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第二章 乗っ取られた国

53 教皇こんなので大丈夫?

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 一週間経っていることにやっと気付いた作者です。
 申し訳ないです。ごめんなさいm(__)m
 二日に一回とか言っときながら……
 とりあえず、月曜日は必ず更新する……つもり、で、いきたい(希望的)
 土日は更新する気はあまりないのであしからず。
 では、本編です。
―――――――――――――――

 コノハが冷めた目で男を見る。
 引いた。普通に引いた。
 
 (自意識過剰?それともただの馬鹿?)
 「世界?取れるわけないでしょ。無理に決まってる」
 
 引き過ぎて敬語も抜けた。
 しかし、流石と言うべきかコノハは油断なく戦いの姿勢は保ったままだ。
 馬鹿、とは思っているがさっき彼は「ここのトップ」と言った。つまりは教皇ということで間違いない。
 コノハがターゲットにしていた人がノコノコと現れたということだ。
 だが、教会は『洗脳』という手段を持っている。
 二人に今外部からの魔法は受け付けないと言ったが、例外が無いとは言い切れない。
 『麻痺』などの普通の状態異常魔法とは訳が違うのだ。
 彼女は近付いて来る男から微妙に顔を引きつらせながら一定の距離を保ちつつ次に備える。
 
 「ハハハ!確かに普通なら無理だろう。だが、教皇となり『この力』を手に入れた私なら不可能ではない!」
 
 教皇で合っていたようだが、こんなので教会任せて大丈夫なのだろうか?
 心底どうでもいいことが一瞬よぎったコノハだったが、頭を入れ替えて考える。
 
 『この力』と言われて思い付くのはやっぱり『洗脳』だろう。
 まぁ、洗脳してしまえば自分の思い通りに人を動かすことが出来るのだから。
 メリアローズやジークのように例外はいるが。
 とりあえず、洗脳が一番の心配事だ。自分の意思で自分を動かせなくなってしまえば、この行動は失敗に終わる。
 というか、その男の野望に一歩どころか十歩は進むだろう。
 コノハの力はそれほどまでに強力なのだ。
 
 (ということで)
 「……その、力とやらで世界を?」
 「ああ、…手始めにお前からやってやろう」
 
 コノハは自らかけるように誘導するという博打に出た。
 マスターがその話を聞いたら「……お前さ、本当に何やってんの?」と呆れ顔になるだろう。
 
 彼女はめんどいのは嫌いなのでチャチャと片付けるには、洗脳を受けずにサラッと教皇を倒すのが一番手っ取り早いのだが、そうしないのは理由があった。
 
 (何か、嫌な予感がする)
 
 教皇を倒すために攻撃してはいけないような気がするのだ。
 逆に言われればそれだけだが、こういう時のコノハの勘は当たる。
 びっくりするほど当たる。
 
 「っ!?何故だ!?何故洗脳にかからない!?」
 
 そしていつのまにか『洗脳』の魔法がコノハにかかっていたようで、それはいつのまにか自分ではね返していたらしい。
 どうやら“受け付けない魔法”の中に洗脳も入っていたようだ。
 その証拠に今まで余裕綽々だった、教皇が焦っていた。ギャアギャアわめいている。
 
 ……というか心配事なのにこの興味のなさでいいのだろうか……
 
 いや、そんなことよりも。
 
 (魔力の動きが無かった……?どういうこと?)
 
 コノハはそんな教皇を無視して冷静に頭を回転させていた。
 別にコノハは洗脳をかけようとしていた教皇に、考え事にしていた故にずっと注視していた訳ではなかったが、それでも魔力が動くことくらいは感知出来るし、というかやろうとしていた。
 
 魔法を生み出すまでには、まず魔法のコマンド、つまりスタートとなる詠唱をし、それによって魔力が反応。魔力が形を変えて出来るのが魔法だ。
 そこで魔力が少なすぎては魔法が成功しないし、多すぎれば制御出来なくなる可能性がある。
 教皇の様子からして成功し、それを私がはね返したようだが、それはつまり魔力が動いたことに他ならない。
 
 だが、それを感じることはなかった。
 
 魔法が成功したのに魔力が動かなかったのはあり得ない。
 
 どういうこと?とコノハはまた首を傾げた。
 
 なお、今現在も教皇は「何故何故」と騒いでいるがコノハは思考の渦に入り込んでいるため、全く眼中に無かった。
 
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