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雨が降り続ける世界で貴方とまた
しおりを挟む世界はずっと雨が降り続けている。あの日に戻れたらこんな世界にならずに済んだのかな。こんな世界じゃ何もできない。邈にぃ、戻ってきてよ。
『お前らに脳なんて必要ないの!でも、能がないからこれしきのことが理解できないのか。』
そんなこと言わないでよ!予言の終わりに選ばれちゃっただけなのに......。
「私は!
私は、この世界を記録する義務があるの!嫌なら出ていって、兼近。」
小説にして記録するのなんて苦手だし、一番嫌いな人がパートナーだし、邈にぃはいないし。
「俺だってこんなところから出て行きたいさ。」
すると見計らったかのように頭の中で声が響く。
『次の晴れ乞いの準備ができました。』
「っ、早すぎる。だってまだ前の儀式から一ヶ月しか経ってないぞ!」
もう次が......。
『次の供え人は苅間兼近さんです。よって観測者様とのパートナー関係は解消となります。では外へどうぞ。』
相変わらずナビは淡々としてるなぁ。
「くそっ、なんで俺が、死にたくない!」
見えないモノに押されて供え人が祭壇へと上がっていく。
『では皆さん、晴れ乞いの始まりです。明日にはきっと太陽が顔を出すことでしょう。』
「あ、眺めてる場合じゃないや。また記録しなきゃ......。次のパートナーは誰なんだろうな、優しい人がいい。」
供え人はいつまで持つかなぁ。三日?いや、一週間かな?
『観測者様のパートナーが選ばれました。』
「さてと、僕の可愛いパートナーはどこかな?」
中にまで声が聞こえてくる。ドアが開く。そこにはずっと会いたかった人が立っていた。
「久しぶり、僕の可愛いお姫様♪でもちょっと待たせすぎちゃった。ごめんね。」
「邈にぃ!!」
ずっと会いたかった。どこに行ってたの?なにも言わずにいなくなって......。思わず涙が溢れてくる。
「相変わらず泣き虫で甘えん坊だね。」
「だって、だって......。」
「ごめんね、いなくなってでももうやることは終わったからこれからはずっと側にいれるから泣かないで。」
「私、邈にぃに言いたかったことがいっぱいあるんだよ」
「うん、いくらでも聞いてあげる」
「もういなくならないでね。邈にぃがいないと世界に色がないんだから!」
「それは僕も同じだよ、これからはずっと一緒だね。」
その日から世界の天気は元に戻った。一体なにが原因だったのかはわからない。一説によれば晴れ乞いの儀式には意味がなく、観測者様の幸せが関係してるとか。
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