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1章、ブラームス王国
平和な日
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「お兄ちゃーん、朝だよ!」
「なんでやねーん!zzz」
「いや、ボケて無いから、本当に朝だよ」
「君とはもうやってられんわ!zzz」
「私はもう要らないの?グスン」
「イヤイヤ、ウソだから!冗談だよリリス」
「べー、私も嘘泣きですー」
「このー」「きゃー」
アハハ、アハハ、アハハのハ
「はぁ、何やってる?」
「いつもの恒例行事だよ、メリルちゃん」
「ここに来るまでこんなんじゃ無かったのに」
「あ、おはよう、アリス、メリル」
「「おはようございます、アル様」」
「珍しいね、メリルが僕の部屋に来るなんて」
「いえ、前を通り掛かっただけですので、私はこれよりリリ様の元へ」
そう言いさっさとメリルは行ってしまった。
どうもメリルは僕との距離感を計りかねている様だ。
公爵家の三男にして平民、姉の兄にして自分より年下。
うん、改めて考えたら、なんじゃあこりゃーである。
まぁその内距離感も定まるだろう、出来る事なら縮まる事を願おう。
何時もの様に家族揃っての朝食。
食後のお茶を嗜みの団欒タイム。
「父上、聖ルミナ教皇国は何をしに来たのでしょうか」
「うむ、形式としては互いの国の友好関係の確認などと言っておるが、あの国も色々と内部ではあるからな、国として来たと言うよりは今回来た枢機卿個人の地盤を固める為の後ろ楯作りでは無いかと私や陛下は考えている」
おー、ぶっちゃけてくれますねぇ父上!
しかしそれはまた面倒臭そうだ、父上からも呆れの空気が漂っている。
「他国の偉い方が来られてるなら忙しいのではないのですかアナタ」
母上も気遣ってますよ、仲が良い事で。
「まぁ色々と手配をしたりはあるが基本今回はグラムス公爵が対応をしてくれてるので比較的楽はしている」
「まあそれは良かったですわ」
国賓等が来た場合は城に泊まり込む事も珍しく無い、今回はあくまでも個人的な訪問なので国としてはそこまでの接待はしないらしい。
「すまないが彼等の話しはこれまでにしてくれ、朝から気分が悪くなるのでな」
「申し訳御座いません、軽率でした」
「いや、構わん」
うわー、あのポヨヨンは何をしたのだろう。
あれかな、上から目線の我が儘放題とか、定番だからね、あの見た目で宗教の偉いさんともなればラノベではだけど。
「そういえば今日、枢機卿が中央広場で何か演説をするらしい、私は行かんが興味があるなら行ってみればどうだ」
「私も色々と忙しいですし、その手の話しはちょっと」
「私も学校がありますので、それに学校の後はサイス伯爵に招待を受けておりますので」
「ベリウス兄上はリア充ですね、爆発しますよ」
「り、リア充?それに何故爆発するのだ?」
「モテない男の願望です」
「意味が解らん」
「僕も学校ですけど、時間が有れば行ってみます。興味本位ですが」
「リリは?リリは行きます?」
「リリは行かないかな、人が一杯集まるから危ないからね」
「分かりました。お留守番です」
「うん、リリは賢いね、可愛いし」
「はい、アル兄様(ニッコリ)」
ドッキューーーン!
ヤバイ、撃ち抜かれた、心を!
「アルはどうするの?」
「母上、そうですね、目ぼしい依頼が無ければ行って見るのも悪くないとは思っています」
僕の家族ってこんなに信仰心低かったっけ?
「あの、変な事をお聞きしますが、父上母上や兄上達ってこんなに信仰心が低かったでしょうか?」
聞いちゃった!聞くは一秒の恥、聞かぬは一生の恥って言うしね。
「いや、信仰心が低い訳では無いのだがな・・・」
何?何か言いにくそうだ。
「アル、父上も我らもお前の加護の事があって少し疑問に思う所があってな」
何と僕が原因でした。
「何だかすみません」
「お前が謝る事では無い、我らが勝手に思って居ることだ」
「ベリウス兄上」
「別に信仰心を無くした訳では無いぞ、我ら自身加護を受けているのだからな」
「はい、父上」
「(パン!)はい、朝から暗い話しはここまでよ、朝は爽やかな話をしないと」
「「「はい母上(お母様)」」」
「うむ、そうだな」
その後は何気無い会話やベリウス兄上とアンジェリーナさんとの進展状況の確認をした。
何気無い何時もの風景、心が安らぐ暖かい時間だ。
それから出勤する父上を見送り、学校へ行く兄上達を見送ると僕はリリと一緒にリリの部屋に行く。最近のお決まりのルーティーンだ。
「リリ、今日は何をするんだい?」
「リリ、今日は絵を描きます」
「そっかー、何の絵を描くのかな?」
「家族です。お父様もお母様もベリウス兄様もユリウス兄様もアル兄様もリリも皆、皆笑ってる絵を描きます」
「へぇーそれは大作だね、楽しみだ」
「はい、楽しみにして下さい」
それからも一杯話した。
リリは少し絵を描くのに邪魔そうにしていたが、それもまた可愛い!脳内メモリーにまた蓄えが増えた。
「さぁ、そろそろ僕も出掛けようかな」
「アル兄様、今日もお仕事頑張って下さい」
ああ、僕のパワーゲージがフルMAXを突き抜ける。
「うん、頑張ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃいです」
「行ってきます」
立ち上がり扉へ向かう。
「じゃあリリの事頼むよメリル」
「はい、畏まりました」
一度振り返りリリに手を振ると嫌がる身体を引き摺り部屋を出る。
「お兄ちゃん、行ってらっしゃい」
玄関まで来るとリリスが追い掛けて来た。
「行って来るよリリス」
「怪我しないでね」
「勿論さ、これでも僕はAランク何だからね」
「強いのは分かったけど油断しちゃダメだよ」
「・・・」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「ん?いや、何でもないよ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
さっき一瞬、日本で最後に梨々香と別れた時の事を思い出した。
駄目だ縁起でも無い!
さぁ、気を取り直して今日も頑張りますか!
「なんでやねーん!zzz」
「いや、ボケて無いから、本当に朝だよ」
「君とはもうやってられんわ!zzz」
「私はもう要らないの?グスン」
「イヤイヤ、ウソだから!冗談だよリリス」
「べー、私も嘘泣きですー」
「このー」「きゃー」
アハハ、アハハ、アハハのハ
「はぁ、何やってる?」
「いつもの恒例行事だよ、メリルちゃん」
「ここに来るまでこんなんじゃ無かったのに」
「あ、おはよう、アリス、メリル」
「「おはようございます、アル様」」
「珍しいね、メリルが僕の部屋に来るなんて」
「いえ、前を通り掛かっただけですので、私はこれよりリリ様の元へ」
そう言いさっさとメリルは行ってしまった。
どうもメリルは僕との距離感を計りかねている様だ。
公爵家の三男にして平民、姉の兄にして自分より年下。
うん、改めて考えたら、なんじゃあこりゃーである。
まぁその内距離感も定まるだろう、出来る事なら縮まる事を願おう。
何時もの様に家族揃っての朝食。
食後のお茶を嗜みの団欒タイム。
「父上、聖ルミナ教皇国は何をしに来たのでしょうか」
「うむ、形式としては互いの国の友好関係の確認などと言っておるが、あの国も色々と内部ではあるからな、国として来たと言うよりは今回来た枢機卿個人の地盤を固める為の後ろ楯作りでは無いかと私や陛下は考えている」
おー、ぶっちゃけてくれますねぇ父上!
しかしそれはまた面倒臭そうだ、父上からも呆れの空気が漂っている。
「他国の偉い方が来られてるなら忙しいのではないのですかアナタ」
母上も気遣ってますよ、仲が良い事で。
「まぁ色々と手配をしたりはあるが基本今回はグラムス公爵が対応をしてくれてるので比較的楽はしている」
「まあそれは良かったですわ」
国賓等が来た場合は城に泊まり込む事も珍しく無い、今回はあくまでも個人的な訪問なので国としてはそこまでの接待はしないらしい。
「すまないが彼等の話しはこれまでにしてくれ、朝から気分が悪くなるのでな」
「申し訳御座いません、軽率でした」
「いや、構わん」
うわー、あのポヨヨンは何をしたのだろう。
あれかな、上から目線の我が儘放題とか、定番だからね、あの見た目で宗教の偉いさんともなればラノベではだけど。
「そういえば今日、枢機卿が中央広場で何か演説をするらしい、私は行かんが興味があるなら行ってみればどうだ」
「私も色々と忙しいですし、その手の話しはちょっと」
「私も学校がありますので、それに学校の後はサイス伯爵に招待を受けておりますので」
「ベリウス兄上はリア充ですね、爆発しますよ」
「り、リア充?それに何故爆発するのだ?」
「モテない男の願望です」
「意味が解らん」
「僕も学校ですけど、時間が有れば行ってみます。興味本位ですが」
「リリは?リリは行きます?」
「リリは行かないかな、人が一杯集まるから危ないからね」
「分かりました。お留守番です」
「うん、リリは賢いね、可愛いし」
「はい、アル兄様(ニッコリ)」
ドッキューーーン!
ヤバイ、撃ち抜かれた、心を!
「アルはどうするの?」
「母上、そうですね、目ぼしい依頼が無ければ行って見るのも悪くないとは思っています」
僕の家族ってこんなに信仰心低かったっけ?
「あの、変な事をお聞きしますが、父上母上や兄上達ってこんなに信仰心が低かったでしょうか?」
聞いちゃった!聞くは一秒の恥、聞かぬは一生の恥って言うしね。
「いや、信仰心が低い訳では無いのだがな・・・」
何?何か言いにくそうだ。
「アル、父上も我らもお前の加護の事があって少し疑問に思う所があってな」
何と僕が原因でした。
「何だかすみません」
「お前が謝る事では無い、我らが勝手に思って居ることだ」
「ベリウス兄上」
「別に信仰心を無くした訳では無いぞ、我ら自身加護を受けているのだからな」
「はい、父上」
「(パン!)はい、朝から暗い話しはここまでよ、朝は爽やかな話をしないと」
「「「はい母上(お母様)」」」
「うむ、そうだな」
その後は何気無い会話やベリウス兄上とアンジェリーナさんとの進展状況の確認をした。
何気無い何時もの風景、心が安らぐ暖かい時間だ。
それから出勤する父上を見送り、学校へ行く兄上達を見送ると僕はリリと一緒にリリの部屋に行く。最近のお決まりのルーティーンだ。
「リリ、今日は何をするんだい?」
「リリ、今日は絵を描きます」
「そっかー、何の絵を描くのかな?」
「家族です。お父様もお母様もベリウス兄様もユリウス兄様もアル兄様もリリも皆、皆笑ってる絵を描きます」
「へぇーそれは大作だね、楽しみだ」
「はい、楽しみにして下さい」
それからも一杯話した。
リリは少し絵を描くのに邪魔そうにしていたが、それもまた可愛い!脳内メモリーにまた蓄えが増えた。
「さぁ、そろそろ僕も出掛けようかな」
「アル兄様、今日もお仕事頑張って下さい」
ああ、僕のパワーゲージがフルMAXを突き抜ける。
「うん、頑張ってくるよ」
「はい、行ってらっしゃいです」
「行ってきます」
立ち上がり扉へ向かう。
「じゃあリリの事頼むよメリル」
「はい、畏まりました」
一度振り返りリリに手を振ると嫌がる身体を引き摺り部屋を出る。
「お兄ちゃん、行ってらっしゃい」
玄関まで来るとリリスが追い掛けて来た。
「行って来るよリリス」
「怪我しないでね」
「勿論さ、これでも僕はAランク何だからね」
「強いのは分かったけど油断しちゃダメだよ」
「・・・」
「どうしたのお兄ちゃん?」
「ん?いや、何でもないよ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
さっき一瞬、日本で最後に梨々香と別れた時の事を思い出した。
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さぁ、気を取り直して今日も頑張りますか!
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