出て行こうとしたら幼馴染の騎士様たちに囚われました

番外編ハロウィン4

この狐さんと犬ちゃんやけに大人しいなぁ。逃げないし。クッキー生地とシフォンケーキを作りながらリンは思った。
「さぁ！早く作ってあの子達お風呂に入れなきゃ。じゃないと二人が帰ってきた時にナニを言われるか……。」


しばらく経ってオーブンからチンという音が鳴った。
「うん大丈夫そうだね。よしじゃあ冷ましてる間にお風呂入れちゃおう！」

　そうして私は二匹をお風呂場に連れていった。
とりあえず私も服脱ごうかなぁ。濡れちゃったら嫌だし。このままお風呂はいっちゃおう。
「狐さん犬ちゃんおいでー。よし、まず狐さんから洗おう。魔法で水出して状態保存して…………」

　数分後
「よし綺麗になった！じゃあ次は犬ちゃん。狐さんはお湯にでも浮かべておこう。でもなんかこの犬、犬っぽくない気がするんだよなぁ。」
　不思議におもいながらなんとか洗い終える。
「…………もう我慢ならない。俺は犬じゃなくて熊獣人だ！」
　突然ハルの声がして視界がハルで埋め尽くされる。
「根性なしだなぁ、ハルは」
　カイルの声もする。どういうこと？？
　「んぅ、っは二人ともどういうこと？！」
　きっと私の顔は赤くなってるだろう。恥ずかしくてたまらない。なんで、獣人が完全に獣化できるのさ！！
「先祖返りっていうやつ。まれに獣の方が強い獣人が生まれるんだってさ。あ、これ機密事項だから。」
「え？」
「それにしても可愛かったなぁ。キッチンで発情し切った顔。その顔見ただけでイくかと思ったもん。」
「ど、どこから見てたの？！二人とも！」
「最初からだな」
　全部見られてたってこと？キッチンでイッた記憶がフラッシュバックする。恥ずかしい、今すぐこの場からいなくなりたい……。
「ハル、お湯ぬるめにした方がいいかも。リンがこのままだとすぐのぼせるから」
「もうやってる」
「ほらリン、細かいことは後にしてお湯はいろ？三人で」
「えっ？」
　カイルに横抱きにされる。その間にハルがお湯をぬるめにしていたみたいで入るとちょうどよかった。でもこの展開は……。そして何よりずっと当たってるモノがある……。結局えっちからは逃れられないみたいだ。お菓子大丈夫かな？