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魔王の友人7
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――次の日の昼前のこと。
「メイ、ちょっとついて来てくれないかい?」
「はい、わかりました」
クリスはメイとともに皆と少し離れたところに移動した。
周囲を障壁で囲んだクリスを見て、メイは首を傾げる。
「皆に内緒の話なのですか?」
「うん。メイに伝えたいことがあるんだ。他の皆に聞かれると、ちょっと騒ぎになりそうなことだからね」
クリスは苦笑してから真面目な顔でメイに向き合う。
「メイ……」
(え、えっと、なんて言えばいいだろう?)
メイを見つめながら、クリスの頭の中は混乱していた。昨夜セリフを考えたはずなのに、全部頭から飛んでしまっていた。
しばらく沈黙が続くが、メイは辛抱強く待ってくれている。
「……今日の夕食、何がいい?」
沈黙の末に口から出てきた言葉は、盛大に話題を間違えたものだった。
(なんでだー!?)
クリスは内心頭を抱える。
言いたいことと全く違うし、そもそも選択肢が肉か果物しかない。パンもあったが、既に食べ尽くしてしまった。
クリスの問いを聞いたメイはしばらくポカンとしていたが、なぜかハッとしてから顔が青ざめる。
「クリス様、まさか、料理をしようと思っているのですか?」
メイの恐れ慄く様子に、クリスは慌てて首を横にブンブンと振る。
「いやいやいや、違うから!」
「ほ、本当ですよね? 本当にしないのですよね?」
「う、うん、しないよ」
なぜかものすごく念を押されて「そんなにまずかったかなぁ?」と疑問に思いつつ、クリスは首を縦に何度も振る。
ようやく信じてくれたのか、メイはあからさまにほっとすると、クリスをまっすぐ見る。
「それで、本当の用件はなんですか?」
さすがに、これが本当の用件ではないと見当がついたらしい。
メイの真摯な目を見て、クリスは本題を思い出す。
信じてもらえるだろうか? 信じてもらえたとしても、今までの関係が終わってしまうかもしれない。それがクリスにとっては恐ろしい。
だが、これからも彼女と一緒にいるためには、伝えない訳にはいかない。
顔を少し伏せて呼吸を整える。
再びどう伝えようか悩んだが、首を振って雑念を取り払う。
余計な言葉はいらない。ただ、事実を伝えよう。
それでどうなるかは、その時考えよう。
覚悟を決めて、クリスはメイの目をまっすぐ見返した。
そして口を開く。
「実は、僕は魔王なんだ」
「メイ、ちょっとついて来てくれないかい?」
「はい、わかりました」
クリスはメイとともに皆と少し離れたところに移動した。
周囲を障壁で囲んだクリスを見て、メイは首を傾げる。
「皆に内緒の話なのですか?」
「うん。メイに伝えたいことがあるんだ。他の皆に聞かれると、ちょっと騒ぎになりそうなことだからね」
クリスは苦笑してから真面目な顔でメイに向き合う。
「メイ……」
(え、えっと、なんて言えばいいだろう?)
メイを見つめながら、クリスの頭の中は混乱していた。昨夜セリフを考えたはずなのに、全部頭から飛んでしまっていた。
しばらく沈黙が続くが、メイは辛抱強く待ってくれている。
「……今日の夕食、何がいい?」
沈黙の末に口から出てきた言葉は、盛大に話題を間違えたものだった。
(なんでだー!?)
クリスは内心頭を抱える。
言いたいことと全く違うし、そもそも選択肢が肉か果物しかない。パンもあったが、既に食べ尽くしてしまった。
クリスの問いを聞いたメイはしばらくポカンとしていたが、なぜかハッとしてから顔が青ざめる。
「クリス様、まさか、料理をしようと思っているのですか?」
メイの恐れ慄く様子に、クリスは慌てて首を横にブンブンと振る。
「いやいやいや、違うから!」
「ほ、本当ですよね? 本当にしないのですよね?」
「う、うん、しないよ」
なぜかものすごく念を押されて「そんなにまずかったかなぁ?」と疑問に思いつつ、クリスは首を縦に何度も振る。
ようやく信じてくれたのか、メイはあからさまにほっとすると、クリスをまっすぐ見る。
「それで、本当の用件はなんですか?」
さすがに、これが本当の用件ではないと見当がついたらしい。
メイの真摯な目を見て、クリスは本題を思い出す。
信じてもらえるだろうか? 信じてもらえたとしても、今までの関係が終わってしまうかもしれない。それがクリスにとっては恐ろしい。
だが、これからも彼女と一緒にいるためには、伝えない訳にはいかない。
顔を少し伏せて呼吸を整える。
再びどう伝えようか悩んだが、首を振って雑念を取り払う。
余計な言葉はいらない。ただ、事実を伝えよう。
それでどうなるかは、その時考えよう。
覚悟を決めて、クリスはメイの目をまっすぐ見返した。
そして口を開く。
「実は、僕は魔王なんだ」
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