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第12話
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「パパー、ママー! かわゆい娘のサファイアが帰って来たよー! パーパアーっ!ママーっ!」
「侯爵様、サファイア様がお帰りになりました!」
「おお我が娘、サファイアよ!
目の中に入れても痛くはないぞ! ちょっと睫毛が入っても痛いというのにだ!
サファイアなら痛くても目に入れても良いぞ!
マヨネーズをかけて食べてしまいたいくらいじゃ!」
サファイアを強く抱きしめるコバルト侯爵。
「あははは、パパ、お髭が痛いよー!」
「すまん、すまん。
お帰りサファイア。もうどこへも行かんでくれ、我が娘よ!」
「ごめんねパパ。
顔を見に寄っただけだから、また行かなければならないの」
「おお、我がサファイア。
行かないでおくれ、このまま城に留まって、ガーネットと私を癒しておくれ!」
「ごめんなさいパパ。大好きよ、チュ」
「おー、我がサファイアー!」
コバルト侯爵は一人娘のサファイアが好きで好きでたまらず、そのまま嬉しさのあまり泡を吹いて倒れてしまった。ブクブク
それを見ていた妃のガーネット。
「あらあら気絶しちゃって。侯爵ともあろうお方が。
本当にこの人、サファイアが大好きなんだから。
奥さんの私よりも娘が大好きなんてねー?
お帰りなさい、サファイア」
「ただいまー、ママー!
相変わらず綺麗よ、ママ!」
「ありがとう、サファイア」
ガーネット侯爵夫人は、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花みたいな美人だった。
20歳でサファイアを産んだので、今、夫人は42歳。女ざかりである。しかもあっちのテクニックも凄い。ソープランドでも働けるほどだった。
それなのにである。サファイアの6歳年上の28歳の姉にしか見えず、しかも巨乳。
竹下通りを歩いていると、芸能プロダクションやらAV女優のスカウトマンやら、ヤンキー、そして『家ついて行っていいですか?』のスタッフまでが声をかけて来る始末。
「タクシー代をお支払いしますので、家ついて行ってもいいですか?」
「そんなこと言って、本当はAVなんじゃないの?」
ナンパされまくりのガーネット夫人だった。
「お食事くらいしていけないの? パパが悲しむわよ」
「ママ、私はもうオバサンさんなのよ。三十路もすぐそこまで迫っているわ。
パパにもそろそろ子離れしてもらわないと」
「それはそうだけどー。寂しいのよパパは」
「ごめんなさいね? また帰って来るから。今度は彼氏を連れて。
今日はちょっとママたちの顔を見に寄っただけだから」
「そう。レイモンドは元気?」
「もうビンビン、じゃなかったすごく元気よ、スカイツリーくらいに」
「まあ、昔からそうだけどね。
悪い人じゃないわよ、レイモンドは。
私はローレライに負けてパパと結婚したんだけど、今はしあわせよ」
ガーネット夫人はローレライとレイモンドを取り合った仲だったが親友でもあったのだ。
「じゃあ、また来るね? 元気でね、ママ」
「あなたもね? サファイア」
実はサファイアが城に戻って来たのには理由があった。
盗聴器を取りに帰って来たのだ。
エメラルドの部屋に仕掛けるために。
「エメラルドは手強いわ。まずは情報収集が大事。
クロ、あんたこれをエメラルドの部屋に仕掛けてらっしゃい」
「えー、自分でおやりよー。
見つかったら宇都宮動物園で見せ物にされちゃうよー」
「大丈夫、あそこならお客さんは来ないから。
それからあんた、ローレライは知っていたわよ、エメラルドのこと」
「そりゃそうだよ。だってボク、ローレライから聞いたんだから」
「あんた、やっぱりお帽子にしてあげるからね!」
「わかったよー、やるよ、やればいいんでしょ?」
「ごちゃごちゃ言ってないで早く行きなさい!」
「アイアイサー!」
「絶対に負けないわよ、エメラルド!」
「侯爵様、サファイア様がお帰りになりました!」
「おお我が娘、サファイアよ!
目の中に入れても痛くはないぞ! ちょっと睫毛が入っても痛いというのにだ!
サファイアなら痛くても目に入れても良いぞ!
マヨネーズをかけて食べてしまいたいくらいじゃ!」
サファイアを強く抱きしめるコバルト侯爵。
「あははは、パパ、お髭が痛いよー!」
「すまん、すまん。
お帰りサファイア。もうどこへも行かんでくれ、我が娘よ!」
「ごめんねパパ。
顔を見に寄っただけだから、また行かなければならないの」
「おお、我がサファイア。
行かないでおくれ、このまま城に留まって、ガーネットと私を癒しておくれ!」
「ごめんなさいパパ。大好きよ、チュ」
「おー、我がサファイアー!」
コバルト侯爵は一人娘のサファイアが好きで好きでたまらず、そのまま嬉しさのあまり泡を吹いて倒れてしまった。ブクブク
それを見ていた妃のガーネット。
「あらあら気絶しちゃって。侯爵ともあろうお方が。
本当にこの人、サファイアが大好きなんだから。
奥さんの私よりも娘が大好きなんてねー?
お帰りなさい、サファイア」
「ただいまー、ママー!
相変わらず綺麗よ、ママ!」
「ありがとう、サファイア」
ガーネット侯爵夫人は、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花みたいな美人だった。
20歳でサファイアを産んだので、今、夫人は42歳。女ざかりである。しかもあっちのテクニックも凄い。ソープランドでも働けるほどだった。
それなのにである。サファイアの6歳年上の28歳の姉にしか見えず、しかも巨乳。
竹下通りを歩いていると、芸能プロダクションやらAV女優のスカウトマンやら、ヤンキー、そして『家ついて行っていいですか?』のスタッフまでが声をかけて来る始末。
「タクシー代をお支払いしますので、家ついて行ってもいいですか?」
「そんなこと言って、本当はAVなんじゃないの?」
ナンパされまくりのガーネット夫人だった。
「お食事くらいしていけないの? パパが悲しむわよ」
「ママ、私はもうオバサンさんなのよ。三十路もすぐそこまで迫っているわ。
パパにもそろそろ子離れしてもらわないと」
「それはそうだけどー。寂しいのよパパは」
「ごめんなさいね? また帰って来るから。今度は彼氏を連れて。
今日はちょっとママたちの顔を見に寄っただけだから」
「そう。レイモンドは元気?」
「もうビンビン、じゃなかったすごく元気よ、スカイツリーくらいに」
「まあ、昔からそうだけどね。
悪い人じゃないわよ、レイモンドは。
私はローレライに負けてパパと結婚したんだけど、今はしあわせよ」
ガーネット夫人はローレライとレイモンドを取り合った仲だったが親友でもあったのだ。
「じゃあ、また来るね? 元気でね、ママ」
「あなたもね? サファイア」
実はサファイアが城に戻って来たのには理由があった。
盗聴器を取りに帰って来たのだ。
エメラルドの部屋に仕掛けるために。
「エメラルドは手強いわ。まずは情報収集が大事。
クロ、あんたこれをエメラルドの部屋に仕掛けてらっしゃい」
「えー、自分でおやりよー。
見つかったら宇都宮動物園で見せ物にされちゃうよー」
「大丈夫、あそこならお客さんは来ないから。
それからあんた、ローレライは知っていたわよ、エメラルドのこと」
「そりゃそうだよ。だってボク、ローレライから聞いたんだから」
「あんた、やっぱりお帽子にしてあげるからね!」
「わかったよー、やるよ、やればいいんでしょ?」
「ごちゃごちゃ言ってないで早く行きなさい!」
「アイアイサー!」
「絶対に負けないわよ、エメラルド!」
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