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第二章 乗っ取られた国
52 は?何言ってるの?こいつ。
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「ふぅ。上手くいった」
コノハは正気を取り戻した動物たちが、彼女の威圧感(コノハは何もやっていないが、野生の勘でオーラを感じた)で教会にある沢山の、結露がついた窓ガラスを体当たりでバンバン壊しながら(コノハが怖くて)逃げていくのは見ていた。
広間がどんどん無惨なことになっているが、まぁ、コノハの知ったことではない。
思ったのは、
(隠密行動の意味無いような気がするなぁ。割るならもうちょっと静かに……)
だった。
動物たちにとっては強敵から逃げることが最優先なので、隠密もへったくれもないが。
コノハは彼らが洗脳が解けた瞬間逃げた理由をよくわかっていなかったが、これ幸いと彼らがつけていた魔道具を片っ端から回収していく。
その魔道具は繋目が破損しただけで、魔石も傷も少なく良い状態を保っている。
撃退メンバー故に、ライオンなどの大型の動物も多く、その分魔石も大きかったのでコノハとしては、うはうはな気分だった。
ついでにカラスたちも同時に倒しておいた。
コノハの考えた作戦はこうだ。
まず、広間の真ん中に誘い込むことで遠くにいるやつらも自分の近くに寄せる。
動物たちの魔道具のついている位置を確認するために都合が良い。
それは『火弾』――その魔法で出来た高温の青い火の玉を魔道具にぶつけ、その一点を一瞬にして上げることにも必要だった。
前のカラスの一件で調べた時に魔道具は鉄で出来ていたことをコノハは知っていた。
そして『氷結』の魔法が発動し、また一瞬にして冷やされたそれは、遂に耐えられなくなり、壊れてしまった。
ただ、高温にしてから急速に冷やしただけ。
言ってしまえばただそれだけのこと。
しかし、魔道具の位置を正確に把握し、同時に高温にするというのは普通無理だ。
あの100以上もいる動物の中で体当たりだけといえども躱すのが精一杯だろう。
それに一瞬で青い火の玉を作ることも、一瞬で気温を氷点下に下げることも普通無理である。
『火弾』の方は違うが、『氷結』の方はコノハの開発したオリジナル魔法だ。
まぁ、普通の火玉は青ではなく、赤だが。
気温の低い広間でさっき動物たちが壊していった窓から外の生暖かい風が吹き込む。
コノハはあらかた魔道具を回収し、本来の目的である教皇を探そうと動こうとした。
「―――素晴らしい」
声が聞こえた。若い男の声だった。
コノハにとっては背中から。広間の奥の扉からだ。
恐らくあれは関係者の部屋に繋がっているのだろう。
その声に、コノハは驚かなかった。
カラスと違い気配には気づいていたからだ。
ただ、目立った動きはなかったので寝ているものだと思っていたが。
まぁ、あんなにどんちゃんやってたら寝るにも寝れないが。
「………誰ですか?」
コノハはローブを目深く被っているのを確認しつつ、くるりと振り返る。
月明りが逆光で顔が全く見えない。背の高さはマスターと同じくらいだろうか。
だが、その男の服は教会関係者とは思えないほどキラキラと輝いているのが分かる。
宝石だ。
基本的に教会関係者は神よりも目立ってはいけないので、宝石がついた装飾品は身につけない。
そもそも教会に普通そんな余裕はない。
コノハが心底呆れた顔で見ているとこちらに近づいてきたその人はこう言った。
「ここのトップ――そして後に世界を統一させる男だ!!!」
(え、何言ってるの?こいつ)
コノハは呆れた顔に冷めた目を追加した。
コノハは正気を取り戻した動物たちが、彼女の威圧感(コノハは何もやっていないが、野生の勘でオーラを感じた)で教会にある沢山の、結露がついた窓ガラスを体当たりでバンバン壊しながら(コノハが怖くて)逃げていくのは見ていた。
広間がどんどん無惨なことになっているが、まぁ、コノハの知ったことではない。
思ったのは、
(隠密行動の意味無いような気がするなぁ。割るならもうちょっと静かに……)
だった。
動物たちにとっては強敵から逃げることが最優先なので、隠密もへったくれもないが。
コノハは彼らが洗脳が解けた瞬間逃げた理由をよくわかっていなかったが、これ幸いと彼らがつけていた魔道具を片っ端から回収していく。
その魔道具は繋目が破損しただけで、魔石も傷も少なく良い状態を保っている。
撃退メンバー故に、ライオンなどの大型の動物も多く、その分魔石も大きかったのでコノハとしては、うはうはな気分だった。
ついでにカラスたちも同時に倒しておいた。
コノハの考えた作戦はこうだ。
まず、広間の真ん中に誘い込むことで遠くにいるやつらも自分の近くに寄せる。
動物たちの魔道具のついている位置を確認するために都合が良い。
それは『火弾』――その魔法で出来た高温の青い火の玉を魔道具にぶつけ、その一点を一瞬にして上げることにも必要だった。
前のカラスの一件で調べた時に魔道具は鉄で出来ていたことをコノハは知っていた。
そして『氷結』の魔法が発動し、また一瞬にして冷やされたそれは、遂に耐えられなくなり、壊れてしまった。
ただ、高温にしてから急速に冷やしただけ。
言ってしまえばただそれだけのこと。
しかし、魔道具の位置を正確に把握し、同時に高温にするというのは普通無理だ。
あの100以上もいる動物の中で体当たりだけといえども躱すのが精一杯だろう。
それに一瞬で青い火の玉を作ることも、一瞬で気温を氷点下に下げることも普通無理である。
『火弾』の方は違うが、『氷結』の方はコノハの開発したオリジナル魔法だ。
まぁ、普通の火玉は青ではなく、赤だが。
気温の低い広間でさっき動物たちが壊していった窓から外の生暖かい風が吹き込む。
コノハはあらかた魔道具を回収し、本来の目的である教皇を探そうと動こうとした。
「―――素晴らしい」
声が聞こえた。若い男の声だった。
コノハにとっては背中から。広間の奥の扉からだ。
恐らくあれは関係者の部屋に繋がっているのだろう。
その声に、コノハは驚かなかった。
カラスと違い気配には気づいていたからだ。
ただ、目立った動きはなかったので寝ているものだと思っていたが。
まぁ、あんなにどんちゃんやってたら寝るにも寝れないが。
「………誰ですか?」
コノハはローブを目深く被っているのを確認しつつ、くるりと振り返る。
月明りが逆光で顔が全く見えない。背の高さはマスターと同じくらいだろうか。
だが、その男の服は教会関係者とは思えないほどキラキラと輝いているのが分かる。
宝石だ。
基本的に教会関係者は神よりも目立ってはいけないので、宝石がついた装飾品は身につけない。
そもそも教会に普通そんな余裕はない。
コノハが心底呆れた顔で見ているとこちらに近づいてきたその人はこう言った。
「ここのトップ――そして後に世界を統一させる男だ!!!」
(え、何言ってるの?こいつ)
コノハは呆れた顔に冷めた目を追加した。
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