その勇者、実は魔王(改訂版)

そこら辺の人🏳️

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魔王、巻き込まれる7

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 しばらくしてメイが落ち着くと、彼女は少し赤くなって恥ずかしそうに苦笑する。

「……なんか、子供みたいですね」
「15歳なんだから、別に構わないんじゃないかな?」

 クリスが苦笑すると、メイはムッと口を反らせた。

「クリス様、魔族と違って人間の15歳は大人に近いのですよ」
「でも、まだ成人前だから子供ってことでもいいんじゃないかな」

 まだ納得できていないメイにクリスは困ったように笑う。

「僕もいまだに子供扱いされることがあるし」
「クリス様が?」

 目を見開くメイにクリスは苦い顔で頷く。

「僕のし……住んでところでは僕よりも年上で小さいころからいた者もいっぱいいたし、年下でも僕より大人な者も多かったから」

 危うく城と言いかけたが、なんとか誤魔化した。

「そうなのですか?」

 驚くメイにクリスは微笑む。

「うん。三千年以上生きている竜とかいるからね」
「「竜!?」」

 メイだけでなくユートも驚き、2人の声が合わさった。

「竜は1万年くらい生きるらしいからね。といっても、本人も正確な年齢は知らないらしいけど」

 ヒオン国の宰相であるキャロルは建国した時からいる竜なのだ。
 そしてそんな彼からしてみれば、クリスはまだまだ手の掛かる子供同然らしい。

「すごいところなんだな、異世界は……」
「この世界には竜はいないのかい?」
「いるが、ほとんど姿を見た者はいないそうだ」

 クリスの世界でも竜はキャロルと彼の妻と娘以外見たことがないため、ひょっとしたら似たような感じかもしれない。

「とりあえず、皆のもとに戻ろうか。ユートの仲間たちも心配しているかもしれないし」

 そう言ってから、クリスは少し躊躇った後、そっとメイの手を握った。

「クリス様?」
「これくらいなら、いいかなと思って……」

 目を大きくするメイにクリスは淡く微笑む。
 以前も手を繋いだことがあるのだが、あの時と違い、クリスの頬は微かに赤くなっている。

「はい!」

 メイが花が咲くように満面の笑みを浮かべると、クリスもつられて笑みを深くする。

「おい、私がいることを忘れないでくれ!」

 ユートが苦虫を噛み潰したような顔をしたが、クリスたちが手をほどくことはなかった。
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