2 / 15
第二話
しおりを挟むやっぱりお菓子と鍛錬は落ち着くなぁ。お菓子は美味しいから幸福感があるし、鍛錬はいろんなこと忘れられるし、気分がおかしい時はやるしかない!騎士だけどみんな遠征中でいないから私暇だし。でもカイル副団長が珍しく遠征参加してなかったなぁ。家に行ったらいるかな?模擬戦やってみたいんだよね。今日はルーンが来るから行けないけど明日行ってみようかな。
「ラウラさまー!そろそろ時間ですよ、ルーンさまが来る前に汗を流しましょう。」
いつのまにかリアが少し離れたところにいる。
「えー、あと十分だけ......。」
「なりません!」
強制的に剣を奪われて連行される。リアには勝てる気がしない。
「あー、お取り込み中?ちょっと来るのが早過ぎたかな?」
その声の主は私の後ろにいた。声は間違いなくルーンだ。でも姿が違う。ドレス姿じゃない。きれいな、男性だ。
「ル、ルーン?」
「うん、そうだよ。これでわかった?僕は男だって。」
ん?ちょっと待って、今汗だく......。
「ルーン、それ以上こっちこないで、私汗だくだから!」
「ラウラさま、タオルだけ置いておくので邪魔ものの私は退散いたします。」
に、逃げる様は脱兎のごとく......。売られた。
「ラウ、拭いてあげるよ。風邪ひかないようにね?」
「自分で拭くからいいよ。それにしても本当に男だったんだ。よく、ドレスであんな女になれたね。いかにも深窓の令嬢って感じだったのに。魔法?でもそんな魔法ないしなぁ。」
「っ、はは!女になる魔法なんかあるわけないじゃん!それがあったら今頃この国は性犯罪だらけになってるよ。」
そんなに笑う要素あったかなぁ?タオルで汗を拭いながらルーンをじっと見る。こんなきれいな人がドレスを着ると絶世の美女になるのだから不思議だ。
「そんなにじっとみないでよ、恥ずかしいなぁ。でもこれで僕が男だってわかった?まだわかってないから服でもぬ」
「わかったから、公爵子息がそんなことしないで?!」
「じゃあ結婚の話受けてくれる?といってもラウに選択肢ないようなものになっちゃったけど。」
私の前に一枚の紙が差し出される。
「何これ?」
「私の父と総帥のサインが入った婚姻届だけど?もう話は通してある。総帥はこんな娘でいいんですかとかいってたけど私は君がいいんだよね。ねぇ、サイン、してくれる?」
もう用意されてる......。まさかあの短時間でここまで用意したとか?それとも事前にしてたとか?いや、どっちでも色々怖いな。ここまでやられちゃったらしがない侯爵令嬢には断る選択肢がありません。
「サイン、します。」
「あ、魔法文字で書いてね?」
「え?」
思わず声が漏れた。この人、絶対離婚させない気じゃん。婚姻届で魔法文字とか今どきやらないよ?サインはするけども!だって好みのタイプなんだもん!そして、断言しよう。この人、おかしい。
「じゃあ国王に提出してくるね。公務の書類に混ぜておけば受理してくれるだろうし。すぐ戻ってくるね!」
また転移で消えてしまった。行き先は王城なんだろうなぁ。陛下の執務室に転移してないよね?
その頃ルーンは国王に婚姻届を突きつけていたそうだ......。
2
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫
梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。
それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。
飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!?
※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。
★他サイトからの転載てす★
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうやら貴方の隣は私の場所でなくなってしまったようなので、夜逃げします
皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。
完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる