37 / 115
37(※閲覧注意)
しおりを挟む
流産を連想させる表現がございます。
ご注意ください。
*******************
「──え、?」
治癒魔法使いの気まずそうな表情。
そして、自分のお腹辺りに定められた視線。
それらを受けて、クリスタは無意識に自分のお腹に手を当ててしまう。
そんな筈が、無い。
だって月の物は通常通りに──、とクリスタは頭の中で考え、そしてハタリ、と目を瞬いた。
(そう言えば……ここ最近……ひと月以上はバタバタしていたわ……。忙しく過ごしていたから気付かなかった……。でも、でも……治癒魔法使いもそうでない可能性がある、と言っていた……)
目に見えてクリスタが動揺しているのを見た治癒魔法使いは慌てて言葉を続ける。
「その……、私は医学の知識がございません……! しかも、微かに魔力の揺れがあった、と言うだけですので本当に、本当にそうなのかどうかは分からないのです……! ですので、一度陛下にお話をして、医学魔法使いを──……!」
言い募る治癒魔法使いに、クリスタは力無くゆるゆると首を横に振る。
「──いえ、いいわ大丈夫。そうと決まった訳でも無いし……。それに陛下と婚姻して数年……それまで全くだったのよ……? 望んでも、子を授かる事は無かったのだから確定してもいない事を陛下の耳に入れる事は無いわ。これは私と、貴方との間の話にしましょう」
話は以上かしら? と静かに告げるクリスタに、治癒魔法使いはこくりと頷く。
クリスタの表情は、普段の「王妃」としての冷静な表情に戻っていて。
治癒魔法使いは切り替えの早いクリスタの態度にどこかもやりとした言いきれない感情を抱いた。
再び部屋に戻したギルフィードやキシュート、クリスタの侍女数人とクリスタは穏やかな会話を楽しんだ。
夕方を過ぎ、夜になってもギルフィード達が帰宅する様子が見えず、クリスタは不思議そうに彼らに問い掛ける。
「もう、夜だけれど……。ギルフィード王子やアスタロス公爵は、その……」
言い難そうに言葉を選ぶクリスタに、クリスタの手に触れ、治癒魔法を掛けていたギルフィードは柔らかな笑みを浮かべる。
「陛下に許可を頂き、王妃の近くに部屋を用意して頂きました。私は治癒魔法が使えるので、王妃殿下のその……、背中から肩に掛けての傷跡も、薄めて行く事が出来ます……」
「──そうだったのですね。クロデアシアの国賓ですのに、ギルフィード王子には本当に色々と良くして頂いて……申し訳ございません。ギルフィード王子には改めて我が国から正式にお礼をさせて頂きます」
「とんでもない……! 私はクロデアシアの人間としてではなく、ただのギルフィードとして王妃殿下をお手伝いしているだけです! その……昔から親交のある……友人、ではないですか」
友人、と口にした瞬間ギルフィードはどこか泣きそうに、悲しそうに眉を下げて笑う。
クリスタはギルフィードのその顔を見て、何故か胸がずきり、と痛む。
何故そんな感情を抱いたのか分からないが、その痛みも直ぐに消え失せて。
ギルフィードとクリスタの会話が落ち着いた事を悟ったのだろう。キシュートがひょい、とギルフィードの肩越しに顔を覗かせて笑顔で話し掛けた。
「さて、治癒魔法使いも帰った。クリスタも無事目が覚めた。ギルフィード、クリスタの体調はもう大丈夫なのだろう?」
「ア、アスタロス公爵……! ナタニア夫人達がまだ……!」
突然砕けた口調で話し始めるキシュートに、クリスタは驚きぎょっと目を見開く。
その様子を見た侍女の三人の内、ナタニア夫人以外の二人はクスクスと笑い声を漏らしながら、クリスタに向かって一礼した。
「それでは、王妃殿下。私共は下がらせて頂きますね」
「ご安心下さい。私達、最近耳が悪くなってしまったので時々高貴な方達のお声が聞こえなくなってしまうのです」
「──貴女たち……」
では、一足先に下がらせて頂きます。と告げて、侍女はクリスタの部屋を出て行った。
「クリスタの治癒にやって来てから、彼女達とは仲良くなったんだよ。ナタニア夫人とはもう親友みたいな物だ」
「──まあ! 公爵様、それは言い過ぎですわ」
悪戯っぽく笑うキシュートに、ナタニアも砕けた態度で言葉を返す。
自分が意識を失っている間、ギルフィードとキシュートは一体どれだけ自分の下に足を運んでくれたのだろうか。
そして、どれだけ自分の側にいてくれたのだろうか。
クリスタの侍女達は礼儀を重んじる人間だ。
そのため、少ない時間ではこんな砕けた態度で接する事など無い。
けれど、侍女達の信頼しきった態度に、それだけの長い時間同じ部屋で過ごしていたのだろうと言う事が窺えて。
クリスタは心の底からギルフィードとキシュート、そして侍女達に感謝の言葉を伝えた。
そして、夜遅くまでギルフィードはクリスタに治癒魔法を使い続けてくれて。
皆と別れ、クリスタは一人自分の部屋で眠りに付く。
すぐ近くの部屋にはギルフィードも、キシュートも。そしてナタニアも居るとは分かっているが、それまで和やかに尽きる事無く会話をしていたのに急に一人になり、しんと静まり返った室内でクリスタは無性に寂しくなってしまった。
まだ、寝返りを打つのが怖い。
以前のように激しい痛みを感じる事は無いが、傷跡が残っている、と聞き寝返りを打って傷が痛んだらどうしよう、と言う恐怖が湧き上がる。
──そして。
「──ぅ……っ、」
違う可能性の方が高い。
そう言い聞かせてはいたが、一人になると治癒魔法使いから聞かされた言葉が頭の中に蘇って来て。
クリスタはとてつもない喪失感に苛まれ、一人ベッドに横になりながら嗚咽を漏らし、泣き続けた。
そしてその日、夜中まで起きていたクリスタの下には終ぞヒドゥリオンが姿を現す事は無かった。
ご注意ください。
*******************
「──え、?」
治癒魔法使いの気まずそうな表情。
そして、自分のお腹辺りに定められた視線。
それらを受けて、クリスタは無意識に自分のお腹に手を当ててしまう。
そんな筈が、無い。
だって月の物は通常通りに──、とクリスタは頭の中で考え、そしてハタリ、と目を瞬いた。
(そう言えば……ここ最近……ひと月以上はバタバタしていたわ……。忙しく過ごしていたから気付かなかった……。でも、でも……治癒魔法使いもそうでない可能性がある、と言っていた……)
目に見えてクリスタが動揺しているのを見た治癒魔法使いは慌てて言葉を続ける。
「その……、私は医学の知識がございません……! しかも、微かに魔力の揺れがあった、と言うだけですので本当に、本当にそうなのかどうかは分からないのです……! ですので、一度陛下にお話をして、医学魔法使いを──……!」
言い募る治癒魔法使いに、クリスタは力無くゆるゆると首を横に振る。
「──いえ、いいわ大丈夫。そうと決まった訳でも無いし……。それに陛下と婚姻して数年……それまで全くだったのよ……? 望んでも、子を授かる事は無かったのだから確定してもいない事を陛下の耳に入れる事は無いわ。これは私と、貴方との間の話にしましょう」
話は以上かしら? と静かに告げるクリスタに、治癒魔法使いはこくりと頷く。
クリスタの表情は、普段の「王妃」としての冷静な表情に戻っていて。
治癒魔法使いは切り替えの早いクリスタの態度にどこかもやりとした言いきれない感情を抱いた。
再び部屋に戻したギルフィードやキシュート、クリスタの侍女数人とクリスタは穏やかな会話を楽しんだ。
夕方を過ぎ、夜になってもギルフィード達が帰宅する様子が見えず、クリスタは不思議そうに彼らに問い掛ける。
「もう、夜だけれど……。ギルフィード王子やアスタロス公爵は、その……」
言い難そうに言葉を選ぶクリスタに、クリスタの手に触れ、治癒魔法を掛けていたギルフィードは柔らかな笑みを浮かべる。
「陛下に許可を頂き、王妃の近くに部屋を用意して頂きました。私は治癒魔法が使えるので、王妃殿下のその……、背中から肩に掛けての傷跡も、薄めて行く事が出来ます……」
「──そうだったのですね。クロデアシアの国賓ですのに、ギルフィード王子には本当に色々と良くして頂いて……申し訳ございません。ギルフィード王子には改めて我が国から正式にお礼をさせて頂きます」
「とんでもない……! 私はクロデアシアの人間としてではなく、ただのギルフィードとして王妃殿下をお手伝いしているだけです! その……昔から親交のある……友人、ではないですか」
友人、と口にした瞬間ギルフィードはどこか泣きそうに、悲しそうに眉を下げて笑う。
クリスタはギルフィードのその顔を見て、何故か胸がずきり、と痛む。
何故そんな感情を抱いたのか分からないが、その痛みも直ぐに消え失せて。
ギルフィードとクリスタの会話が落ち着いた事を悟ったのだろう。キシュートがひょい、とギルフィードの肩越しに顔を覗かせて笑顔で話し掛けた。
「さて、治癒魔法使いも帰った。クリスタも無事目が覚めた。ギルフィード、クリスタの体調はもう大丈夫なのだろう?」
「ア、アスタロス公爵……! ナタニア夫人達がまだ……!」
突然砕けた口調で話し始めるキシュートに、クリスタは驚きぎょっと目を見開く。
その様子を見た侍女の三人の内、ナタニア夫人以外の二人はクスクスと笑い声を漏らしながら、クリスタに向かって一礼した。
「それでは、王妃殿下。私共は下がらせて頂きますね」
「ご安心下さい。私達、最近耳が悪くなってしまったので時々高貴な方達のお声が聞こえなくなってしまうのです」
「──貴女たち……」
では、一足先に下がらせて頂きます。と告げて、侍女はクリスタの部屋を出て行った。
「クリスタの治癒にやって来てから、彼女達とは仲良くなったんだよ。ナタニア夫人とはもう親友みたいな物だ」
「──まあ! 公爵様、それは言い過ぎですわ」
悪戯っぽく笑うキシュートに、ナタニアも砕けた態度で言葉を返す。
自分が意識を失っている間、ギルフィードとキシュートは一体どれだけ自分の下に足を運んでくれたのだろうか。
そして、どれだけ自分の側にいてくれたのだろうか。
クリスタの侍女達は礼儀を重んじる人間だ。
そのため、少ない時間ではこんな砕けた態度で接する事など無い。
けれど、侍女達の信頼しきった態度に、それだけの長い時間同じ部屋で過ごしていたのだろうと言う事が窺えて。
クリスタは心の底からギルフィードとキシュート、そして侍女達に感謝の言葉を伝えた。
そして、夜遅くまでギルフィードはクリスタに治癒魔法を使い続けてくれて。
皆と別れ、クリスタは一人自分の部屋で眠りに付く。
すぐ近くの部屋にはギルフィードも、キシュートも。そしてナタニアも居るとは分かっているが、それまで和やかに尽きる事無く会話をしていたのに急に一人になり、しんと静まり返った室内でクリスタは無性に寂しくなってしまった。
まだ、寝返りを打つのが怖い。
以前のように激しい痛みを感じる事は無いが、傷跡が残っている、と聞き寝返りを打って傷が痛んだらどうしよう、と言う恐怖が湧き上がる。
──そして。
「──ぅ……っ、」
違う可能性の方が高い。
そう言い聞かせてはいたが、一人になると治癒魔法使いから聞かされた言葉が頭の中に蘇って来て。
クリスタはとてつもない喪失感に苛まれ、一人ベッドに横になりながら嗚咽を漏らし、泣き続けた。
そしてその日、夜中まで起きていたクリスタの下には終ぞヒドゥリオンが姿を現す事は無かった。
65
お気に入りに追加
2,037
あなたにおすすめの小説
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。

十分我慢しました。もう好きに生きていいですよね。
りまり
恋愛
三人兄弟にの末っ子に生まれた私は何かと年子の姉と比べられた。
やれ、姉の方が美人で気立てもいいだとか
勉強ばかりでかわいげがないだとか、本当にうんざりです。
ここは辺境伯領に隣接する男爵家でいつ魔物に襲われるかわからないので男女ともに剣術は必需品で当たり前のように習ったのね姉は野蛮だと習わなかった。
蝶よ花よ育てられた姉と仕来りにのっとりきちんと習った私でもすべて姉が優先だ。
そんな生活もううんざりです
今回好機が訪れた兄に変わり討伐隊に参加した時に辺境伯に気に入られ、辺境伯で働くことを赦された。
これを機に私はあの家族の元を去るつもりです。
【完結】貴方が好きなのはあくまでも私のお姉様
すだもみぢ
恋愛
伯爵令嬢であるカリンは、隣の辺境伯の息子であるデュークが苦手だった。
彼の悪戯にひどく泣かされたことがあったから。
そんな彼が成長し、年の離れたカリンの姉、ヨーランダと付き合い始めてから彼は変わっていく。
ヨーランダは世紀の淑女と呼ばれた女性。
彼女の元でどんどんと洗練され、魅力に満ちていくデュークをカリンは傍らから見ていることしかできなかった。
しかしヨーランダはデュークではなく他の人を選び、結婚してしまう。
それからしばらくして、カリンの元にデュークから結婚の申し込みが届く。
私はお姉さまの代わりでしょうか。
貴方が私に優しくすればするほど悲しくなるし、みじめな気持ちになるのに……。
そう思いつつも、彼を思う気持ちは抑えられなくなっていく。
8/21 MAGI様より表紙イラストを、9/24にはMAGI様の作曲された
この小説のイメージソング「意味のない空」をいただきました。
https://www.youtube.com/watch?v=L6C92gMQ_gE
MAGI様、ありがとうございます!
イメージが広がりますので聞きながらお話を読んでくださると嬉しいです。

わたしがお屋敷を去った結果
柚木ゆず
恋愛
両親、妹、婚約者、使用人。ロドレル子爵令嬢カプシーヌは周囲の人々から理不尽に疎まれ酷い扱いを受け続けており、これ以上はこの場所で生きていけないと感じ人知れずお屋敷を去りました。
――カプシーヌさえいなくなれば、何もかもうまく行く――。
――カプシーヌがいなくなったおかげで、嬉しいことが起きるようになった――。
関係者たちは大喜びしていましたが、誰もまだ知りません。今まで幸せな日常を過ごせていたのはカプシーヌのおかげで、そんな彼女が居なくなったことで自分達の人生は間もなく180度変わってしまうことを。
体調不良により、現在感想欄を閉じております。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる