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魔王、質問責めに合う2
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(何、この子――!?)
クリスは混乱していた。
先ほど勇者が来た時も、平静でいられなかったが、その時以上に動揺していた。
リスのような少女は、緑色の大きな目をキラキラ輝かせて、矢継ぎ早に質問を投げてくる。
そこには先ほどまであった緊張や怯えは見られず、純粋な好奇心だけがあった。
始めの質問で毒気を抜かれた時、「もしかして、こういう作戦?」と一瞬思ったが、この様子だと、本当にただの興味本位でここに来たようだ。
正直、人間、しかも勇者の仲間からこういう敵意や嫌悪、怯えが全くない感情を向けられたことにたいして、クリスは戸惑っていた。
「えっと、そうだ!君の名前は?」
「ルディアです!」
「僕はクリス。ルディア、君の質問に順番に答えるから、落ち着いて」
うーっと唸りながらも、ルディアは一応、大人しくなる。質問したりなくて、口は疼くように動いていたが。
「まず、普段は昼に寝て夜起きているかというと、別にそういうわけじゃない。というか、ほとんどの者は朝起きて、夜寝ているよ。
牙のことといい、君たちは、僕ら魔族と不死者を混合しているみたいだね」
「不死者ですか?」
「そう。不死者の中でも、吸血鬼と呼ばれている者が、君たちが言った牙があって、昼に寝ている種族だね」
うんうん、とルディアは頷くが、ふと、首を傾げる。
「魔族って不老不死じゃないんですか?」
「いや、確かに不老だけど不死身じゃない。回復できない怪我や寿命で死ぬよ」
「……魔族って聖剣以外で倒せないって聞いたんですけど、そういうわけではないんですか?」
「あー、聖剣は確かに魔族に有効だろうけど、別に聖剣でなくたって死ぬ時は死ぬなぁ。めったにないけど」
魔族は自己回復魔法が使える者がほとんどで、大抵の怪我はあっという間に治してしまうのだ。
「そういえば、魔族の寿命って何年ですか?」
「だいたい、千年くらいだね」
「「千年!?」」
これにはルディアだけでなく、なぜか同じ魔族のサーニャも驚いていた。
クリスはサーニャの方を見る。
「こっちの魔族はどのくらい生きるんだい?」
「…だいたい五百年くらいよ」
「そっか」
こちらの魔族は成長が早い代わりに、寿命は半分くらいのようだ。
「やっぱり、あなたは私たちの世界の魔族なんですか?」
疑問というより、確認するようにルディアが聞いた。
クリスは頷く。
「そうだよ」
「ということは、あの国の兵士の方なんですか?」
クリスはわずかに硬直する。
国境から城まで、勇者の相手をしたのは甲冑を着た兵士たちだった。それ以外の一般国民は避難させていたのだ。
つまり、勇者と会ったことがあるのは、兵士か魔王ということになる。
「……こう見えて、城で働いているんだ。その時に、君たちを見かけたんだ」
さすがに魔王だとは言えず、クリスは誤魔化す。
ルディアはわずかに首を傾げたが、それ以上は追及しなかった。
クリスは混乱していた。
先ほど勇者が来た時も、平静でいられなかったが、その時以上に動揺していた。
リスのような少女は、緑色の大きな目をキラキラ輝かせて、矢継ぎ早に質問を投げてくる。
そこには先ほどまであった緊張や怯えは見られず、純粋な好奇心だけがあった。
始めの質問で毒気を抜かれた時、「もしかして、こういう作戦?」と一瞬思ったが、この様子だと、本当にただの興味本位でここに来たようだ。
正直、人間、しかも勇者の仲間からこういう敵意や嫌悪、怯えが全くない感情を向けられたことにたいして、クリスは戸惑っていた。
「えっと、そうだ!君の名前は?」
「ルディアです!」
「僕はクリス。ルディア、君の質問に順番に答えるから、落ち着いて」
うーっと唸りながらも、ルディアは一応、大人しくなる。質問したりなくて、口は疼くように動いていたが。
「まず、普段は昼に寝て夜起きているかというと、別にそういうわけじゃない。というか、ほとんどの者は朝起きて、夜寝ているよ。
牙のことといい、君たちは、僕ら魔族と不死者を混合しているみたいだね」
「不死者ですか?」
「そう。不死者の中でも、吸血鬼と呼ばれている者が、君たちが言った牙があって、昼に寝ている種族だね」
うんうん、とルディアは頷くが、ふと、首を傾げる。
「魔族って不老不死じゃないんですか?」
「いや、確かに不老だけど不死身じゃない。回復できない怪我や寿命で死ぬよ」
「……魔族って聖剣以外で倒せないって聞いたんですけど、そういうわけではないんですか?」
「あー、聖剣は確かに魔族に有効だろうけど、別に聖剣でなくたって死ぬ時は死ぬなぁ。めったにないけど」
魔族は自己回復魔法が使える者がほとんどで、大抵の怪我はあっという間に治してしまうのだ。
「そういえば、魔族の寿命って何年ですか?」
「だいたい、千年くらいだね」
「「千年!?」」
これにはルディアだけでなく、なぜか同じ魔族のサーニャも驚いていた。
クリスはサーニャの方を見る。
「こっちの魔族はどのくらい生きるんだい?」
「…だいたい五百年くらいよ」
「そっか」
こちらの魔族は成長が早い代わりに、寿命は半分くらいのようだ。
「やっぱり、あなたは私たちの世界の魔族なんですか?」
疑問というより、確認するようにルディアが聞いた。
クリスは頷く。
「そうだよ」
「ということは、あの国の兵士の方なんですか?」
クリスはわずかに硬直する。
国境から城まで、勇者の相手をしたのは甲冑を着た兵士たちだった。それ以外の一般国民は避難させていたのだ。
つまり、勇者と会ったことがあるのは、兵士か魔王ということになる。
「……こう見えて、城で働いているんだ。その時に、君たちを見かけたんだ」
さすがに魔王だとは言えず、クリスは誤魔化す。
ルディアはわずかに首を傾げたが、それ以上は追及しなかった。
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