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第3話 皆に先んじようとする者は 皆の下僕になるがよい
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「こんにちわー、すごーい。
はじめて入った!
教会ってこんなカンジなんだね? ドラマとおんなじだあ! あはははは」
両手を広げ、礼拝堂を走り回る桃子。
それはまるで天使のようだった。
「よくここがわかったね?
お茶を淹れてあげよう。食堂へどうぞ」
私は紅茶の支度をし、先日、信者さんからいただいたチョコチップクッキーがあるのを思い出し、それを添えた。
「いただきまーす!
おいしい! 美味しい紅茶だね? とてもいい香りがする」
「アールグレイという紅茶だよ。いい香りがするだろう?」
「うん、初めて飲んだ」
「それは良かった」
「ねえ、牧師さん。この間の続きをしに来たんだけど」
「ありがとう。でもここは教会だからね、神様に叱られてしまう」
「神様っているの?」
「もちろんいっらっしゃるよ」
「どこに?」
すると桃子は私にキスをした。
「愛し合っちゃ駄目なの? エッチしなければ赤ちゃんはできないじゃん。
人類滅亡だよ、地球が滅んでゾウさんやウサギさんやライオンさんだらけになって、草や木でボウボウになって砂漠が広がっちゃうんだよ。
神様はそんな世界を望んでいるの? だったらどうして男と女がいるのよ? おかしいじゃない」
桃子の瞳は吸い込まれそうなくらいにあどけなく澄んでいた。
「子供を作るためのSEXは認められているが、快楽だけの行為は神様は望まれてはいないんだよ」
「そんなのヘンだよ。だって男と女は裸で愛し合うように出来てるじゃない?
あそことあそこがくっつくようになってるでしょ?
牧師さんだって、この前はそのつもりだったじゃない」
私は返答に窮してしまった。
性欲の処理に出掛けたのは偽らざる気持ちだった。
「じゃあ、性欲がある時は自分でオナニーしろっていうワケ?
その方がよっぽどみじめでいやらしいと思うけどなあ。
私はしないよ、する必要がないから。
だって私には・・・」
桃子はいつの間にか自分のことを「モモちゃん」とは言わず、「私」と言うようになっていた。
「13人の使徒がいるんだよね?」
「そうだよ、ヱヴァンゲリヲンみたいな元気溌剌な使徒がね?」
私はクスっと笑ってしまった。
それはキリストの13人の弟子たちを想起したからだ。
桃子の使徒の中にはユダも含まれているのだろうか?
「じゃあ食事に行こう、何が食べたい?」
「お寿司」
「どんな?」
「回転寿司でいいよ、プリンもあるし」
「プリンが好きなのか?」
「大好き!」
「たくさん食べていいからね」
「ありがとう、牧師さん!」
私は桃子と回転寿司の店に出掛けた。
はじめて入った!
教会ってこんなカンジなんだね? ドラマとおんなじだあ! あはははは」
両手を広げ、礼拝堂を走り回る桃子。
それはまるで天使のようだった。
「よくここがわかったね?
お茶を淹れてあげよう。食堂へどうぞ」
私は紅茶の支度をし、先日、信者さんからいただいたチョコチップクッキーがあるのを思い出し、それを添えた。
「いただきまーす!
おいしい! 美味しい紅茶だね? とてもいい香りがする」
「アールグレイという紅茶だよ。いい香りがするだろう?」
「うん、初めて飲んだ」
「それは良かった」
「ねえ、牧師さん。この間の続きをしに来たんだけど」
「ありがとう。でもここは教会だからね、神様に叱られてしまう」
「神様っているの?」
「もちろんいっらっしゃるよ」
「どこに?」
すると桃子は私にキスをした。
「愛し合っちゃ駄目なの? エッチしなければ赤ちゃんはできないじゃん。
人類滅亡だよ、地球が滅んでゾウさんやウサギさんやライオンさんだらけになって、草や木でボウボウになって砂漠が広がっちゃうんだよ。
神様はそんな世界を望んでいるの? だったらどうして男と女がいるのよ? おかしいじゃない」
桃子の瞳は吸い込まれそうなくらいにあどけなく澄んでいた。
「子供を作るためのSEXは認められているが、快楽だけの行為は神様は望まれてはいないんだよ」
「そんなのヘンだよ。だって男と女は裸で愛し合うように出来てるじゃない?
あそことあそこがくっつくようになってるでしょ?
牧師さんだって、この前はそのつもりだったじゃない」
私は返答に窮してしまった。
性欲の処理に出掛けたのは偽らざる気持ちだった。
「じゃあ、性欲がある時は自分でオナニーしろっていうワケ?
その方がよっぽどみじめでいやらしいと思うけどなあ。
私はしないよ、する必要がないから。
だって私には・・・」
桃子はいつの間にか自分のことを「モモちゃん」とは言わず、「私」と言うようになっていた。
「13人の使徒がいるんだよね?」
「そうだよ、ヱヴァンゲリヲンみたいな元気溌剌な使徒がね?」
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「じゃあ食事に行こう、何が食べたい?」
「お寿司」
「どんな?」
「回転寿司でいいよ、プリンもあるし」
「プリンが好きなのか?」
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「たくさん食べていいからね」
「ありがとう、牧師さん!」
私は桃子と回転寿司の店に出掛けた。
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