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第十三話

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「落ち着いた?」
「うん。ごめんね迷惑かけちゃって。」
 自分自身でもまさか魔力暴走するなんて思っていなかった。カイルがいなかったら今頃……。
「僕が迷惑だなんて思うわけないじゃん。好きな人に頼られるのが嫌いな奴がいたら僕が殺してるよ。リンなんか全然僕たちを頼ってくれないんだから。家から逃げ出した時と言い、魔力暴走といい僕たちってそんなに頼りないかなぁ?仮にも騎士団長とその副団長なんだけどなぁ。」
「むしろ頼りになるからこそ自立するために頼っちゃダメだと思ってたくらいだから。」
 ずっと二人に頼りっぱなしじゃいけないと思ってたから。わたし、いつか二人が離れていくのが怖かったんだ。
「昔はそう思ってたけど今は自立するためじゃなくて二人と生きていくために支えられるようにって思ってるんだ。二人とも重要な役職に就いてるからこそ自分にできることをしてサポートしたいんだ。だから家事は全部任せて!」
「…も……いなぁ」
「?なんて言ったの?」
「リンは気にしなくていいことだよ。」
 その言葉がわたしの中で引っ掛かる。カイルがかなしそうに笑ったから。
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