★【完結】街中華『ちゃらんぽらん』(作品241015)

菊池昭仁

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その10

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 「もうワシは心が折れた。ううううう
 こんなな老いぼれをイジメて楽しいか? ううううう」」
 「セクハラやパワハラは事実ですか! 答えて下さい! 大島町長!」
 「大島じゃないよ、小島だよ!」

 岐阜の町長が泣きながらタンメンを啜っている。

 「あの74歳のお爺ちゃん町長、記者の人たちに質問攻めにされて泣いていますよ」
 「ウソ泣きだよ。美味そうにタンメンを食う余裕があるからな?」


 「一体ワシが何をしたって言うんじゃ!」
 「私、頭をポンポンされました!」
 「ワシは「よくやった」と褒めただけじゃ!」
 「オッパイを揉まれました!」
 「ええじゃないかオッパイくらい! 減るもんやないし!」
 「抱きつかれました!」
 「アメリカ人の挨拶じゃ!」
 「お尻をさわったでしょ!」
 「桃かと思ったんじゃ! でも穴があった!」
 「この変態ジジイ!」
 「お前、誰のおかげで町役場に入れたと思っとるんじゃ! この恩知らずめ!」
 「お金はパパが払ったじゃないですか!」
 「そんなカネはもらっとらん! 
 ワシはただ、女子職員に抱きついたり、手を触ったり、乳を揉んだりしただけじゃ! それがセクハラだというのなら、デリヘルやピンサロはどうなる? あれも立派なセクハラじゃないか!」
 「バカ野郎! あれはプレイなの! 商売なの! お前はタダでやってるじゃないか!」
 「そうだそうだ! このスケベジジイ!「
 「町役場は風俗じゃないぞ! そんなに女が好きならソープにでも行け!」
 「恥を知りなさい町長!」
 「ワシは町長だぞ! 町長のワシが女子職員に何をしようとワシの勝手じゃ! ワシの町役場なんじゃから! ワシの町なんじゃから!」
 「アンタは何のために町長になったんだ!」
 「女とチョメチョメするためじゃ! ボケ!」
 「74歳のジジイのくせに! 早く辞任しろ!」
 「ワシはまだ若い! 74歳じゃ! あの大物議員は84歳じゃぞ! 政治家に定年などない!
 ワシはパンパースを履いてでも町長は辞めんぞ! オンナ大好き!」
 

 「ラオチュウ料理長。政治家ってそんなにいい職業なんですか?」
 「今の日本に政治家はいない。いるのは薄汚い政治屋ばかりだ」
 「ボクよりもお腹、真っ黒ですもんね?」
 
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