神様の転生物語

kenzo

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1章、ブラームス王国

Eランク昇格

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さぁお話も終わった事だし、いよいよ試験だ、試験!
久しぶりの闘技場です。
うん、相変わらずだ、良かった。
お供は変わらずゼファードさん、グランさん、エマさんのお三方だ。
世話を掛けるねー!
「で、試験官はどうすんだ?」
「グラン君、アナタがしますか?」
ん?何の話しかな?
「俺かよ!たかがEランク昇格試験に」
「せっかくなので彼の実力を見ておくのも良いでしょう」
「まぁそうだな、それも良いか」
「あの、ギルマス?」
「どうしましたか?エマさん」
「そもそも、その、加護無しの彼に戦闘能力があるのでしょうか?」
「エマ、お前昨日何を見ていた」
「え、昨日?ですか?」
「はぁ、やっはりな。他の冒険者の奴等もそうだが加護無しって先入観に捕らわれて目の前で起こった異常な事態を無かった事にしてやがる」
「仕方ありません、人と言うのは信じたく無いものは信じない、そういう物ですから」
「まぁ、エマはそこで見ていろ」
「は、はぁ、分かりました」
エマさん、納得行かないって顔に書いてますよ。
「では、アル君、壁際に置いている武器の中から好きな物を取って下さい」
さて、どれにしようかな?この小さい身体だとやっぱり、短剣の2本持ちか身長よりも大きな剣を持つのがロマンだよね!
日本刀は大人になってからかな。
よし、短剣で行こう!
「ほう、分かってるじゃねえか坊主、ガキってのは格好に惑わされて身の程に合わないデカイ剣を、持ちたがる」
「ではアル君、まずは身体強化無しの素のままで攻撃して下さい」
「はい!」
よし、行くぜーーーー!
タッタッタッタッ、シュッ、キーン!
「ぬ!流石は副マス、やりますな(ニヤリ)」
剣を剣で受け止められた。
「・・・遅、そんで軽!・・・まぁコレが普通の5才児ってとこか」
ふ、言うではないか!
「それではアル君、そのまま身体強化して下さい」
「はい」
『身体強化』
ギン!ズン!!
「ぐわー!」
うーん、クレーター出来ちゃった。
エマさんがポカンとしてる。
グランさんが膝を着いてる。
・・・・・・・・・
「遣り過ぎちゃった!(テヘ)」
「遣らせ過ぎちゃった(ペロ)」

「力は分かりましたね、次は動きです。
今度は初めから身体強化して下さい」
「お、おい坊主、加減って物を考えろよ」
「はい、任せて下さい」
これは押すな、押すなパターンだ(ピカッ)
「では、アル君、思いっきり行きなさい」
「はい!!」
シャッ!!
「お、おい・・・、加減しろって言ったばかりだよな、なんだこれ!なんで気付いたら俺の首に剣が突き付けられてんだ!速すぎだ、見えねーよ」
「遣り過ぎ?(コテン)」
「遣らせ過ぎ?(コテン)」

「最後は魔法ですね」
「待て待て待て!俺はもう相手しないからな!的に向かって打て、的にな!」
「チッ!」
「テメー、今舌打ちしやがったな!さては試験に託つけて俺で遊びやがったな!」
・・・・・・

「さぁアル君、適当に的に魔法を当てて終わりましょう」
「はい!」
「あ、おい、コラ、テメー!」
「行きます」
『火』ヒュンッボッ!
『水』シュッ、パシャ!
『雷』ドーン!
「あー、もういいですよアル君」
「はい、分かりました」
「アル、これも手加減してんだよな?」
「はい、スゴいしてます」
「もし、手加減しなかったらどうなる?」
「止めなさい!」
「え、ギルマス?」
「それは止めなさい、君はまた記憶を失いたいのですか」
「また?おい、それはどういう意味だ?!」
「さぁ試験は終わりです。アル君の昇格に異存はありますか?」
「いや、ねーよ、合格だ。
いやいや、それより今のは・・・」
「ではエマさん、処理をして下さい」
あや、エマさん?
「ほう、立ったまま寝るとは器用なことです」
「いや、これは気絶だろう」
流石プロ、決して姿勢を崩さない、アナタに感動しました。お休みなさいエマさん


「はい、アル君これがEランクのカード」
見た目は変わらない、FがEに変わっただけかな。
今は受付でランクの更新手続きをしてる。ゼファードさんとグランさんは各々自分の仕事に戻っている。
「これで、アル君は今日からEランクです。おめでとうございます。」
「有り難うございます、エマさん」
「早速依頼を受けますか?」
「そうですね、早速受けてみます」
「そう言えばアル君は武器と防具は有るのですか?」
「フフフ、良くぞ聞いてくれました。
実はこの日の為に父が揃えてくれてたのです」
僕は自慢の装備一式を肩掛けのカバンからカウンターに出した。
飾り気の無い如何にも実用的な片腕位の長さの剣が2本、黒皮の上下揃いの上着とパンツ。
はっきり言ってかなりカッコいい、イメージはダークな双剣の剣士だ。
そして一番のお宝はこれ!リリが僕の為に選んでくれたネックレス!魔法防御の効果が付与されているらしい。
このネックレスだけは何を犠牲にしてでも守らなければ!!
「どうです、カッコいいでしょ」
「え、ええ、そうですね(ミスリルの剣に黒ミノタウルスの皮ってこの子、これらの価値が分かってるのかしら、たぶん・・・)」
おお、エマさんの視線が釘付けだ、流石父上!グッジョブっす!
「所でアル君?そのカバンの大きさと出て来て物の量が合わないんだけど、それってマジックバッグかしら? 」
「これですか?見ますか?」
「あれ?普通のカバン?」
「はい、これはカモフラージュです。カバンの中で無限収納魔法を展開してます。僕もバカじゃ無いんでキチンと考えているのです」
キラーン、出来る男だぜ!
「いや、その考えは良いのですが、それを普通に言っては意味が無いかと」
「はっ!誘導尋問!思わずポロッと話してしまった。流石プロ受付!これが噂のハニートラップなのか?!」


そんなこんながありまして今僕は依頼の掲示板前に居ます。
えーと、Eランクが受けれるのはっと、
「常時依頼以外は・・・」

常時依頼は受注の必要が無い。
採取依頼は薬草等の様に常に必要とされているもの、討伐依頼は害獣指定を受けた魔獣が対象となる。
ちなみに常時依頼の採取、討伐対象は受付で一覧の冊子が購入出来る。
銀貨3枚と割高だが必要経費だと父からお金を貰いましたとも。

「・・・無い!出遅れたか!」
「おい、ガキ!」
くそー、ゼファードさんに呼ばれたりしてたからかー!
「おまえ、加護無しなんだってな」
でも、昇格試験は必要だったし、
「なんだ、ビビって動けねーか?ケケケ」
まぁ、常時依頼はあるし
「俺達が神様の代わりに加護してやろーか」
うん、仕方無い、取り敢えず行こう!まずは行動あるのみさ!
「ただし、タダとは行かねーぜ。代償は全財産だ!ギャハハハハ」
「うわー、ヒデー奴、悪党だぜ」
レッツゴー!!「おーーー!!」
「テメーも同類だろうが、悪党め」
「ちげーねーや!ヒヒヒヒ」
「て言うことだガキ、さっさと・・・へ?」
「あれ・・・?」
「おい、あのガキは?」
「いや、さ、さぁ?」
「「どこ行きやがった?」」


ーーー受付エマーーーー!
て、転移魔法?あんなことまで出来るなんて!
これは帰って来たら説教をしたければ!
この年で子供の教育をする事になるなんて・・・

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