25 / 43
3rd day
戦鬼
しおりを挟む
そいつは身長が百九十センチを超える四十代くらいの大男だった。
やや短めの茶髪を整髪料で完璧に整えている。
眉間から左頬にかけて大きな傷があって、筋骨隆々の体躯も相まり見た目は騎士団長というより完全にマフィアのボスといった風体だ。
「だ、団長っ⁉ いきなり何をしてるんですかっ⁉」
突然の事態に混乱しながらもミリーが大男に食って掛かる。
「よう、エイベル。久しぶりに珍しい客が来るって言うからよ。ちょいと挨拶をな」
「今のはちょいとでも挨拶でもありませんでしたよ⁉」
あたふたしているミリーを余所に、キースはあくまで飄々とした態度だ。
軽く戦斧を振るうと、外殻を象っていた魔力は解かれ、戦斧は粒子と消え、アンティークな喫煙具だけがキースの無骨な掌に収まった。
「ほれ、こっちは武器を下ろしたぞ。そっちもこの物騒なの仕舞っちゃくれねぇか? お前さんも俺が本気で斬りかかったわけじゃねぇいことくらい剣圧の重みで分かるだろ?」
「………」
周囲を取り囲む剣軍をちょいちょいとわざとらしく指さしているのが頭にくる。
ちっ、と舌打ちしつつ『第九の剣軍』を解除し、鞘へと納めた。
「久しぶりだな、嬢ちゃん。良い女になったじゃねえか」
「……お久しぶりです、ヴァイルシュタイン卿。そっちは極悪ヅラにますます磨きがかかったようで」
「かかっ! 十年経っても憎まれ口は変わんねえな。見てくれは上等だってのに、中身がそんなんじゃ男だって寄ってこねえだろ?」
何を余計なこと言ってくれてんのよ、このクソオヤジ。
「ほっといてください。それよりも私のような一介の傭兵もどきにわざわざ会おうとするだなんて師団長っていうのも随分暇な役職なんですね」
「はっ、お前さんが本当に一介の傭兵だってんなら普通にシカトしてるさ。お前さんだからこそ会いたかったんだよ……何しろお前さんは古い戦友だからな」
キースはおよそこの人には似合わない穏やかな眼差しでそんなことを言う。
嫌な眼だと、そう思った。
けれど、同時に分かってもいた。
この人はきっと、こういう眼で私を見てくるのだろうと。
まるで今ではなく過去を見つめるような。此処ではない遠い何処かの――眩しい何かを懐かしむような、そんな表情。
ああ、そうだ。
私はこういう眼が見たくなくて、この人に会いたくなかった。
「ところで、さっきから怖い眼で睨んでるそっちの坊主がセリアちゃんが言ってた記憶喪失の少年かい?」
キースの視線がソラへと向けられる。
見ると、キースの言った通りソラの表情にいつもの笑顔はなく、眦は吊り上がり、明確な怒気を放っていた。
「何か言いたげだな、坊主。いいぜ? 文句があるなら聞いてやる」
にぃ、とキースが野太い笑みを浮かべてみせる。
いや、ホント凶悪な顔面よね、このオヤジ。
多分気の弱いヤツなら大人でも腰を抜かすと思う。
まだ幼いソラには相当のプレッシャーだろう。
けれど、ソラは一歩も退かず、不快感も露わに鋭く切り返した。
「お気遣いどうも。それなら言わせてもらいますけど、さっきのはミリーさんの言う通り挨拶なんかじゃないと思います。団長っていうのがどれだけ偉いのか知りませんけど、いい歳して少しハシャぎ過ぎなんじゃないですか?」
「ちょっ、ソラ君⁉」
遠慮も忖度もないソラの皮肉に、ミリーが冷や汗を垂らす。
けど、言われた当のキースはむしろ面白そうに口元を吊り上げた。
「一般的にはそうかもな。だが、俺も嬢ちゃんも魔術士だ。魔術士には魔術士の流儀ってもんがある。今のだってその一環さ。実際、嬢ちゃんも何も言っちゃこねぇだろ?」
「そうかもしれませんね。だから僕も何かを言う気はありませんでした。それなのに、話をわざわざ掘り下げたのはそっちでしょ?」
「……へえ? 言うじゃねえか、坊主」
キースが静かにパイプを咥える。
そして次の瞬間、キースの身体から紫色の魔力が一気に迸った。
「――ッ⁉ 団長ッ‼」
室内の空気が重力を増したように重く圧し掛かってくる。ミリーが表情を青ざめさせ、堪らず叫んだ。
――〝戦鬼〟。
それが、目の前の男に与えられた〝銘〟。
人魔大戦を生き残った魔術士は畏敬の念を込めて〝英雄〟と称されるが、とりわけキースは大戦時代、最激戦区と言われた北方領土で腕を磨き、〝銘持ち〟に至った一騎当千の古強者。
生半可な魔術士では、この男の前に立つことすら出来ない。
キースの強大な魔力に晒され、ソラの小さな身体が吹き飛ばされそうになる。
けれど、
「―――ッ、あああああああああああああああッッ‼」
ダンッ、と、ソラは渾身の力を込めて一歩前へ足を踏み出した。
歯を食いしばり、全身から汗を噴き出しながらも絶対に退かぬとばかりにキースを鋭く睨みつける。
「――ほう」
キースが感嘆の息を吐く。
そこでキースは初めて探るように目の前の少年をまじまじと見つめた。
「なるほどな。デカい口叩くだけあって根性はそれなりか。それに、まだまだ弱っちろいが魔力を感じる。坊主……お前さんも魔術遣いだな?」
「……だったらっ、何ですか……っ」
ふー、ふー、と呼吸を荒く乱しながら、吐き捨てるようにソラは言った。
「恐怖に震えながらも立ち向かってみせる……か。いいぞ。女みてえな顔しちゃいるが、中々の気概じゃねぇか」
くく、とキースの唇に笑みが過る。
するとそれまで充満していた魔力が立ちどころに消え去り、室内の空気も重圧から解放されたように軽くなった。
「意地の悪い真似して悪かったな、坊主。お前さんの言う通り、久しぶりに旧友に会えて少しハシャいじまったみてぇだ」
「……謝る相手は僕じゃないと思いますけど」
「ふむ。ま、正論だな」
キースは咥えていたパイプを、パン、と打ち鳴らす。
「さて、お前さんたち確か支部内の見学をしたいんだったか? いいぜ、好きに見ていきな。ただし、アウローラの嬢ちゃんだけは少し残れ」
「……は?」
キースの言葉に思わず警戒心を強める。
「どういうことですか、ヴァイルシュタイン卿」
「そう怖い顔すんな。別に取って食いやしねえよ。単にかつての戦友ともう少し話をしたいってだけさ。十年ぶりなんだ。それぐらい構わねえだろ?」
その戦友にいきなり斬りかかってきたくせに何を言ってるんだか。
本当にこの男はどういう神経をしているのだろうか。
「……アウローラ」
ソラが判断を委ねるように私に視線を向けてくる。
結局心の中で盛大に溜息をついて、ミリーに声をかけた。
「悪い、ミリー。後で合流する。先に行っててくれ」
「え、ええ。それは構わないけど……アウローラ、大丈夫なの?」
「ああ、こっちは問題ない。それより、そいつのことを頼む。そいつに何かあったらセリアのやつが色々とうるさそうだから」
本心からそう言って、私は二人を部屋から追い出す。
ただ部屋の扉が閉まる直前までソラは心配そうに私を見つめていた。
やや短めの茶髪を整髪料で完璧に整えている。
眉間から左頬にかけて大きな傷があって、筋骨隆々の体躯も相まり見た目は騎士団長というより完全にマフィアのボスといった風体だ。
「だ、団長っ⁉ いきなり何をしてるんですかっ⁉」
突然の事態に混乱しながらもミリーが大男に食って掛かる。
「よう、エイベル。久しぶりに珍しい客が来るって言うからよ。ちょいと挨拶をな」
「今のはちょいとでも挨拶でもありませんでしたよ⁉」
あたふたしているミリーを余所に、キースはあくまで飄々とした態度だ。
軽く戦斧を振るうと、外殻を象っていた魔力は解かれ、戦斧は粒子と消え、アンティークな喫煙具だけがキースの無骨な掌に収まった。
「ほれ、こっちは武器を下ろしたぞ。そっちもこの物騒なの仕舞っちゃくれねぇか? お前さんも俺が本気で斬りかかったわけじゃねぇいことくらい剣圧の重みで分かるだろ?」
「………」
周囲を取り囲む剣軍をちょいちょいとわざとらしく指さしているのが頭にくる。
ちっ、と舌打ちしつつ『第九の剣軍』を解除し、鞘へと納めた。
「久しぶりだな、嬢ちゃん。良い女になったじゃねえか」
「……お久しぶりです、ヴァイルシュタイン卿。そっちは極悪ヅラにますます磨きがかかったようで」
「かかっ! 十年経っても憎まれ口は変わんねえな。見てくれは上等だってのに、中身がそんなんじゃ男だって寄ってこねえだろ?」
何を余計なこと言ってくれてんのよ、このクソオヤジ。
「ほっといてください。それよりも私のような一介の傭兵もどきにわざわざ会おうとするだなんて師団長っていうのも随分暇な役職なんですね」
「はっ、お前さんが本当に一介の傭兵だってんなら普通にシカトしてるさ。お前さんだからこそ会いたかったんだよ……何しろお前さんは古い戦友だからな」
キースはおよそこの人には似合わない穏やかな眼差しでそんなことを言う。
嫌な眼だと、そう思った。
けれど、同時に分かってもいた。
この人はきっと、こういう眼で私を見てくるのだろうと。
まるで今ではなく過去を見つめるような。此処ではない遠い何処かの――眩しい何かを懐かしむような、そんな表情。
ああ、そうだ。
私はこういう眼が見たくなくて、この人に会いたくなかった。
「ところで、さっきから怖い眼で睨んでるそっちの坊主がセリアちゃんが言ってた記憶喪失の少年かい?」
キースの視線がソラへと向けられる。
見ると、キースの言った通りソラの表情にいつもの笑顔はなく、眦は吊り上がり、明確な怒気を放っていた。
「何か言いたげだな、坊主。いいぜ? 文句があるなら聞いてやる」
にぃ、とキースが野太い笑みを浮かべてみせる。
いや、ホント凶悪な顔面よね、このオヤジ。
多分気の弱いヤツなら大人でも腰を抜かすと思う。
まだ幼いソラには相当のプレッシャーだろう。
けれど、ソラは一歩も退かず、不快感も露わに鋭く切り返した。
「お気遣いどうも。それなら言わせてもらいますけど、さっきのはミリーさんの言う通り挨拶なんかじゃないと思います。団長っていうのがどれだけ偉いのか知りませんけど、いい歳して少しハシャぎ過ぎなんじゃないですか?」
「ちょっ、ソラ君⁉」
遠慮も忖度もないソラの皮肉に、ミリーが冷や汗を垂らす。
けど、言われた当のキースはむしろ面白そうに口元を吊り上げた。
「一般的にはそうかもな。だが、俺も嬢ちゃんも魔術士だ。魔術士には魔術士の流儀ってもんがある。今のだってその一環さ。実際、嬢ちゃんも何も言っちゃこねぇだろ?」
「そうかもしれませんね。だから僕も何かを言う気はありませんでした。それなのに、話をわざわざ掘り下げたのはそっちでしょ?」
「……へえ? 言うじゃねえか、坊主」
キースが静かにパイプを咥える。
そして次の瞬間、キースの身体から紫色の魔力が一気に迸った。
「――ッ⁉ 団長ッ‼」
室内の空気が重力を増したように重く圧し掛かってくる。ミリーが表情を青ざめさせ、堪らず叫んだ。
――〝戦鬼〟。
それが、目の前の男に与えられた〝銘〟。
人魔大戦を生き残った魔術士は畏敬の念を込めて〝英雄〟と称されるが、とりわけキースは大戦時代、最激戦区と言われた北方領土で腕を磨き、〝銘持ち〟に至った一騎当千の古強者。
生半可な魔術士では、この男の前に立つことすら出来ない。
キースの強大な魔力に晒され、ソラの小さな身体が吹き飛ばされそうになる。
けれど、
「―――ッ、あああああああああああああああッッ‼」
ダンッ、と、ソラは渾身の力を込めて一歩前へ足を踏み出した。
歯を食いしばり、全身から汗を噴き出しながらも絶対に退かぬとばかりにキースを鋭く睨みつける。
「――ほう」
キースが感嘆の息を吐く。
そこでキースは初めて探るように目の前の少年をまじまじと見つめた。
「なるほどな。デカい口叩くだけあって根性はそれなりか。それに、まだまだ弱っちろいが魔力を感じる。坊主……お前さんも魔術遣いだな?」
「……だったらっ、何ですか……っ」
ふー、ふー、と呼吸を荒く乱しながら、吐き捨てるようにソラは言った。
「恐怖に震えながらも立ち向かってみせる……か。いいぞ。女みてえな顔しちゃいるが、中々の気概じゃねぇか」
くく、とキースの唇に笑みが過る。
するとそれまで充満していた魔力が立ちどころに消え去り、室内の空気も重圧から解放されたように軽くなった。
「意地の悪い真似して悪かったな、坊主。お前さんの言う通り、久しぶりに旧友に会えて少しハシャいじまったみてぇだ」
「……謝る相手は僕じゃないと思いますけど」
「ふむ。ま、正論だな」
キースは咥えていたパイプを、パン、と打ち鳴らす。
「さて、お前さんたち確か支部内の見学をしたいんだったか? いいぜ、好きに見ていきな。ただし、アウローラの嬢ちゃんだけは少し残れ」
「……は?」
キースの言葉に思わず警戒心を強める。
「どういうことですか、ヴァイルシュタイン卿」
「そう怖い顔すんな。別に取って食いやしねえよ。単にかつての戦友ともう少し話をしたいってだけさ。十年ぶりなんだ。それぐらい構わねえだろ?」
その戦友にいきなり斬りかかってきたくせに何を言ってるんだか。
本当にこの男はどういう神経をしているのだろうか。
「……アウローラ」
ソラが判断を委ねるように私に視線を向けてくる。
結局心の中で盛大に溜息をついて、ミリーに声をかけた。
「悪い、ミリー。後で合流する。先に行っててくれ」
「え、ええ。それは構わないけど……アウローラ、大丈夫なの?」
「ああ、こっちは問題ない。それより、そいつのことを頼む。そいつに何かあったらセリアのやつが色々とうるさそうだから」
本心からそう言って、私は二人を部屋から追い出す。
ただ部屋の扉が閉まる直前までソラは心配そうに私を見つめていた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
旦那様、離婚してくださいませ!
ましろ
恋愛
ローズが結婚して3年目の結婚記念日、旦那様が事故に遭い5年間の記憶を失ってしまったらしい。
まぁ、大変ですわね。でも利き手が無事でよかったわ!こちらにサインを。
離婚届?なぜ?!大慌てする旦那様。
今更何をいっているのかしら。そうね、記憶がないんだったわ。
夫婦関係は冷めきっていた。3歳年上のキリアンは婚約時代から無口で冷たかったが、結婚したら変わるはずと期待した。しかし、初夜に言われたのは「お前を抱くのは無理だ」の一言。理由を聞いても黙って部屋を出ていってしまった。
それでもいつかは打ち解けられると期待し、様々な努力をし続けたがまったく実を結ばなかった。
お義母様には跡継ぎはまだか、石女かと嫌味を言われ、社交会でも旦那様に冷たくされる可哀想な妻と面白可笑しく噂され蔑まれる日々。なぜ私はこんな扱いを受けなくてはいけないの?耐えに耐えて3年。やっと白い結婚が成立して離婚できる!と喜んでいたのに……
なんでもいいから旦那様、離婚してくださいませ!
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
何度も死に戻りで助けてあげたのに、全く気付かない姉にパーティーを追い出された 〜いろいろ勘違いしていますけど、後悔した時にはもう手遅れです〜
超高校級の小説家
ファンタジー
武門で名を馳せるシリウス男爵家の四女クロエ・シリウスは妾腹の子としてプロキオン公国で生まれました。
クロエが生まれた時にクロエの母はシリウス男爵家を追い出され、シリウス男爵のわずかな支援と母の稼ぎを頼りに母子二人で静かに暮らしていました。
しかし、クロエが12歳の時に母が亡くなり、生前の母の頼みでクロエはシリウス男爵家に引き取られることになりました。
クロエは正妻と三人の姉から酷い嫌がらせを受けますが、行き場のないクロエは使用人同然の生活を受け入れます。
クロエが15歳になった時、転機が訪れます。
プロキオン大公国で最近見つかった地下迷宮から降りかかった呪いで、公子が深い眠りに落ちて目覚めなくなってしまいました。
焦ったプロキオン大公は領地の貴族にお触れを出したのです。
『迷宮の謎を解き明かし公子を救った者には、莫大な謝礼と令嬢に公子との婚約を約束する』
そこそこの戦闘の素質があるクロエの三人の姉もクロエを巻き込んで手探りで迷宮の探索を始めました。
最初はなかなか上手くいきませんでしたが、根気よく探索を続けるうちにクロエ達は次第に頭角を現し始め、迷宮の到達階層1位のパーティーにまで上り詰めました。
しかし、三人の姉はその日のうちにクロエをパーティーから追い出したのです。
自分達の成功が、クロエに発現したとんでもないユニークスキルのおかげだとは知りもせずに。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる