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魔王、質問責めに合う5
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「ごめん、どういうこと?」
クリスはルディアに聞く。
「聖剣の能力については、その1つ前の先代の勇者かその子孫から伝えられるんです。
けれど、2つ前の勇者が失踪したので、先代勇者は聖剣の能力を正しく教えられなかったんです」
「失踪?」
「はい。その勇者は聖剣を残していなくなりました。おそらく、魔王に殺されたかと……」
「そんなはずない!」
クリスは強く否定した。
今まで穏やかだったクリスが声を荒げたので、ルディアは驚く。
その様子にクリスは慌てた。
「ごめん。けど、王が殺したっていうのはあり得ないんだ」
「それは……なぜですか?」
さすがに違和感を覚えて、ルディアは聞く。
クリスは少し考え、やがて決心したように顔を上げた。
「君たちには半分くらいバレているからいうけど、王は勇者を殺さない。殺してもなんの利もないからね」
「何それ、どういうことよ!?」
クリスの言葉に、今まで黙っていた矢筒を背負った女が問い詰める。
「そのままの意味だよ。勇者が来ると、王は自分の髪を渡して、自分を倒したことにするよう言う。そして国境付近に転移させる。それを勇者が諦めるまで繰り返すんだ」
勇者一行は言葉を失った。
「……なぜ、そのようなことを?」
ルディアがなんとか質問をする。
「勇者がなるべく来ないようにするためだよ。勇者が死んだら、次の勇者が来るだけだからね」
「……それなら、お前らが人間に手を出さなければいいんじゃないか?」
勇者の反論に、クリスの中の何かが切れる。
「僕らから、君たち人間を攻めたことはない!」
クリスは憤っていた。
「君たちが勝手に僕らを、僕の国を敵視しているんだ! こっちは、ただ、平和に暮らしているだけなのに……」
毎回毎回被せられる濡れ衣に、クリスはうんざりしていた。
それだけならまだしも、勇者による傷害や窃盗で国民が傷つけられるのは許せなかった。
怒りのまままくし立てたクリスは呼吸を整える。
「君たちは、僕らの国がなんのために作られたかわかるかい?」
クリスは勇者たちに聞く。
勇者たちはお互いの顔を見合った。
「……魔族たちが世界を征服するために作られたと、私たちは聞いています」
「違う」
ルディアの答えをクリスはきっぱり否定する。
「僕らの国は、人間と戦わないために作られたんだ」
そしてクリスは語り出した。
クリスはルディアに聞く。
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けれど、2つ前の勇者が失踪したので、先代勇者は聖剣の能力を正しく教えられなかったんです」
「失踪?」
「はい。その勇者は聖剣を残していなくなりました。おそらく、魔王に殺されたかと……」
「そんなはずない!」
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その様子にクリスは慌てた。
「ごめん。けど、王が殺したっていうのはあり得ないんだ」
「それは……なぜですか?」
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「君たちには半分くらいバレているからいうけど、王は勇者を殺さない。殺してもなんの利もないからね」
「何それ、どういうことよ!?」
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「そのままの意味だよ。勇者が来ると、王は自分の髪を渡して、自分を倒したことにするよう言う。そして国境付近に転移させる。それを勇者が諦めるまで繰り返すんだ」
勇者一行は言葉を失った。
「……なぜ、そのようなことを?」
ルディアがなんとか質問をする。
「勇者がなるべく来ないようにするためだよ。勇者が死んだら、次の勇者が来るだけだからね」
「……それなら、お前らが人間に手を出さなければいいんじゃないか?」
勇者の反論に、クリスの中の何かが切れる。
「僕らから、君たち人間を攻めたことはない!」
クリスは憤っていた。
「君たちが勝手に僕らを、僕の国を敵視しているんだ! こっちは、ただ、平和に暮らしているだけなのに……」
毎回毎回被せられる濡れ衣に、クリスはうんざりしていた。
それだけならまだしも、勇者による傷害や窃盗で国民が傷つけられるのは許せなかった。
怒りのまままくし立てたクリスは呼吸を整える。
「君たちは、僕らの国がなんのために作られたかわかるかい?」
クリスは勇者たちに聞く。
勇者たちはお互いの顔を見合った。
「……魔族たちが世界を征服するために作られたと、私たちは聞いています」
「違う」
ルディアの答えをクリスはきっぱり否定する。
「僕らの国は、人間と戦わないために作られたんだ」
そしてクリスは語り出した。
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