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第3話 月面着陸
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「ところで宇宙にいるのに、無重力で体が浮かないぞ」
「それに俺たち、宇宙服もないままだし」
「やっぱりこれは夢か?」
するとジャックは言った。
「ちゃいまんがな。体が浮かんのは重力発生装置のおかげで、こうして横浜にいる時と変わらん状態でおるんは、エヴァンゲリヲンの「ATフィールド」で、この日本丸自体がシャボン玉のように覆われて、守られておるからや。
だけどな? これから月に下りたらこれを着けなはれ。そやないと即死でっせ」
「なるほど」
俺たちは宇宙服を装着した。
そして本船は次第に月面に近づいて行った。
「ほな、投錨しまっせー!
Stand by port anchor(左舷の錨を投錨準備せよ)!」
「Roger(了解)stand by port anchor,Sir」
「Let go port anchor(左舷錨、投錨)!
Five shackles on the deck(125m アンカーチェーンを繰り出し、船上で固定せよ)」
「よっしゃあー! ほな上陸しまっせー!
ホンマにワクワクしまんがなー!
ここではあんなことも、こんなことも、そんなこともやり放題でっせー!」
「でも俺たち、日本円しか持っていないぜ?」
「大丈夫や、クレジットカードなら殆ど使えますよって。
VISAでもアメックスでも大丈夫やさかい」
「月でカードが使えるのか?」
「そりゃそうや。ここは金持ちたちのパラダイスやからな。
ちなみにPayPayも使えまっせ」
「つまり月ではキャッシュレスというわけか?」
「それから皆さんはご存じかとは思いますが、ニュートンはんの考えた万有引力の法則。あれは宇宙では通用しまへんから要注意やで。
その天体の質量に比例し、その半径の二乗に反比例しますのや。
つまり、地球の質量は月の81.3倍、そして半径は3.67倍。
そやから81.3÷3.67÷3.67≒6.03 すなわち地球の重力の6分の1というわけや。
気いつけなはれや」
俺たちはaccommodation ladder(タラップ)を下した。
「宇宙飛行士はよくこんな重い服着てるよなあ?」
「ああ、何しろ120キロもあるらしいからな?
おかげで着るのに数時間もかかったよ」
「なにしろ月の赤道付近の温度は日中で110℃、そして夜になるとマイナス170℃にもなり、その温度差は280℃にも達するそうだ」
「35億年前には大気も存在していたんだろう?」
「そうらしいな?」
ジャックは月面にある乗物を指さした。
「これで行きますよってな? みなさん早う乗りなはれ」
「ジャック、お前・・・」
「ああこれでっか? これがワシのホンマの姿や。
宇宙人やさかいな?
これでも宇宙では結構モテるんやで。
宇宙の玉三郎、じゃなかった、宇宙の「キン玉タク」ゆうてからに。ウッシッシ」
なんとジャックはあの、ロズウェルの宇宙人と同じ姿になっていた。
「でもジャックはすごいよ、宇宙服無しで大丈夫なんだから」
「ワシら色んな星へ行くやろ? いつの間にかこないに進化してな? どんな星でも耐えられるようになったちゅうわけや。ええやろうー?」
「うーん、俺は今のままでいいかな?」
「俺も」
「それにチンチンが付いていないのもなあー」
「何言うてまんの? そやから地球人は遅れとる言うんや。
チンコなんて古い古い。
ワシらには穴がおまへん。しかも雌雄同体や。
男も女もあらへん、みんな同じ宇宙人や。既にLGBTは常識やで。
そして宇宙では婚姻関係もあらしまへん。セックスは脳でするもんやさかい。
食べなくても生きて行けるねん。それに不老不死やしな?
どや? ええやろうー?」
「すげー! 死なねえのか? お前たちは?」
「それじゃあ子孫はどうやって増やすんだ?」
「ワシらに子供はおらんのや。だって面倒やろ?
それに子育ては大変やで? 学校でいじめられてへんかとか心配するしな?
それに反抗するやろ? 親に。
ワテはイヤやで、金属バットで殴られたりしたら死なんけど痛いやん?
それにワシらは死なんさかい、命の継承がいらんのじゃ」
「じゃあどうして口も耳もないのに俺たちとこうして会話出来るんだ?」
「テレパシーでんがな。
だからチンコがなくても十分SEXは楽しめるんや。
どや? 羨ましいやろう?」
「それはどうかなあ?」
「どちらにしても俺たちのチンコもなあ。もう役には立たんしなあ。
ションベンするだけになっちまった」
「そうだよなあ、あの頃が懐かしいよ」
「まったくだ」
「まあそんなのはどうでもよろしい。
まずは実際の月のパラダイスがどうなっているか、探検せな」
俺たち7人は、ジャックの月面探査バスに乗り込んだ。
「それに俺たち、宇宙服もないままだし」
「やっぱりこれは夢か?」
するとジャックは言った。
「ちゃいまんがな。体が浮かんのは重力発生装置のおかげで、こうして横浜にいる時と変わらん状態でおるんは、エヴァンゲリヲンの「ATフィールド」で、この日本丸自体がシャボン玉のように覆われて、守られておるからや。
だけどな? これから月に下りたらこれを着けなはれ。そやないと即死でっせ」
「なるほど」
俺たちは宇宙服を装着した。
そして本船は次第に月面に近づいて行った。
「ほな、投錨しまっせー!
Stand by port anchor(左舷の錨を投錨準備せよ)!」
「Roger(了解)stand by port anchor,Sir」
「Let go port anchor(左舷錨、投錨)!
Five shackles on the deck(125m アンカーチェーンを繰り出し、船上で固定せよ)」
「よっしゃあー! ほな上陸しまっせー!
ホンマにワクワクしまんがなー!
ここではあんなことも、こんなことも、そんなこともやり放題でっせー!」
「でも俺たち、日本円しか持っていないぜ?」
「大丈夫や、クレジットカードなら殆ど使えますよって。
VISAでもアメックスでも大丈夫やさかい」
「月でカードが使えるのか?」
「そりゃそうや。ここは金持ちたちのパラダイスやからな。
ちなみにPayPayも使えまっせ」
「つまり月ではキャッシュレスというわけか?」
「それから皆さんはご存じかとは思いますが、ニュートンはんの考えた万有引力の法則。あれは宇宙では通用しまへんから要注意やで。
その天体の質量に比例し、その半径の二乗に反比例しますのや。
つまり、地球の質量は月の81.3倍、そして半径は3.67倍。
そやから81.3÷3.67÷3.67≒6.03 すなわち地球の重力の6分の1というわけや。
気いつけなはれや」
俺たちはaccommodation ladder(タラップ)を下した。
「宇宙飛行士はよくこんな重い服着てるよなあ?」
「ああ、何しろ120キロもあるらしいからな?
おかげで着るのに数時間もかかったよ」
「なにしろ月の赤道付近の温度は日中で110℃、そして夜になるとマイナス170℃にもなり、その温度差は280℃にも達するそうだ」
「35億年前には大気も存在していたんだろう?」
「そうらしいな?」
ジャックは月面にある乗物を指さした。
「これで行きますよってな? みなさん早う乗りなはれ」
「ジャック、お前・・・」
「ああこれでっか? これがワシのホンマの姿や。
宇宙人やさかいな?
これでも宇宙では結構モテるんやで。
宇宙の玉三郎、じゃなかった、宇宙の「キン玉タク」ゆうてからに。ウッシッシ」
なんとジャックはあの、ロズウェルの宇宙人と同じ姿になっていた。
「でもジャックはすごいよ、宇宙服無しで大丈夫なんだから」
「ワシら色んな星へ行くやろ? いつの間にかこないに進化してな? どんな星でも耐えられるようになったちゅうわけや。ええやろうー?」
「うーん、俺は今のままでいいかな?」
「俺も」
「それにチンチンが付いていないのもなあー」
「何言うてまんの? そやから地球人は遅れとる言うんや。
チンコなんて古い古い。
ワシらには穴がおまへん。しかも雌雄同体や。
男も女もあらへん、みんな同じ宇宙人や。既にLGBTは常識やで。
そして宇宙では婚姻関係もあらしまへん。セックスは脳でするもんやさかい。
食べなくても生きて行けるねん。それに不老不死やしな?
どや? ええやろうー?」
「すげー! 死なねえのか? お前たちは?」
「それじゃあ子孫はどうやって増やすんだ?」
「ワシらに子供はおらんのや。だって面倒やろ?
それに子育ては大変やで? 学校でいじめられてへんかとか心配するしな?
それに反抗するやろ? 親に。
ワテはイヤやで、金属バットで殴られたりしたら死なんけど痛いやん?
それにワシらは死なんさかい、命の継承がいらんのじゃ」
「じゃあどうして口も耳もないのに俺たちとこうして会話出来るんだ?」
「テレパシーでんがな。
だからチンコがなくても十分SEXは楽しめるんや。
どや? 羨ましいやろう?」
「それはどうかなあ?」
「どちらにしても俺たちのチンコもなあ。もう役には立たんしなあ。
ションベンするだけになっちまった」
「そうだよなあ、あの頃が懐かしいよ」
「まったくだ」
「まあそんなのはどうでもよろしい。
まずは実際の月のパラダイスがどうなっているか、探検せな」
俺たち7人は、ジャックの月面探査バスに乗り込んだ。
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