竜殺しの少女は平凡に過ごしたい

柊 レイ

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第一章 始まり

12 逃げる準備 その2 同情はしないよ?

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 みなさん、こんにちは。
 柊レイです。

 コノハの瞳をアメジスト色(紫)にしていましたが、ラピスラズリ色(青)に変更しました。
 
 前回はっちゃけたので、今回は半分くらいは真面目にやった………はず!

──────────────


 さて、大分話が逸れたので元に戻す。
 
 (え~~とぉ、マジックボックスの話あたり?)
 
 彼を思い出したせいで多少ムカムカしていたが、何事もなかったように軌道修正。
 
 
 
 
 マジックボックスは使用者の魔力ではなく、空気中に漂う魔力を自動で取り込むため、収納魔法のような大惨事にはならない。
 ……マジックボックスの機能が正常に作動していればの話であるが。
 
 マジックボックスは良く重宝される魔道具の一つでその手の店ではよく売っている。
 しかし、その性能はピンキリで高ければ高いほど性能はいいが、安い物は見た目とほとんど変わらない程度の機能しか持たない物もある。
 要するにただのバッグを高値で買わされる詐欺まがいのこともよくあるのだ。
 
 だが、それでもいい方だ。
 最悪はそもそもマジックボックスの基本、『魔力は空気中から取り込む』という大前提が機能していないことである。
 使用者が大量の魔力を取られ、意識が朦朧とすることになる。
 悪い時には倒れる。死ぬ。
 
 世にいう、魔力切れだ。
 
 だから買うときにはみんな真剣である。
 
 ちなみに、何で コ ノ ハ 大量魔力持ちが収納魔法を使えるのにマジックボックスを作っているのかというと、単純に不安だから。
 いくら魔力があるからと言って、今の彼女の魔力の状況で魔法がおかしくなって中身がなくなるのは困る。
 だから、マジックボックスである。
 
 自分で作るのは、外に出たくないのと、いろんな店に行ってああでもない、こうでもないと吟味するのが面倒だからである。
 そもそも王城に行くのに2日かかる国の端の田舎の町に性能のいいマジックボックスはないし、自分で作った方が楽だから。
 
 
 
 ……中身がなくなるという不安を知り、あの冒険者の気持ちがやっっっとわかったような気がする(だからといって同情はしない)コノハだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 「よし。で~きたぁ!」
 
 制作時間、およそ1時間と30分。
 
 早すぎである。
 
 普通、だいたい見た目の2倍は入るかな?っていうレベルのマジックボックスでも制作は一週間はかかる。
 
 「さぁ、どれくらい入るかなぁ~」
 
 コノハは収納魔法の中身を全てマジックボックスに入れた。
 彼女の収納魔法は服やらなにやらがまとめて全てぶちこんである。
 収納魔法は中身が多いほど、どんどん使用者の魔力を奪っていくので普通外出する時、必要な物だけを入れ、帰ったらすぐに出す。

 これ、常識。
 
 しかし、彼女にはその常識は通じない。
 
 余るほど魔力があるので。

 コノハは収納魔法を常時発動させ、「とりあえず」で物を入れる。
 大量に物が入っているはずだ。
 だって一度入れてほったらかしの物もけっこうあるだろうから。

 
 コノハはめんどくさがりなのだから。

 
 だから本人も何が入っているかよくわかっていなかった。
 
 
 
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