女装令息と騎士令嬢

汐凪吟

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第七話

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「ルーン、お待たせ。母様達が大量に荷物持たせようとしてきて……。」
 なんとか鞄二つで納めることができた。頼むから残りはあとで送ってくれ。
「うーん、想像ができるね。荷物持つよ、貸して。あ、剣は自分で持ってた方がいいか。」
「ありがとう。でも荷物くらい自分で持てるよ。」
「いや、でも……。」
「大丈夫だって!これから転移陣で帰るんでしょ?それならできる限りルーンに負担かけない方がいいよ。転移魔法だって今日使ったんだから。」
 生活に使うような最低限の魔法の魔力の消費量が一に対して転移魔法の消費量は三百二十だ。魔力量は宮廷魔術師で五百程度で転移魔法は日に一回が限界だっていうのにそれを二回やった上で転移陣......。ルーンってこんなに魔力量化け物だったのか。
「流石に一人で転移陣の起動は無理だよ。だから、ラウから魔力をもらう。」
「え?」
『魔力吸収』
 魔力を半分くらい持っていかれる。この魔法って禁忌魔法じゃなかったっけ?魔力の譲度方法は二つある。一つは禁忌魔法。もう一つはもらう側が渡す側の体液を飲むだ。体液には魔力が含まれてるらしいからね。まだほんとかどうか分からないけど。ふと、辺りが淡い光に包まれる。ルーンが転移陣を起動したのだろう。一瞬で景色が切り替わって目の前には新しそうな屋敷が聳え立っていた。
「ようこそ、僕の屋敷へ。ラウラ。」
 
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