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第九話
しおりを挟む「ラウ?これはあの時の再現かい?うちにそんな材料あったかなぁ?」
ルーンがそう思うのも無理はないだろう。結局あのあと料理してトマトを使った結果赤くなったのだ。
「これは、ミネストローネだよ!」
「でも普通のミネストローネに肉は入ってないと思うんだけど……。まぁいいや、いただきます。」
入れたのはトマトなんだから血の味はしないはず。トマトは血の味はしない。今回は血は混入してない。まず血の味をするものを入れてない。だから大丈夫なはず!
「……うん。美味しいよ。前の時と同じくらい美味しい。栄養がありそう。」
前言撤回しよう。やっぱりおかしいのは私じゃなくてルーンだ!だって普通の人は栄養で良し悪しを判断しないもん。ちょっとだけ凹んだのはここだけの秘密だ……。えいよう…………。
「ごちそうさまでした。今の時間は十九時か。どうする?お風呂入るなら沸かすけど?それとも模擬戦でもする?あ、僕のドレスラウに着せるのもいいね。多分サイズあるはずだよ。なかったとしても魔法で調整すればいいし。」
あまりの勢いにちょっと引……。いや逃げようとしてしまった。
「私、お風呂入りたい。」
ルーンに捕まったら大変な目に会うのは目に見えてる。それに今日くらいは鍛錬はしない方がいいだろうし。一応私にだって今日が初夜だっていう自覚はあるんだ。多分。
「わかった。ちょっと沸かしてくるね。」
「ラウ、お風呂沸いたよー。」
「はや!」
さっきお風呂入る話してから一分くらいしか経ってないよ?!え?なに、神業?本当に公爵子息?
「僕は私室にあるシャワー使うからラウは本浴場に行っておいで。出たら寝室に集合だ。場所は案内したから覚えてるよね。服忘れないでね。流石に僕は人の鞄を漁って服は届けられないからね。あ、でも他人じゃなくてもう妻だから別にだいじょ、いやなんでもない。」
あ、ついつい剣を抜いてしまった。全く……。
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