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魔王、再会する3
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「……おい、待て、おい!
なんで差し出してんだ!」
シャルルが慌てて叫ぶ。
「いや、確かにおかしいなと」
そもそも魔族、しかも魔王と呼ばれているクリスが聖剣を持っていることが異常なのだ。
「だ~か~ら、俺はお前を選んだんだって!」
「彼はふさわしくないのかい?」
「……悪くはないが、お前の方がいい!」
何故か人間であり、どう考えても正統性がありそうな勇者より、クリスの方がシャルル的には上らしい。なんでだろう?
「っ!? ふざけんなよ、お前ら!」
クリスとシャルルのやりとりを見ていた勇者が、怒って襲いかかってくる。
クリスはシャルルで勇者の聖剣を受け止めた。
勇者の聖剣のやっかいなところのひとつに、どんな魔法も斬れるというのがある。
それこそどんなに厚かろうが硬かろうが、その刃の前では無意味と化すのだ。
そして斬られた、たいていの魔法は霧散してしまう。
つまり、聖剣に対抗するには魔法以外の方法で対処するのが普通なのである。
特に勇者と正面から対峙しなければならないクリスは、そのために剣を鍛練していた。
だが、相手は勇者だ。
勘違いや思い込みとはいえ、世界を救うために魔王に立ち向かってくるのだ。
こっちも全力で迎え撃たなければならない。
そう思い、クリスは腕に力をいれて、シャルルで勇者の聖剣をはじいた。
「ぐっ!」
勇者がうめくが、間髪いれずに立ち向かってくる。
それをクリスは受け止める。
そのまま打ち合いになった。
そして、ひときわ大きな金属音とともに、一方の剣が宙を舞った。
「……あれ?」
クリスは呆気に取られた。
飛んだのは勇者の聖剣である。
しかもたった数回打ち合っただけで。
「くそっ!」
クリスが呆然としているうちに、勇者は聖剣を拾い上げ、再び立ち向かってくる。
カン、カン、カーンと今度はたった3回打ち合っただけで、勇者の聖剣は後方に飛んでいった。
(よ、弱い……)
クリスは開いた口がふさがらなかった。
勢いはあるし、そこそこ鋭さはあると思う。だが、動きが単調で隙が多い。
勇者は再び聖剣を拾い、立ち向かってくる。
その聖剣をほんの2、3回でクリスは飛ばす。
それを何回も繰り返すうちに、クリスは弱い者いじめをしている気分になってきた。
「……ねぇ、もう、やめない?」
クリスの提案に、勇者は首を横に振った。
「まだ、まだだ!」
肩で息をしながら勇者は諦めない。
額には汗が流れ、青い瞳にはうっすら涙がにじんでいる。
残念ながら、クリスはわざと負けるやり方を知らなかったため、聖剣は本日何度目かの空中飛行をした。
「そこまでだ!」
再び聖剣を拾おうとする勇者に、赤みを帯びた金髪で茶色い瞳をした、身の丈ほどもある大剣を背負う壮年の男が言った。
なんで差し出してんだ!」
シャルルが慌てて叫ぶ。
「いや、確かにおかしいなと」
そもそも魔族、しかも魔王と呼ばれているクリスが聖剣を持っていることが異常なのだ。
「だ~か~ら、俺はお前を選んだんだって!」
「彼はふさわしくないのかい?」
「……悪くはないが、お前の方がいい!」
何故か人間であり、どう考えても正統性がありそうな勇者より、クリスの方がシャルル的には上らしい。なんでだろう?
「っ!? ふざけんなよ、お前ら!」
クリスとシャルルのやりとりを見ていた勇者が、怒って襲いかかってくる。
クリスはシャルルで勇者の聖剣を受け止めた。
勇者の聖剣のやっかいなところのひとつに、どんな魔法も斬れるというのがある。
それこそどんなに厚かろうが硬かろうが、その刃の前では無意味と化すのだ。
そして斬られた、たいていの魔法は霧散してしまう。
つまり、聖剣に対抗するには魔法以外の方法で対処するのが普通なのである。
特に勇者と正面から対峙しなければならないクリスは、そのために剣を鍛練していた。
だが、相手は勇者だ。
勘違いや思い込みとはいえ、世界を救うために魔王に立ち向かってくるのだ。
こっちも全力で迎え撃たなければならない。
そう思い、クリスは腕に力をいれて、シャルルで勇者の聖剣をはじいた。
「ぐっ!」
勇者がうめくが、間髪いれずに立ち向かってくる。
それをクリスは受け止める。
そのまま打ち合いになった。
そして、ひときわ大きな金属音とともに、一方の剣が宙を舞った。
「……あれ?」
クリスは呆気に取られた。
飛んだのは勇者の聖剣である。
しかもたった数回打ち合っただけで。
「くそっ!」
クリスが呆然としているうちに、勇者は聖剣を拾い上げ、再び立ち向かってくる。
カン、カン、カーンと今度はたった3回打ち合っただけで、勇者の聖剣は後方に飛んでいった。
(よ、弱い……)
クリスは開いた口がふさがらなかった。
勢いはあるし、そこそこ鋭さはあると思う。だが、動きが単調で隙が多い。
勇者は再び聖剣を拾い、立ち向かってくる。
その聖剣をほんの2、3回でクリスは飛ばす。
それを何回も繰り返すうちに、クリスは弱い者いじめをしている気分になってきた。
「……ねぇ、もう、やめない?」
クリスの提案に、勇者は首を横に振った。
「まだ、まだだ!」
肩で息をしながら勇者は諦めない。
額には汗が流れ、青い瞳にはうっすら涙がにじんでいる。
残念ながら、クリスはわざと負けるやり方を知らなかったため、聖剣は本日何度目かの空中飛行をした。
「そこまでだ!」
再び聖剣を拾おうとする勇者に、赤みを帯びた金髪で茶色い瞳をした、身の丈ほどもある大剣を背負う壮年の男が言った。
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