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第八話
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目の前には見たこともないようなシャンデリア。上を見上げると終わりの見えない階段。横を見ると広々とした廊下。ルーンの屋敷は私の家と本当に比べものにならないほど広かった。
「ごめんね。まだできたばっかりで使用人がいないんだけど明日にはくるから今日は我慢して。」
「ん?それって明日までルーンと二人ってこと?」
「うん、そういうこと。だから今日はラウの手料理が食べたいなぁ。」
手、料理?ナニソレオイシイノカナァ。
「無理無理無理無理。料理できない私!無理無理。貴族の下を満足させるような物作れない、無理!」
本当に無理!
「大丈夫だよ、だって僕ラウの料理食べたことあるもん。僕はラウらしくていいと思ったよ?普通だったら引かれるかも知れないけど女装癖がある公爵令息だよ?むしろ好感が持てたよ。騎士らしくて。」
「もしかして……ねぇルーン?騎士団の討伐来てないよね?」
私が料理?をしたのはその時の一回きりだ。しかも討伐した魔獣を解体して血まみれになりながら作ったスープ……。
「ん?行ったよ?あの血みたいに赤くなっちゃったスープ飲んだよ。」
誰か特定の記憶だけ消す魔法ちょうだい……。ルーンにかけるから。一番残って欲しくなかった。
「なんなら前騎士団員の人がそのスープのこと鮮血の悪魔スープって呼んでたの聞いたけど……。別に悪いことじゃないと思うけどなぁ。栄養的には血もそんなに悪くないし。」
「それはちょっとルーンがおかしい気がする。」
まぁでもあれをそんなに悪くないって言ってくれるくらいおかしいならまた料理してもいいかもね。
「というかルーン!荷物ちゃっかり取らないでくれない?」
気付かぬ間に鞄を二個とも取られていた。
「なんのこと?さ、ここがラウの私室ね。荷物はとりあえずここに。護身用に剣は寝室に持って行っても大丈夫だよ。」
「さすがルーン私のことわかってるね。」
「あ、大事なこと言ってなかった。勿論夫婦なんだから寝室はおんなじだからね。でもなにもしないことは保証するよ。ラウラが誘ってこない限りね。」
その言葉に身体が凍り付いたかのように動かなくなった気がした。声が、声が甘い!やめて耐性ないの!クスッとルーンの笑い声が聞こえる。
「さてラウラ、今度はキッチンを案内するよ。手料理楽しみだなぁ。」
「ごめんね。まだできたばっかりで使用人がいないんだけど明日にはくるから今日は我慢して。」
「ん?それって明日までルーンと二人ってこと?」
「うん、そういうこと。だから今日はラウの手料理が食べたいなぁ。」
手、料理?ナニソレオイシイノカナァ。
「無理無理無理無理。料理できない私!無理無理。貴族の下を満足させるような物作れない、無理!」
本当に無理!
「大丈夫だよ、だって僕ラウの料理食べたことあるもん。僕はラウらしくていいと思ったよ?普通だったら引かれるかも知れないけど女装癖がある公爵令息だよ?むしろ好感が持てたよ。騎士らしくて。」
「もしかして……ねぇルーン?騎士団の討伐来てないよね?」
私が料理?をしたのはその時の一回きりだ。しかも討伐した魔獣を解体して血まみれになりながら作ったスープ……。
「ん?行ったよ?あの血みたいに赤くなっちゃったスープ飲んだよ。」
誰か特定の記憶だけ消す魔法ちょうだい……。ルーンにかけるから。一番残って欲しくなかった。
「なんなら前騎士団員の人がそのスープのこと鮮血の悪魔スープって呼んでたの聞いたけど……。別に悪いことじゃないと思うけどなぁ。栄養的には血もそんなに悪くないし。」
「それはちょっとルーンがおかしい気がする。」
まぁでもあれをそんなに悪くないって言ってくれるくらいおかしいならまた料理してもいいかもね。
「というかルーン!荷物ちゃっかり取らないでくれない?」
気付かぬ間に鞄を二個とも取られていた。
「なんのこと?さ、ここがラウの私室ね。荷物はとりあえずここに。護身用に剣は寝室に持って行っても大丈夫だよ。」
「さすがルーン私のことわかってるね。」
「あ、大事なこと言ってなかった。勿論夫婦なんだから寝室はおんなじだからね。でもなにもしないことは保証するよ。ラウラが誘ってこない限りね。」
その言葉に身体が凍り付いたかのように動かなくなった気がした。声が、声が甘い!やめて耐性ないの!クスッとルーンの笑い声が聞こえる。
「さてラウラ、今度はキッチンを案内するよ。手料理楽しみだなぁ。」
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