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揺れ動く、動き出す
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伯爵が退出したのを視界の隅に捉えレオンは深く深く息を吐き出す。
「…くそっ怒りが収まらない」
霧散した纏まらない思考では仕事に手が付かない。
レオンはぐしゃぐしゃと髪の毛を掻き乱すと、怒りで昂った気持ちを落ち着かせようと瞳を閉じて長く息を吐き出す。
その様子を見ていたアウディが恐る恐るといった様子でレオンへと話しかけた。
「兄上、伯爵と共にミュラーに会いに行かなくて良かったんですか?」
「あぁ…」
アウディにちらりと視線を流し、頷く。
「今伯爵と共にいたらもっと罵倒してしまいそうだし、ミュラーに今すぐ会いに行って婚姻の申し出に頷いてくれたらいいが、昨日の今日だ…今はきっと俺の顔も見たくない状態だろうから、数日時間を空けてから会いに行くよ」
さすがに爵位は自分が上とは言え、目上の人間にこれ以上怒りをぶつけるなど不躾な事をしたくないし、自分としてもこれ以上感情に任せ当たり散らすなんて恥ずかしい事をしたくない。
伯爵だって自分の非を認め、謝罪してくれていたのだ。
「まずは俺に届いている婚約の打診を断って行く」
「あぁ…ここぞとばかりに届き始めましたもんね…兄上も参加する成人の舞踏会では気を付けた方がいいですよ。解毒薬手配しておきます」
「ああ、頼む」
アウディが家令の元へと向かう為、部屋から退出しかけた所でレオンはアウディを呼び止めた。
「そうだ、アウディ。」
「なんです?」
「ある花をモチーフにした宝飾類を用意したい。明日うちにいつもの宝石商を招いてくれるよう合わせて伝えてくれ」
「わかりました、これも伝えてきます」
一つ頷いて、アウディは今度こそ執務室を出ていった。
─解毒薬
この名前を聞いて忌々しい記憶が蘇り、レオンは思わず嘔吐く。
数年前、この解毒薬が無ければ自分はどうなっていたことか。
思い出すだけで気持ちが悪くなり、レオンは急いで水の入ったグラスを掴み、その中身を流し込んだ。
父が出掛けて行ってから数時間。
ミュラーは自室で父の元に届いた釣書の一部を開き確認していた。
「この方、確かあの日にダンスをご一緒した方だわ…、あ、この方も」
パラパラと釣書達を開き、見覚えのある顔に口元に自分の手を宛てる。
あの日ダンスに誘ってくれた男性達から多く釣書が届いていた。
ダンスを踊った人数は十人にも満たない数だが、父親はそれ以上の数の釣書が届き続けている、と言っていた。
束になった釣書の一番上の物から順番に見ていたミュラーはあの日踊った男性達から届いている事に何とも言えない感情を抱く。
家名を確認しても我が家とはあまり関わりのない家が多い為、普段殆ど交流がないのだろう。
ぱらぱらと釣書を眺めていてもピンとくる男性はいない。
「たった一度ダンスをご一緒しただけの人となりが分からない私に釣書を届けて大丈夫なのかしら?」
もし自分がとても性格の悪い令嬢だったらどうするんだろうか。
お会いする時には礼儀正しいふりをしていて、自分の性格を隠していたら?
政略結婚が常ではある貴族社会だが、婚約者選びは慎重に行うべきである。
ダンスの際の短い時間で多少会話した程度だ。
これで、何度かお会いして仲を深めれば気持ちも変わって来るものなのかしら?とミュラーは困ったようにその釣書達を眺める。
自分が反応してしまうのは、レオンと同じ髪色の男性だったり、似た色の瞳を持つ男性にふと視線が止まってそしてレオンを思い出してしまう位だ。
「諦めなきゃいけないのに…」
ついついレオンと同じ色を持つ男性に目が止まってしまう自分にため息を零す。
舞踏会まで、レオン様とは会いたくないな、気持ちが揺らいじゃいそうで怖い、と思った。
釣書と一緒に届けられる手紙には、是非一度お会いしたい、といった内容が多くミュラーは悩む。
舞踏会の準備もまだかかる。拵えたドレスが届くのが明日だ。
そのドレスに合わせて宝飾類を選び合わせていく。
ドレスも一度着込んで手直しが発生する場合は更に時間がかかる。
当日のドレスに合わせて靴も揃える。
また、舞踏会の前に近しい令嬢達とのお茶会や、規模の小さな舞踏会にも参加する為成人の舞踏会までに会える人数は一人か二人程度だろう。
お茶会の時にそれとなく仲のいい令嬢達に届いた釣書の男性達の家名を出して聞いてみよう、とミュラーは考え自分に届いたお茶会の招待状達へ返事をする為、ペンを手に取った。
翌日
アルファスト家にやってきた宝石を中心に扱う商人をサロンに通したとの連絡を受けたレオンはサロンへ向かうべく足を進めていた。
言葉では伝えるな、応えるな、と言われていたがそれ以外の方法であれば自分の気持ちをこっそりと伝えてもいいだろうかと、レオンは自分の気持ちを贈り物に込めてミュラーに贈る事にした。
信じてもらえるまで何度でも贈ろう。
そして、成人の舞踏会を向かえたら自分の口からも言葉で伝えよう。
ずっと好きだった、と。ミュラー以外に好きになれる女性はいないんだ、と。
サロンに足を踏み入れたレオンは、どこか清々しい気持ちで商人に微笑みかけた。
「…くそっ怒りが収まらない」
霧散した纏まらない思考では仕事に手が付かない。
レオンはぐしゃぐしゃと髪の毛を掻き乱すと、怒りで昂った気持ちを落ち着かせようと瞳を閉じて長く息を吐き出す。
その様子を見ていたアウディが恐る恐るといった様子でレオンへと話しかけた。
「兄上、伯爵と共にミュラーに会いに行かなくて良かったんですか?」
「あぁ…」
アウディにちらりと視線を流し、頷く。
「今伯爵と共にいたらもっと罵倒してしまいそうだし、ミュラーに今すぐ会いに行って婚姻の申し出に頷いてくれたらいいが、昨日の今日だ…今はきっと俺の顔も見たくない状態だろうから、数日時間を空けてから会いに行くよ」
さすがに爵位は自分が上とは言え、目上の人間にこれ以上怒りをぶつけるなど不躾な事をしたくないし、自分としてもこれ以上感情に任せ当たり散らすなんて恥ずかしい事をしたくない。
伯爵だって自分の非を認め、謝罪してくれていたのだ。
「まずは俺に届いている婚約の打診を断って行く」
「あぁ…ここぞとばかりに届き始めましたもんね…兄上も参加する成人の舞踏会では気を付けた方がいいですよ。解毒薬手配しておきます」
「ああ、頼む」
アウディが家令の元へと向かう為、部屋から退出しかけた所でレオンはアウディを呼び止めた。
「そうだ、アウディ。」
「なんです?」
「ある花をモチーフにした宝飾類を用意したい。明日うちにいつもの宝石商を招いてくれるよう合わせて伝えてくれ」
「わかりました、これも伝えてきます」
一つ頷いて、アウディは今度こそ執務室を出ていった。
─解毒薬
この名前を聞いて忌々しい記憶が蘇り、レオンは思わず嘔吐く。
数年前、この解毒薬が無ければ自分はどうなっていたことか。
思い出すだけで気持ちが悪くなり、レオンは急いで水の入ったグラスを掴み、その中身を流し込んだ。
父が出掛けて行ってから数時間。
ミュラーは自室で父の元に届いた釣書の一部を開き確認していた。
「この方、確かあの日にダンスをご一緒した方だわ…、あ、この方も」
パラパラと釣書達を開き、見覚えのある顔に口元に自分の手を宛てる。
あの日ダンスに誘ってくれた男性達から多く釣書が届いていた。
ダンスを踊った人数は十人にも満たない数だが、父親はそれ以上の数の釣書が届き続けている、と言っていた。
束になった釣書の一番上の物から順番に見ていたミュラーはあの日踊った男性達から届いている事に何とも言えない感情を抱く。
家名を確認しても我が家とはあまり関わりのない家が多い為、普段殆ど交流がないのだろう。
ぱらぱらと釣書を眺めていてもピンとくる男性はいない。
「たった一度ダンスをご一緒しただけの人となりが分からない私に釣書を届けて大丈夫なのかしら?」
もし自分がとても性格の悪い令嬢だったらどうするんだろうか。
お会いする時には礼儀正しいふりをしていて、自分の性格を隠していたら?
政略結婚が常ではある貴族社会だが、婚約者選びは慎重に行うべきである。
ダンスの際の短い時間で多少会話した程度だ。
これで、何度かお会いして仲を深めれば気持ちも変わって来るものなのかしら?とミュラーは困ったようにその釣書達を眺める。
自分が反応してしまうのは、レオンと同じ髪色の男性だったり、似た色の瞳を持つ男性にふと視線が止まってそしてレオンを思い出してしまう位だ。
「諦めなきゃいけないのに…」
ついついレオンと同じ色を持つ男性に目が止まってしまう自分にため息を零す。
舞踏会まで、レオン様とは会いたくないな、気持ちが揺らいじゃいそうで怖い、と思った。
釣書と一緒に届けられる手紙には、是非一度お会いしたい、といった内容が多くミュラーは悩む。
舞踏会の準備もまだかかる。拵えたドレスが届くのが明日だ。
そのドレスに合わせて宝飾類を選び合わせていく。
ドレスも一度着込んで手直しが発生する場合は更に時間がかかる。
当日のドレスに合わせて靴も揃える。
また、舞踏会の前に近しい令嬢達とのお茶会や、規模の小さな舞踏会にも参加する為成人の舞踏会までに会える人数は一人か二人程度だろう。
お茶会の時にそれとなく仲のいい令嬢達に届いた釣書の男性達の家名を出して聞いてみよう、とミュラーは考え自分に届いたお茶会の招待状達へ返事をする為、ペンを手に取った。
翌日
アルファスト家にやってきた宝石を中心に扱う商人をサロンに通したとの連絡を受けたレオンはサロンへ向かうべく足を進めていた。
言葉では伝えるな、応えるな、と言われていたがそれ以外の方法であれば自分の気持ちをこっそりと伝えてもいいだろうかと、レオンは自分の気持ちを贈り物に込めてミュラーに贈る事にした。
信じてもらえるまで何度でも贈ろう。
そして、成人の舞踏会を向かえたら自分の口からも言葉で伝えよう。
ずっと好きだった、と。ミュラー以外に好きになれる女性はいないんだ、と。
サロンに足を踏み入れたレオンは、どこか清々しい気持ちで商人に微笑みかけた。
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