眺めるほうが好きなんだ

23.甘すぎる

前回のあらすじ

ファーストキスをクズに奪われた


いや、謎すぎだねー
てゆか、金髪に赤メッシュって目がチカチカするー

会計さんは何度も角度を変えて優しい口付けをしてくる。
離れようと抵抗するも、体格も力も時雨が圧倒的に劣っているのは明白で、会計の体が時雨からはなれることはない



はー……。ながい…
はやく終わんないかな……


そんなことを考えていると、突然口の中にぬるりとしたものが入ってくる
驚きのあまり、思わず体が跳ねる


ちょっ、なんで舌入れるわけ！？やっぱコイツバカだよ！！！
さすがの僕もパニックに陥る


舌を絡ませ、上顎を撫で、歯列をなぞり、舌を軽くスったかと思えばまた舌を激しく絡ませる……
甘くねちっこいキスは、息づきをさせてくれるものの酸欠になりそうだ
生理的な涙が溢れる。

それを見た会計は一瞬目を見開き、クッと喉で笑う
やっと長い長いキスをやめ、口を離す
お互いの唾液が糸のように引いた


時「っな、にすんだ…よ…！！」

やっと息が吸えるようになり、肩で息をしながら酸素を必死に取り込む
会計を睨みつけながら時雨は服の裾で唇をゴシゴシと擦る

会「アハッ、そんな怖い顔しないでよ～。俺傷ついちゃーう」

時「チッ……」


あまりに突然のことで声を荒らげた時雨だったが、すぐに冷静さを取り戻し、舌打ちをするといつもどおりの表情と口調にもどる

時「なんのつもりか知らないけどー、僕への嫌がらせなら中々上出来だと思うよー」

会「…………嫌がらせ……か…」

時「なーにー？」

会「なんでもないよー。じゃあ俺もう帰ろーっと。じゃーねー元！前髪くーーん！」



そういうとヒラヒラと手を振りながら会計のクソ野郎は僕に笑顔向けて立ち去っていった
ほんとに、なんなんだアイツ………


さっき、一瞬だけ会計さんが悲しげな顔をしたように見えたのは僕の気のせいだと思う。

時「………………考えるのやーめた！帰ろっ！！」





このあとさんざん真琴と、優になんで遅くなったのかとか、襲われてないかとか質問攻めにあったのはいうまでもないよねー……


それにしても、会計さんのキスはやたら甘ったるい気がしたのは、なんでだろ