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魔王、喧嘩する4
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マイクの言葉にメイの肩がビクッと一瞬上がる。
「彼女がついて行きたいと言ったからだよ。それに……」
クリスは真剣な顔でマイクを見る。
「僕も彼女について来て欲しいと思っている」
マイクの顔が険しくなった。
「お前、本気で言っているのか?」
クリスは黙って頷くと、マイクはため息を吐いた。
「そうか……お前、今は勇者だからな」
そう言うと、マイクはクリスに素早く近づき魔法を放つ。シンプルな魔力を圧縮させた塊の弾丸である。
「マイク!?」
クリスは驚きながらも、咄嗟に障壁を作ってマイクの攻撃を防ぎ距離をとった。
「どうしたんだい!? 君は別に人間を嫌悪していたわけじゃなかったでしょ!?」
元々マイクは勇者を迷惑なものだと考えていても、人間を敵視しているわけではなかった。だからこそ、外に出てみようと思い立ったのだ。
「ああ、確かに200年前は人間に対して特に何も思っていなかったよ」
クリスは眉を顰めた。
「……この200年で何があったんだい?」
「俺がこの200年で学んだのは、人間はどうしようもないグズだということなんだよ」
マイクは吐き捨てた後、クリスをじっと見る。
「なぁ、お前は『善なる者は人間に生まれる』という馬鹿げた教えを知っているか?」
クリスの顔が険しくなる。
「……その顔は知っているようだな」
「元人間の不死者から聞いたことがあるよ」
「それは一体、何なのですか?」
後ろにいたメイがおずおずと小声で聞いた。
クリスはマイクから目を離さないまま答える。
「良い行いをした者は人間に生まれ、そして……」
クリスの顔が嫌なことを思い出したように歪む。
「罪有る者は異形、つまり異種族に生まれるという、僕たちがいた世界の多くの人間に信じられている教えだよ」
メイは息を飲む。
「なんですか、その酷い信仰は!?」
メイが眉をしかめて言うと、マイクは睨みつける。
「お前ら、人間の信仰だろうが!」
クリスがメイを庇うように立つ。
「彼女は僕たちのいた世界の人間じゃないよ」
「それでも人間なのには変わらないだろ!」
叫び声に滲み出る憎悪に、クリスは驚いた。
「……外に出ている間に何があったんだい?」
クリスは怒るよりも心配になって聞く。
「……なぁ、お前は俺たちの国の外に異種族っているか知っているか?」
クリスは首を横に振った。マイクが言っているのは海の中のアリスリア国のことではないだろう。その国以外について、クリスは無知だった。
マイクは息をつく。
「やっぱり知らなかったか……。
でもな、いたんだよ……俺たち以外の異種族が」
「そこで何かあったのかい?」
クリスはマイクに聞いたが、答えは想像できてしまう。できれば、それが当たって欲しくないと願っていた。
「……お前、人間の信仰について知っているなら、罪の浄化方法についても知っているよな」
クリスはショックを受けたように青くなりながら頷く。マイクがこれを聞いてくるということは、クリスの想像が当たってしまったのだ。
「罪の浄化?」
訝しげな声でメイが呟く。
「……異種族に生まれた者の罪を無くすには……死、それも殺されるしかないっていう教えだよ」
青い顔でクリスは答える。
メイも何があったのか察したのか、みるみる青ざめた。
「そうだ! あいつらは、静かに暮らしていた皆を殺して、それを善行だ、正義だと言いやがったんだ!!」
「彼女がついて行きたいと言ったからだよ。それに……」
クリスは真剣な顔でマイクを見る。
「僕も彼女について来て欲しいと思っている」
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「お前、本気で言っているのか?」
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「そうか……お前、今は勇者だからな」
そう言うと、マイクはクリスに素早く近づき魔法を放つ。シンプルな魔力を圧縮させた塊の弾丸である。
「マイク!?」
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「どうしたんだい!? 君は別に人間を嫌悪していたわけじゃなかったでしょ!?」
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「……その顔は知っているようだな」
「元人間の不死者から聞いたことがあるよ」
「それは一体、何なのですか?」
後ろにいたメイがおずおずと小声で聞いた。
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「彼女は僕たちのいた世界の人間じゃないよ」
「それでも人間なのには変わらないだろ!」
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「……外に出ている間に何があったんだい?」
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「……なぁ、お前は俺たちの国の外に異種族っているか知っているか?」
クリスは首を横に振った。マイクが言っているのは海の中のアリスリア国のことではないだろう。その国以外について、クリスは無知だった。
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「やっぱり知らなかったか……。
でもな、いたんだよ……俺たち以外の異種族が」
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「……お前、人間の信仰について知っているなら、罪の浄化方法についても知っているよな」
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「罪の浄化?」
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「……異種族に生まれた者の罪を無くすには……死、それも殺されるしかないっていう教えだよ」
青い顔でクリスは答える。
メイも何があったのか察したのか、みるみる青ざめた。
「そうだ! あいつらは、静かに暮らしていた皆を殺して、それを善行だ、正義だと言いやがったんだ!!」
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