女装令息と騎士令嬢

第四話

私は採寸が終わってぐったりとする。なんで採寸ってこんな大変なの？
「お疲れ様、ラウの服は僕が決めておいたからあとは普段使い用のドレスの色と形選んで。」
「あれ？リーンのドレスは？」
「僕はもう選んだよ。君に選ばせようと思ったけど反応が見たかったからやめた。」
「わかった。普段使いのドレスかぁ。着やすいやつならなんでもいいかな。コルセットがないタイプだとすごい助かるんだけど……。」
「コルセット大変だよねー。じゃあこんな感じのドレスがいいんじゃないかな？」
　ルーンが指差した先には動きやすそうなドレスが載っていた。万が一があってもこれなら動けるね。
「じゃあこれで。あとはもう全部ルーンに任せます。」
「わかりました。それではリー様選んでください。」
「わかったよ。」
「そして奥様はまた別室へ。リー様からのプレゼントがございます。」
「えっ？」
　これ以上何にお金をかける気？
「いってらっしゃい。」
　無情にもドアが後ろで閉められる。何されるの？私。
「さぁ、奥様。リー様がこれからデートに行きたいとのことだったので服を見繕ってきました。失礼します。」
　丁寧に、なおかつ素早く服が脱がされ着せられていく。プロの技だ......。ちょっと大変だけど感動。メイクまで……。私汗臭くないかな？一応浄化はしたんだけど、シャワーを浴びる時間がなかったからなぁ。
「できました。鏡をご覧ください。」
そこには別人か写っていた。
「こ、これが私？！」
「そうでございます。では、戻りましょうリー様が待っています。」
「はい。」
　ルーンがいるところに戻ってくる。
「いつものラウも可愛かったけど今は言葉に表せないくらい綺麗だ。さて、もう決めることは全部終わったから帰ろう。ここからならデートもできるしね。支払いはいつも通りで。」
「はい、ありがとうございました。またのご来店お待ちしております。」
「行こう、ラウラ。それに今日は買うものがいっぱいあるしね。」
　ルーンが期待に胸を躍らせてる気がする。なんかちょっと怖い。
「あっ、今からは僕のことルリって呼んで。ルーンは有名すぎるから。」
「わかった、…ルリ。」
　私はこれから地獄の買い物（デート）が始まるとはこの時想像もつかなかった。