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第一話
しおりを挟む「どうか私と婚約してくれませんか?」
私、ラウラ・マーティンは困惑していた。友人(女)だと思っていた人から求婚されているのだから。
「ルーン?何いってるの?あなた女の子でしょ?女の子同士で結婚できないの知ってるでしょ?」
「あれ?言ってなかったっけ?じゃあ改めて私はリー公爵家次期当主のルーン・リー。女装癖はいつもだから気にしないで。でもすでに王宮の一部で噂にもなってるくらいだからみんな知ってるものだと思って失念してたよ、ごめんね。」
「ル、ルーン・リー?!ダメダメ、私の家じゃ釣り合わないよ!私の家がなんて言われてるか知ってるでしょ?」
私の家は騎士団長を輩出してるといえば聞こえはいいけど貴族としての才能が無さすぎて脳筋といわれる侯爵家なんだよ?公爵家の次期当主なんかこんなの選ばなくったってよりどりみどりなのに......。
「別に私は気にしないよ。なんなら次期当主の座を弟に譲ってそっちに婿入りして領地経営でもしようか?別に長男が継ぐ決まりはないんだし。」
「……普通は次期当主の座を手放さないと思うんだけどなぁ。」
うん、この人おかしいよ。色々と、友達同士のお茶会でこんなこと言うのもおかしいしきっと体調が悪いんだ。回復魔法と一応浄化魔法かけておこう。
『回復』
『浄化』
「これでよしっと。もうこれで結婚とかいわないはず。」
「何?私が誰かに操られてると思ったの?ぜーんぶ本音だよ。」
うーん、これでもダメなのか......。じゃあもうわかんない。剣で叩いたら治るのかなぁ。どこぞの国ではテレビなるものを叩いて治すってあったくらいだし。テレビがなんだかわかんないけど。
「うーん。ルーン、一回私にボコボコにされてくれない?そしたらこの異常状態が治るかも。」
「私はまだ死にたくないからやだ。ラウを犯罪者にしたくないし。」
「じゃあどうやってルーンを治せばいいのさ!」
「ラウ?私はまず正常だからね?治すも何も......。あ、ラウが結婚してくれるって言うんなら治るかも。ラウだって知らない人と結婚するよりはいいでしょ?」
「まずルーンが男だって言うことが信じられないよ。」
「そんなにか。じゃあ私がドレス姿じゃなくてちゃんとした格好をしてくるよ。それでいい?15時くらいにまた戻ってくるよ。」
そういってルーンは転移して消えていった。
「……人騒がせだな。」
これからを考えると頭が痛くなりそう。私はお友達を求めてただけなのに。剣で生きていても馬鹿にしてこない人を探してただけなのに。まぁ、ルーンが本当にあのルーンならこれ以上ない好物件だよ?でもそんな人がこんな脳筋で貧乏な侯爵令嬢に求婚すること自体がよくわからない。公爵夫人務まらないよ?そう思いつつ私は現実から逃げるのであった。
「誰かお菓子持ってきて~!」
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