14 / 15
第十話
しおりを挟む「あ、ラウ。お風呂どうだった?」
相変わらずの大きさにもはや恐怖を感じながらお風呂を済ませると身軽な格好をしたルーンが窓際に腰掛けていた。う、色気が……。
「お風呂は広すぎてちょっと一人じゃ寂しかったなぁ。」
「じゃあ僕も一緒に入ればよかった?」
「……。」
スッとなんの躊躇いもなく剣を抜く。
「ルーン、最後に言い残したこと何かある?」
「冗談だってモウイイマセン。」
「あ、ラウラこれあげるよ。せっかく結婚したんだから。」
そういって差し出されたのは守護のお守りだ。めっちゃ高いやつ。
「ルーンこれってすごい高い、やつ……」
これだけでお城が買えるよ?!
「あ、大丈夫これ作ったの僕だからお金はかかってないよ。」
ルーンがそう言い終わるのが早いか否やバンと大きな爆発音がした。
「何事?!」
『結界』
「……ラウ、どうやら招かれざるお客様だ。四人。二人任せても大丈夫そう?」
招かれざる……賊か。
「……勿論。ちょうどいい運動じゃないか。」
「これはこれはこの屋敷には二人しかいないのか。つまんねえなぁ。お、片方は女か。おい、お前ら女は生きて捕えろ。男の方は殺せ。」
『はい、ボス』
「初夜を邪魔するなんて無粋な奴らだね。」
『結晶化』
「きかねぇなぁ!」
「ラウ」
「私のルーンがいて勝てると思わないことだね。」
「なっ、はや。」
縮地で一気に後ろに回り込んで二人。品のない喚き声が聞こえる。
「あとはルーンだけだよ。」
『水球』
『真空』
すると瞬く間に賊たちは意識を失った。
「……こいつらどうするの?」
呆気ない。
「うーん、あっそうだ!知り合いにいいのがいるからそこに送っておくよ。」
『転移』
「よしこれで邪魔をする奴はいなくなったね。さて、そろそろ寝ようか。屋敷はどうせ寝てる間に勝手に直るから大丈夫だよ。ほら、おいで。」
急に殺戮モードから初夜モードになった……。切り替えの早さ恐ろしい。本当に戦闘?があったのか疑いたくなってくる切り替えの早さだ。やっぱりルーンはどこかおかしい。
「あぁ、ベッドに入るのにそのガウンはいらないよねってその格好はちょっと扇状的すぎない?僕試されてる?」
まずい。このガウンの下は、母様に無理やり持たされて着ざる終えなかったベビードールが……。
「母様がこれ以外の夜着全部抜いちゃって、これしかなかったの!」
恥ずかしさで顔が赤くなる。どうにかしてルーンの反応を伺おうと顔を見ると今までに見たことがないような顔をしていた。
「ねぇ、ラウ。それはもう誘ってると見ていいよね。」
その言葉の後には柔らかなキスが降ってきて、ルーンの気持ちを思い知らされたのだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうやら貴方の隣は私の場所でなくなってしまったようなので、夜逃げします
皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。
完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる