彩のミステリーデビュー

愛媛海

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高校生編

あの日のやり直し

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「暑いな」
今日は彩と風太は中鉄スイートパークに来ていて、暮千リゾートラインに乗っている。暮千リゾートラインは、暮千ーホテルー観覧車ー暮千の単線の環状線で、中鉄スイートパークの周りを走っている。
次は観覧車、観覧車です。
この観覧車駅は観覧車と駅が合体している。
「近くで見るとこんなに大きいんだね」
「そうだね」
駅に着くと観覧車の前に人だかりが出来ていた。
「本日の観覧車の運転は中止しています。危ないので近寄らないでください。」
「まじかよ」
見ると、観覧車に人がくくりつけられていた。「なんだ、事故が起きたのか?」
「どうしよう。」
「さっきまで人が巻き込まれる気配はなかったのに……」
「正面からじゃ見えないもんね。」
「駅から見えるときが少しあるくらい。」
係員「どうしましょう。制御できません。誰かが勝手にコントロールして超高速回転しているみたいです。このままじゃ壊れてしまいそうです。」
係員「とりあえず警察呼ぶか。あせるなあせるな」
観覧車にくくりつけられている人の友達
「びっくりしました。」
ニット服で、ゲーム機と財布と水筒とカチューシャと新品のガムテープを持っていた。
観覧車にくくりつけられている人の恋人
「どうにかならないんですか。助けてあげてくださいよ。」
ワンピースで、タブレットと財布と水筒とカチューシャと15cmしかないが赤い糸を持っていた。
観覧車にくくりつけられている人の友達
「トイレ行ってていいですか」
観覧車にくくりつけられている人の恋人
「すみません、自分も」
係員「警察呼びました。警察待ちです」
無線機と水筒とカッターを持っていた。
もう一人の係員「カメラで確認もしている。とりあえずどうにかしないと」
無線機と水筒と修理用具を持っていた。
「もしかしたら、観覧車ごと消そうとしてるんだと思います」
「こんなんじゃ遊園地ごと吹き飛ぶよ」
長い糸のようなものが人に巻き付けられていた。
「回収するつもりか」
糸をたどっていった。
「いた」
「ちょっとどこ見て歩いてんのよ」
「すみません」


あれ、みちかから電話だ、なんだろう
「もしもし」
「もしもし、聞いて!!井原君と付き合うことになったの」
「井原って大丈夫だったのか」
「大丈夫だったみたい、2学期から来るって、一つ下の学年だけど」
「まあそうなるか、とりあえず、おめでとう」
「ありがとう、そっちもお幸せに」
「うん」

「ちょっと、誰と電話してんの? 」

「ごめん、また後で」
「分かった」

「みちかと話してた。井原学校来れるって」
「へえ」
「あと、付き合ったんだって」
「そうだったんだ。私も言われたいな」
「何て言った? 」
「何にも言ってない。おめでとうって言っただけ」
「そうか」
「で? 俺ら他のところ遊びに行っていい? まだ行きたいところたくさんあるんだよね」
「自転車乗りたい」
「犯人はニットのお前だ」
「は? なんで? 」
「観覧車に紐をつけてれば勝手に回るからな」
「そんなもん持ってねえよ」
「ニット服だよ」
「あいつと付き合ったんが悪いんだ」
「皆さん、申し訳ございません。本日、観覧車は修理を行うため運転をいたしません。お客様には大変ご迷惑をお掛けいたします。申し訳ございません。」
「ま、だめだろうな」
「私も自転車乗りたいな」


一日中自転車に乗った。風が気持ちよかった。
「久しぶりに乗った」
「私も」
「あっというまに夜だね」
「そうだね、あ、そろそろパレードが始まる時間だ」
「あのさ」
「何? 」
「もう一度やり直そう」
「喜んで」
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