。こんな野良……せめてペットショップで買えば……」
「何よ今更! 金がかかるって言って反対してたじゃない! それに仕方ないでしょ、あの子が拾ってきちゃったんだから……あなたがガツンと捨てて来い! って言ってくれれば」
「俺のせいかよ! たくっ……こっちはお前らを食わせる為に働いて疲れてるっていうのによ……」
「そうやって、いつも働いてる、食わせてるって……よく言えるわね! あの子を産む時に俺が頑張って働くから、お前は子供を見ていて欲しいって! そう言うから、私は仕事を辞めたのよ! 逆だったら、あなたよりも稼いでペットくらい余裕で飼える生活ができたのにね」
「何だと!」
「しっ! あの子が起きちゃうでしょ! それよりも産まれちゃったのをどうにかしましょ」
「……ちっ、そうだな。まあ、拾ってきたのは飼わないとあいつが泣くからな。産まれた方は誰かにあげた事にすればいいだろ」
「あげた事にって?」
「捨てるんだよ。今捨てれば、近所の人も野良一匹しか気付いていないだろ?」
「……そうね。今なら、あの子も寝てるし」
「決まりだな。たくっ、疲れてるってのに手間取らせやがって……」
こうして僕は温かい場所から、寒い場所に連れて来られた。それから、どれだけの時間が経ったかは分からない。
体は寒さを通り越して、痛みへ。そして痛みすら感じなくなってしまい、今にも寝てしまいそうだった。
このまま眠れば楽になれると思ったけど、二度と目を覚ます事はないかもしれない。だから頑張った。頑張ったけど、僕の意思とは関係なく、眠くなる。
もう、駄目だ……そう思った時だった。
「異世界への転生に耐えられそうな魂の反応がしたかと思えば…………まさか子犬……いや、子犬というにも小さ過ぎるか。赤ちゃんだね」
「野良……じゃないな。捨てられたのか……たくっ、ろくなことしねえな。人間て奴はよぉ」
「誰もがそんな悪って訳じゃないよ。でも……この子の魂は凄いな。新しい……生まれたばかりの魂だよ。数千年前から輪廻転生が採用されているというのに、新しい魂が生まれるだなんて珍しい。この生がたぶん初めてだね」
「はっ! 初めての生がこれかよっ! 哀れだな!」
「確かに可哀想だね……って、おいおい何してるのさ」
「あん? 哀れな、この犬を俺が飼ってやろうと思っただけだ。文句あっか?」
誰かが抱きかかえてくれる。よく分からないけど、助けてくれるのかな? 温かいな……気持ち良い……。
「いや、文句というか、現世の生物を天界に連れて行くのは駄目だから。分かっているだろう? 神罰が下るよ」
「うっせえ! このまま死なせるって言うのか! ワンワンが可哀想だろ!」
「もう名前も付けてるんだ……。君の気持ちも分かるけどさ……この子には異世界への転生をして貰おうよ」
「馬鹿ッ! いくらスキルをやっても、こんな小さいのが生き抜けると思うか? 俺が保護して立派な天使にしてやる!」
「いや、だから連れてったら神罰下るから。もれなく僕も巻き添え食らうかもしれないからやめてね。この子にはスキルの他に、人間の体もあげよう。それと送り先もしっかり考えてあげれば大丈夫だよ」
「だけどよぉ、今回の異世界への転生ってあれだろ? 魔族と人間の争いが続き過ぎて、世界が破綻しかけているから、戦争を終わらせる。その為に送んだから、こいつも戦わねえと……こんな子を戦わせるなんて悪魔かテメエ! 堕天したか?」
「悪魔でもなければ、堕天使でもないよ。天使。そこら辺もちゃんと考えてるよ。面倒を見てくれそうなのが居るから、そこに送ってあげよう」
「……魔王と人間の争いは?」
「……転生者の一人くらい争いから遠ざけたところで、結果はそこまで変わらないと思うよ。まあ、神様には怒られそうだけど……」
「任せろ! 俺が怒られる!」
「いや、もう僕も共犯だからね……まあ、怒られるくらいいいよ。こんな綺麗な魂を穢したくもないしね。新たな生、新たな世界では幸せに生きられる事を……」
僕を抱きかかえている人とは違う、別の人が僕の頭を優しく撫でる。そして、僕は強い眠気に襲われる。だけど、この眠気は寒さで死にかけていた時とは違う。温かくて、優しい……そんな眠りだった。
……ありがとう。
僕は言葉を発する事はできなかったけど、二人にそう心の中で感謝する。
――新たに一つの魂を異世界へと転生させた後。
神の使いである天使二人は呆然としていた。
「なあ……ワンワン、礼を言ってなかったか?」
「あ、ああ……言っていた。肉体から解放された時に、思念が感じ取れたが……自分の状況を理解していたのか? 生まれて間もないんじゃ、自分の状況を理解するなんてとても……もしかして前世の記憶が」
「新しく生まれた魂だろ。前世なんてもんはねえ…………考えられるのは」
「普通の魂よりも格が違う、才ある魂か……。もしかすると、あのワンちゃんは今回送った転生者のなかで一番凄いかもしれないね。ああ……それが神様にばれたら、怒られるだろうな」
「大丈夫だ! 俺が全部やったって言うからよ!」
「いや、言ったところで僕も怒られるよ、どうして止めなかったって……はあ……」
「ちなみに、渡したスキルは何だ? 確か神様に渡された最後の一つだよな?」
「【廃品回収者】だよ。正直、今回渡して来たスキルの中では大した事ないけど……あの魂であれば、凄まじいスキルになるかもね」
「そうか……まあ、ワンワンが元気で生きていけるなら問題ねえ!」
「はあ……君のあまり考えない性格は本当に羨ましいよ……」
二人の天使は、こうして現世での役割を終え、天界へと帰るのだった。
――魔族と人間が千年以上もの長きに渡り争い続け、疲弊した世界。
そのような世界に、魔族と人間との間で唯一取り決められている、決して足を踏み込んではいけない聖域とされている大地。
聖域には、世界樹と呼ばれる世界最古の大樹が存在する。数百人が手を繋いでようやく幹を一周できるほどの大きさ。その存在感に近くで見た者は言葉を失うだろう。だが、ここに足を踏み込む者は誰一人としていない。
理由は世界樹の根元にある。
そこには魔族と人間の争いが始める遥か昔から生きている、エンシェントドラゴン。逆鱗に触れれば世界は滅ぶだろうと言われるほどに、凄まじい力を宿した存在。これが誰も聖域に入らない最も大きな理由だ。
少なくとも記録上では聖域から一度もエンシェントドラゴンは出ていない為、聖域の番人とも恐れられている。
だが、エンシェントドラゴンも不老不死という訳ではない。この世の生物よりも長く生きられるが、千年以上もの長い時を経て、体は老いていた。もって数日の命だとエンシェントドラゴン自身も感じていた。
長く生き過ぎたせいか、自分の死に関して特に何も思わなかった。ただ、死という事実を淡々と受け止めるだけ。そして残りの時間を、長い時間共に過ごした世界樹のもとで眠って過ごそうとしていた。
「……ねえ、起きて……起きてよ……」
だが、エンシェントドラゴンは思わぬ来訪者に目を覚ます事となる。
幼い子供と思われる声が聞こえ、慌てて目を開けた。自身の死を待っていたとは思えない驚きようだった。無理もない五百年は聖域に、それも最深部である世界樹まで来た者は一度もいないのだから。
「あ、起きた! おはよー!」
「……………………おはよう」
エンシェントドラゴンは思わず挨拶を返すが、状況が上手く理解できなかった。いや、目の前の光景は正しく理解できている。ただ、どうして? なぜ? という疑問が尽きなかった。
エンシェントドラゴンの眼下には、金髪の長い髪の美少年が立っていた。そして何故か服を着ておらず、裸。十歳にも満たない子供のようなので、川とかであれば別に裸でも違和感はない。
だが、ここは子供が訪れるようなところでなければ、水場でもない。
新種の魔物の可能性を考えたが、魂の波動を感じ取る事ができるエンシェントドラゴンは、すぐに人間の子供であると理解する。そして、その魂が今まで見た事がないほどに、美しいものである事に気付く。
「…………名前は何と言う?」
「名前? えっと…………ワンワンって名前だと思う!」
「ワンワン? おかしな名前だ。それに思う? 自分の名前が分からんのか?」
「えっとね……僕、気付いたら、ここにいたの……」
「気付いたら? 転移魔法の類……いや、それなら魔力で気付く……いや、老いた身で鈍っているのかもしれぬ。まあ、よいら、ワンワンよ、お主は人間だな? 何処の国の子だ」
エンシェントドラゴンは自分の命が尽きる前に、この子供を送り届けようと思った。こんな事は初めてだが、悪意を持って聖域に入った訳ではないと、魂の美しさから判断し、見逃す事にしたのだ。
だが、ワンワンは困った様子で首を傾げる。
「国? ……ごめんなさい。分からない」
「分からない? 自分の生まれた国を覚えていないのか?」
「…………うん」
エンシェントドラゴンは死ぬ寸前に、とんでもない奴がやって来たと溜息を吐いた。
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