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第23話 愛を感じない
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聡の性技は格段に進歩していた。
付き合っていた頃のそれとは異なり、女を学んでいたようだ。
おろらくそれは前の奥さんから仕込まれたものだろう。
絶妙な愛撫の強弱、ねっとりとしたとろけるような口づけ。
乳首も舌で転がされ、甘噛みされて強く吸われた。
以前は興味を示さなかった私の背中にも、つつーっと舌を移動させ、それを何度も繰り返しながら、焦らすように両手で乳房を揉みしだいたりもした。
「はあ、ん、んんっ」
アナルを舌で舐められながら、中指でGスポットを攻められ、私を翻弄した。
冴島に女を開発された私は絶叫し、何度も果てた。
私も負けてはいなかった。
若い頃の私は聡のセックスに対して受け身だったが、今は違う。
男の性感帯やその慰め方も冴島から学んでいたからだ。
私たちは久しぶりのお互いの身体を貪りあった。
私は冴島を失い、家族も失った。
そして聡も家族を失い、職も捨てた。
私と聡は失った時間を埋めるかのように、狂った獣になって行為に耽った。
たっぷりと濡れた私の花弁に聡は自身を激しく打ち付け、その度に私は歓喜の声を上げた。
「あん、あん、あん、あん・・・」
「遥、遥・・・」
聡は私の名を呼び続けたが、私はただ喘ぐだけで無言だった。
時を忘れたふたりに、いつの間にか夜が明けようとしていた。
聡の懐かしい腕に抱かれ、私は言った。
「私ね、バチが当たったの。結局、すべての愛を失ったわ・・・」
「そんなことはないよ、僕がいるじゃないか」
「聡とはもうダメ、エッチは出来てもあなたを愛することは出来ない」
「そんなことは言わないでくれ、必ず僕は遥の愛を取り戻してみせる」
「でももう遅いの。あなたに抱かれている時、思ったの。この人とはやっぱり一緒に暮らせないと」
「なぜそんな風に思うんだ、僕は今も遥を愛している」
「聡、男と女は違うのよ、特に子供を産んだ女はね。
愛せないんじゃなくて、愛を感じなくなったの、あなたに」
「これから俺はどうすればいいんだ?」
「さよならするしかないでしょうね」
「そんなの絶対に嫌だ、俺は遥を愛しているんだ、僕には遥が必要なんだよ!」
「聡、いい加減に気付いて頂戴。私があなたに興味がなくなったのは、あなたのそういう独りよがりなところなのよ。自分はどうすればいいんだじゃなくて、私に聡が何が出来るかでしょう?
もう終わりにしましょう、聡を嫌いになりたくないから。
でもうれしかった、あなたにそんな風に愛されて。
例え終わった恋でも、女は男からいつまでも想われていたいものだから」
私はそのままベッドを降りると、シャワーを浴びに行った。
放心状態の聡を遺したままで。
私は実家に戻り、母に今回の顛末を話した。
母はじっと私の話を聞いて、最後にこう言った。
「遥、人生はね、しあわせに生きるためにあるのよ。
あなたが決めた事ならお母さんは何も言わないわ。どんなことがあっても私はあなたを守ってあげる、だから安心しなさい」
私は声をあげて泣いた。
無限の母の愛を感じ、母に心配を掛けたことを後悔した。
これから本当の意味での私の人生が始まろうとしていた。
付き合っていた頃のそれとは異なり、女を学んでいたようだ。
おろらくそれは前の奥さんから仕込まれたものだろう。
絶妙な愛撫の強弱、ねっとりとしたとろけるような口づけ。
乳首も舌で転がされ、甘噛みされて強く吸われた。
以前は興味を示さなかった私の背中にも、つつーっと舌を移動させ、それを何度も繰り返しながら、焦らすように両手で乳房を揉みしだいたりもした。
「はあ、ん、んんっ」
アナルを舌で舐められながら、中指でGスポットを攻められ、私を翻弄した。
冴島に女を開発された私は絶叫し、何度も果てた。
私も負けてはいなかった。
若い頃の私は聡のセックスに対して受け身だったが、今は違う。
男の性感帯やその慰め方も冴島から学んでいたからだ。
私たちは久しぶりのお互いの身体を貪りあった。
私は冴島を失い、家族も失った。
そして聡も家族を失い、職も捨てた。
私と聡は失った時間を埋めるかのように、狂った獣になって行為に耽った。
たっぷりと濡れた私の花弁に聡は自身を激しく打ち付け、その度に私は歓喜の声を上げた。
「あん、あん、あん、あん・・・」
「遥、遥・・・」
聡は私の名を呼び続けたが、私はただ喘ぐだけで無言だった。
時を忘れたふたりに、いつの間にか夜が明けようとしていた。
聡の懐かしい腕に抱かれ、私は言った。
「私ね、バチが当たったの。結局、すべての愛を失ったわ・・・」
「そんなことはないよ、僕がいるじゃないか」
「聡とはもうダメ、エッチは出来てもあなたを愛することは出来ない」
「そんなことは言わないでくれ、必ず僕は遥の愛を取り戻してみせる」
「でももう遅いの。あなたに抱かれている時、思ったの。この人とはやっぱり一緒に暮らせないと」
「なぜそんな風に思うんだ、僕は今も遥を愛している」
「聡、男と女は違うのよ、特に子供を産んだ女はね。
愛せないんじゃなくて、愛を感じなくなったの、あなたに」
「これから俺はどうすればいいんだ?」
「さよならするしかないでしょうね」
「そんなの絶対に嫌だ、俺は遥を愛しているんだ、僕には遥が必要なんだよ!」
「聡、いい加減に気付いて頂戴。私があなたに興味がなくなったのは、あなたのそういう独りよがりなところなのよ。自分はどうすればいいんだじゃなくて、私に聡が何が出来るかでしょう?
もう終わりにしましょう、聡を嫌いになりたくないから。
でもうれしかった、あなたにそんな風に愛されて。
例え終わった恋でも、女は男からいつまでも想われていたいものだから」
私はそのままベッドを降りると、シャワーを浴びに行った。
放心状態の聡を遺したままで。
私は実家に戻り、母に今回の顛末を話した。
母はじっと私の話を聞いて、最後にこう言った。
「遥、人生はね、しあわせに生きるためにあるのよ。
あなたが決めた事ならお母さんは何も言わないわ。どんなことがあっても私はあなたを守ってあげる、だから安心しなさい」
私は声をあげて泣いた。
無限の母の愛を感じ、母に心配を掛けたことを後悔した。
これから本当の意味での私の人生が始まろうとしていた。
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